2012年8月20日月曜日

BISモニター

初期研修医勉強会  担当:I先生

「BISモニター」

・BISとは
  ・bispectral indexの略。
  ・Aspect MedicalSystem社が開発した簡易脳波モニター。
  ・前額部の脳波を解析
  ・患者の鎮静度を0~100の数値で表す。
  ・BIS値の算出法は企業秘密
・BISの必要性
  ・鎮静度の目安としてMAC(EtSEV)では?
  ・MACを規定しているのは脳でなく脊髄
  ・MACは麻酔薬の脊髄への作用を見ている
  ・体動の有無は、意識の有無とは関係ない
  ・麻酔薬の脳への作用を見るには直接脳をモニターする必要がある
・BISの使い方
  ・BIS値を40~60を目安にする
  ・SQIにも注意を払う
  ・BISの値は5秒前のもの(解析に5秒くらいかかる)
  ・波形にも着目する
  ・BISが60以下でも覚醒してる可能性はある!
・BIS値の指標
  ・RBR(relative beta ratio)→BIS60~100で相関
    (30~47hzと11~20hzのパワー比の対数。)
  ・Synch Fast Slow→BIS60~100で相関
    (詳細不明)
  ・BSR(burst suppression ratio)→BIS0~40
    (後で詳しく。特にBIS0~25ではほぼこれのみ。)
  ・QUAZI→0~40
    (詳細不明)
・波形と麻酔薬の種類
  ・BISの波形は使う麻酔薬によってことなる
    ・GABAa受容体に作用する系
     →セボフルラン、プロポフォール、チオペンタール
     →GABAa系の脳波は睡眠時に近い
    ・NMDA受容体系
     →ケタミンなど
    ・ベンゾジアゼピン系
     →ミダゾラム、ジアゼパムなど

・ブレイク
「漫画の中の麻酔科医」

・BISと年齢。
  ・新生児では覚醒時でも徐波が主体(BISは低い)
  ・6ヶ月を過ぎる頃から睡眠紡錘波がみられる
  ・2歳前後からは年齢依存(振幅は成人の2倍以上)
    →BISは低くなる
  ・思春期から20歳代前半までは個人差あり
   (人によっては小児期のような高振幅)
  ・高齢者では脳細胞の減少、脳血管障害など
  ・25~55歳くらいが安定してるという意見あり
・BISの異常高値・低値
  ・麻酔濃度が不適当
  ・麻酔薬の分布範囲の変化・アーチファクトの混入
    →EMG, ECG, 電気メス,ペースメーカーなど
  ・鎮痛薬が十分に効いていないときの侵害刺激
  ・burst suppressionが出現する直前の脳波(paradoxical increase)
  ・強い侵害刺激の後(paradoxical arousal)
  ・覚醒時の低振幅(異常低値)



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