ICU勉強会 担当:U先生
「類洞閉塞症候群(SOS)」
・類洞閉塞症候群(sinusoidal obstruction syndrome:SOS)
・veno-occlusive disease;VOD肝中心静脈閉塞症ともいう
・移植後3大合併症の1つ(感染・急性GVHD・VOD)
・臨床的診断
・移植後30日以内
・放射線照射、化学療法後
・他に原因となる疾患がない。
・疼痛を伴う肝腫大、腹水貯留、体重増加、ビリルビン上昇
・肝中心静脈閉塞を伴う循環障害性肝障害。
・診断
・腹部エコー
・腹水
・門脈波形変化
・胆嚢壁肥厚
・肝動脈抵抗指数0.75以上
・門脈逆flow
・Serum procollagen type III
・Antithrombin and protein C
・Plasminogen activator inhibitor type 1
・病理学的には・・・
→肝中心静脈の閉塞と中心静脈域の肝細胞の壊死および鬱血。
・移植後にVODの危険因子
・前処置中からの感染症
・ウイルス性肝炎
・移植前の長い化学療法歴
・肝障害例
・ブスルファンを中心とした前処置
・前処置中の肝障害
・同種移植(特に非血縁者やHLA不一致donorからの移植)など。
・予後
・軽症例での多くは自然に回復。
・重症例(肝不全・多臓器障害)では90%以上の致死率。
・発症後、重症度がどこまで進むかについて予知困難
・severeになると治療抵抗性
・治療
・tPA治療しか有効な治療法がない。
・tPA治療の副作用(出血)を考慮すると判断に難渋するケースも。
・デフィブロタイド、トロンボモジュリンなども。