麻酔科勉強会 担当:S先生
「術中覚醒とBIS」
・術中覚醒の定義
→experience and explicit recall of sensory perceptions
during surgery
・術中のことを明白に思い出せる
・頻度
・0.1-0.2%
・33%:痛みを覚えている
・50%:手術室の会話,音を思い出せる
・25%:挿管時に関連した記憶
・16%:PTSD発症
・術中覚醒の原因
・薬剤エラー
・麻酔技術
・機器の問題
・airway
・例えば・・・
・ディプリバンキット交換時に再開押し忘れ
・ルートのコネクタ外れていた
・セボフルラン補充してダイヤル回し忘れ
・TIVAで輸液ボトルが空
・ミズチバ
・ライン漏れ
・TCIポンプに体重誤入力
・三方活栓の向き間違い
・吸入麻酔薬が空
・・・
・術中覚醒のリスク因子
・心臓手術(最大1/100)
・女性
・若年
・外傷、緊急手術
・緊急全身麻酔の帝王切開(4/1000)
・TIVA
・小児( 0.6% )
・Briceの質問票
・BISモニターによる監視は?
・BIS:Biseptral Index
・測定した脳波をCovidienが
フーリエ変換を用いた謎のアルゴリズムで数値化
・進化するBIS
・BIS A-1050→BIS-XP→BIS-VISTA
・BISモニターのパラメーター
・SQI(Signal quality index)
→BIS値の信頼度、アーティファクト、筋電図などで低下
・SR(Suppresion ratio)
→1分間(63sec)に脳波がフラットになった時間の割合。
麻酔が深くなると増加
・EMG(Electromyograph)
→筋電図70-110Hzの波形の強さ(デシベル)を表示
・SEF(Spectral Edge Frequency 95)
→日本語訳するとスペクトルエッジ周波数。
全体のPower Spectrumのうちちょうど95%が
その周波数以下に存在するFrequencyの値。
一般に麻酔が深くなるとこの値は小さくなる。
・BISに影響を及ぼすもの
・EMG(特に前頭部の筋肉)
・Medical device
・ペースメーカー
・ウォーマー
・副鼻腔の手術の際に使う内視鏡やシェーバー
・電気メス・・・
→BISを上昇させる。
・脳波の異常値
・麻酔薬やその他薬など
・ケタミン→BIS値上昇
・ハロタン→BIS値上昇
・イソフルラン→transient paradoxical response?
・笑気
・エフェドリン→BIS値上昇?
・BISをつければ術中覚醒は防げるのか?
・B-Aware trial:BIS群で術中覚醒少ない。
・Safe-2 trial:BIS群で術中覚醒少ない。
・B-Unaware trial:有意差なし
・BAG-RECALL trial:BIS群でむしろ術中覚醒多い。