2015年12月12日土曜日

周術期喫煙と禁煙

麻酔科勉強会  担当:T先生

「喫煙について」

・現在の日本の喫煙率
  ・男性30.3%  女性9.8%
・喫煙の利点
  ・ストレス解消
  ・痩せる
  ・暇つぶしになる
  ・タバコづくりに関する人々の雇用を支える
・喫煙の影響
  ・機能的影響・・・酸素運搬能など
   ・禁煙後すぐに回復
  ・器質的影響・・・絨毛障害、肺実質障害など
   ・禁煙しても回復まで時間がかかる
・手術における喫煙の影響
  ・循環機能への負荷増大
  ・酸素需要供給バランスの悪化
     →低酸素血症への恐れ
・手術患者、術後30日後の合併症
 喫煙者は非喫煙者に比べて
  ・肺炎2倍、再挿管1.9倍、人工呼吸遷延1.5倍、創部感染1.3倍、
   心停止1.6倍、心筋梗塞1.8倍、脳卒中1.7倍、・・・
・ASA PSにおいてcurrent smokerはPS 2に分類される。
・術前、術後は可能なかぎりの禁煙が推奨される。
・禁煙による短期的影響
 ・組織への酸素供給量の低下
 ・不整脈
・ニコチンの作用
 ・気道分泌、血管収縮が主。
 ・毒性としては中枢神経症状、骨格筋麻痺、
  神経終末の持続的脱分極など
 ・薬理作用
   ・血管抵抗上昇
   ・血圧上昇
   ・心拍数上昇
   ・侵襲反応上昇
   ・心仕事量上昇
・喫煙の肺への影響
 ・絨毛へのダメージ
   ・感染増加
   ・排痰困難
 ・肺胞隔壁の障害
・創部治癒遅延
 ・縫合不全
 ・表皮縫合部の離開
・周術期禁煙ガイドライン
  →強い推奨
     ・安全な手術のために禁煙は必須の術前準備である。
   ・有効性が高いのはカウンセリングと禁煙補助薬。
   ・禁煙指導の専門家に紹介。
   ・長期禁煙は生命予後を改善する。
   ・介入を行ったほうが術後再喫煙率を下げる。
・ニコチン代替療法
 ・手術当日は中止
 ・禁煙できなくても減煙は進む
・当院の術前喫煙率は18%でした。