2012年7月6日金曜日

Post Operative Atrial Fibrillation

麻酔科勉強会   担当:N先生

「Post Operative Atrial Fibrillation (POAF)」

・POAFの発生
  ・CABG単独・・・30%
  ・弁形成・弁置換・・・40%
  ・両方・・・50%
・POAF発症のピーク 
  →70%がPOD2まで、94%がPOD6までに発症。
・POAFはlife threateningである!
  ・Morbidity ↑ Mortality↑
  ・術後塞栓症、stroke発症が3倍。
  ・Hemodynamic  compromise
  ・心室性不整脈
  ・治療介入による医原性合併症
・POAFが病院リソースに与える影響
  ・入院期間が4-9日延長する。
  ・アメリカでは10,000-11,500ドルの余分なコストがかかる。
・POAFのリスクファクター
  ・70歳以上の高齢者
  ・AFの既往
  ・男性
  ・左室低心機能
  ・左房拡大
  ・弁手術
  ・COPD、CRF、DM、obesityもリスク。
・POAFのPathogenesis
  ・Pre-disposing factors
  ・Intraoperative factors
  ・Post-operative factors
  ・炎症
  ・活性酸素などなど
     →心房の構造的基質に影響
     →心房の電気生理学的基質に影響
     →POAF
・POAFの予防
  ・β-blocker
    ・Indication class Ⅰ
    ・交感神経活動の抑制によりPOAF予防?
    ・術前に飲んでた人は中止しない!
  ・アミオダロン
    ・ARCH trial、PAPABEAR trialなど
    ・徐脈と低血圧が増える可能性。
  ・心房ペーシング
  ・その他には・・・
    →Digoxin、CCB、Mg、スタチン、N-3脂肪酸、NSAIDS、ステロイド
・POAFの治療
  ・Rate control
    →術後は交感神経系が亢進
    →POAFのrate controlは難しい。
  ・Rhythm control
  ・カルディオバージョン
    →血行動態不安定、急性心不全、心筋虚血のとき。
・抗凝固療法
  ・出血のリスク
    →高齢、高血圧、出血の既往
  ・開始のタイミング
     ・POAF発症後48時間以降
     ・繰り返すPOAFの時

・まとめ
  ・POAFは頻度の高い合併症である。
  ・mortality、morbidityを増やす。
  ・塞栓、strokeのリスクが高まる。
  ・コストもかかる。
  ・POAFが起こったら
    →血行動態不安定ならカルディオバージョン
    →血行動態安定ならAV nodeブロックするクスリ。
  ・24時間以内にsinus復帰しなければ
    →classⅢorⅠc抗不整脈薬+早期抗凝固療法を考慮。