2013年9月30日月曜日

気管支喘息と麻酔

初期研修医勉強会  担当:M先生

「気管支喘息と麻酔」

・気管支喘息とは
  ・気道の慢性炎症性疾患
  ・気道の狭窄、過敏性亢進
・術前評価するポイントは?
  ・発症年齢
  ・最近の発作
  ・内服加療や吸入薬使用の有無
  ・季節性
  ・睡眠障害
  ・入院歴(時期、回数)
  ・アスピリン喘息
  ・喫煙の有無
・喘息の既往があると言われたら・・・
  ・過去数年間発作なし
  ・内服薬や吸入薬なし
  ・身体所見や呼吸機能検査にて異常なし
    →術前処置は不要
・今でもゼーゼーいってる場合は・・・
  ・緊急でないのであれば手術は延期
  ・緊急を要するなら
    →吸入薬で改善してから手術 
    →術中も吸入でコントロール
・アスピリン喘息
  ・好発年齢は30~40歳代
  ・慢性副鼻腔炎や鼻茸を合併
  ・NSAIDsの使用により発作が誘発
    →時に致死的
  ・コハク酸エステル型ステロイドの使用を避ける
・麻酔導入
  ・プロポフォールは実はアレルギー反応を誘発しやすい!
   →注意が必要な患者
    ・喘息のコントロールが悪い
    ・アトピー患者
    ・多数の薬剤にアレルギーあり
・挿管
  ・気管への刺激により発作が誘発される率が上昇
  ・可能な限りマスクで維持することが推奨される
  ・長時間の手術、full stomach
   手術部位が気道の確保を難しくするなどの場合
    →躊躇せず挿管する
・吸入麻酔薬
  ・吸入麻酔薬には気管支拡張作用あり
  ・セボフルランは粘膜への刺激性が弱く好んで用いられる
・術中喘息発作について
 ・カプノグラムで呼気が延長
 ・1回換気量の減少
   →これらの所見で疑えば聴診で確認
・術中発作が起こったら?
 ・麻酔を深くする
   →吸入麻酔薬の濃度を上げる
 ・β2刺激薬の吸引
 ・ステロイド静注
 ・吸引は麻酔深度が十分に深くなってから!
・リドカインの静脈内投与は気管支痙攣を抑制しうる
・β2刺激薬との併用により、更なる効果が期待できる