初期研修医勉強会 担当:M先生
「気管支喘息と麻酔」
・気管支喘息とは
・気道の慢性炎症性疾患
・気道の狭窄、過敏性亢進
・術前評価するポイントは?
・発症年齢
・最近の発作
・内服加療や吸入薬使用の有無
・季節性
・睡眠障害
・入院歴(時期、回数)
・アスピリン喘息
・喫煙の有無
・喘息の既往があると言われたら・・・
・過去数年間発作なし
・内服薬や吸入薬なし
・身体所見や呼吸機能検査にて異常なし
→術前処置は不要
・今でもゼーゼーいってる場合は・・・
・緊急でないのであれば手術は延期
・緊急を要するなら
→吸入薬で改善してから手術
→術中も吸入でコントロール
・アスピリン喘息
・好発年齢は30~40歳代
・慢性副鼻腔炎や鼻茸を合併
・NSAIDsの使用により発作が誘発
→時に致死的
・コハク酸エステル型ステロイドの使用を避ける
・麻酔導入
・プロポフォールは実はアレルギー反応を誘発しやすい!
→注意が必要な患者
・喘息のコントロールが悪い
・アトピー患者
・多数の薬剤にアレルギーあり
・挿管
・気管への刺激により発作が誘発される率が上昇
・可能な限りマスクで維持することが推奨される
・長時間の手術、full stomach
手術部位が気道の確保を難しくするなどの場合
→躊躇せず挿管する
・吸入麻酔薬
・吸入麻酔薬には気管支拡張作用あり
・セボフルランは粘膜への刺激性が弱く好んで用いられる
・術中喘息発作について
・カプノグラムで呼気が延長
・1回換気量の減少
→これらの所見で疑えば聴診で確認
・術中発作が起こったら?
・麻酔を深くする
→吸入麻酔薬の濃度を上げる
・β2刺激薬の吸引
・ステロイド静注
・吸引は麻酔深度が十分に深くなってから!
・リドカインの静脈内投与は気管支痙攣を抑制しうる
・β2刺激薬との併用により、更なる効果が期待できる