2015年12月13日日曜日

ASAサンディエゴ発表報告

麻酔科勉強会  担当:Y先生

「ANESTHESIOLOGY 2015@San Diego発表報告」

・ASA Annual Meating
  ・アメリカ麻酔学会の総会かつ最大の祭典。
  ・毎年10月末にアメリカの都市で開催。
    →1846年10月16日に初のエーテル麻酔が行われたことを記念。
  ・参加者は麻酔科医だけでおよそ15,000人。
  ・最近は日本からの参加者もかなり増えている。
・非会員の参加費は高い!10万円超!
  ・Resident身分のうちに参加するのが絶対にお得!
    →1-2万円程度で参加できる。
  ・筆頭演者には割引がある。
・演題登録まで
  ・演題登録はASAのWebsiteにて。
  ・発表は原則e-poster型式。
  ・だいたい毎年4月末あたりが締め切り。
  ・ASA非会員の場合は演題登録料として$25必要。
  ・ポスター登録にも別途$65必要。
  ・MCCSは比較的通りやすいらしい。
・サンディエゴへ
  ・関空からはロサンゼルスかサンフランシスコで乗り換えとなる。
  ・成田からは毎日JALの直行便が出ている。
・Registration
  ・ASAから来たバーコード付きメールを見せると、
   ネームプレートとプログラムが貰える。
・MCCS
  ・困難症例報告セクション。プレゼン・掲示は10分間のみ。
  ・発表者はResidentクラスが多い。
  ・比較的通りやすい。
  ・大盛況。
・E-Poster Presentation
  ・ポスターは半日間掲示される。
  ・発表は入り口にあるさらに大きなメインモニター前で行う。
  ・特にジャンル分けはない。基礎から臨床までバラバラ。
  ・日本からの発表も目立ちました。
・全てのポスターはE-Poster On DemandというPCブースで閲覧可能。
・発表は無事終わりました。
・Refresher Course聞いてきました。
 ・妊婦の区域麻酔について
  ・合併症リスクは長期留置、複数回穿刺、ステロイド、DM、HIV感染
  ・硬膜外血腫の経皮的ドレナージの報告
  ・マスクを付けずに手技をしたら口腔内菌を起炎菌とする
   髄膜炎をきたしたという報告
    →背中の手技の際には必ずマスクを付けること!
 ・心臓手術での血液戦略
  ・血小板機能を測る機械がある。
 ・緊急気道管理について
  ・20度のヘッドアップでpreoxygenationを行うと
   呼吸停止許容時間が長くなる。特に肥満患者には有効。
  ・酸素化が厳しい場合はNHFCを使用しながら挿管
   (RCTも2つあるが結果が違う。。。)。
  ・SALADを使おう。
   =Suction-Assisted-Laryngoscopy-Airway-Decontamination
    →ビデオ型挿管デバイスに吸引をつけたもの。
  ・Out of ORでは挿管は最大最強の手段を最初から用いて
   一撃で決めること。
 ・病的肥満妊婦の麻酔
  ・アメリカでは妊婦の50%が肥満、10%が病的肥満。
  ・そのせいか、先進国でアメリカだけでは
   妊産婦の死亡症例が年々増えている。麻酔関連は0.3%。
  ・BMI 35以上の妊婦のうち19%しか自分は病的と認識していない。
  ・肥満妊婦の区域麻酔はsitting positionで!
   Middle lineを同定するのが鍵。
    →エコーは?施行時間はかかるが、成功率は上がる。
  ・肥満妊婦は動くと硬膜外カテーテルが移動する。抜けるかも。
  ・非観血的血圧測定値が信頼出来ないことが多い。
    →動脈ラインも考慮。
・サンディエゴ観光も楽しんできました。
・来年はシカゴです。