2013年9月15日日曜日

監察医制度と解剖のお話

「麻酔科勉強会」 担当:S先生


「監察医制度と解剖のお話」


・監察医制度
  ・1946年:戦後のGHQによる占領政策で導入された制度。
    →米国の「Medical Examiner‘s System 」に基づき、
     東京都変死者等死因調査規定を制定。
  ・1947年:監察医制度を制定
    →人口上位7都市に。
    →東京23区・大阪市・京都市・名古屋市・横浜市・神戸市・福岡市。
  ・1949年:死体解剖保存法が制定
    →伝染病、中毒、災害で死亡した疑いのある死体、
     その他死因の明らかでない死体について、
     死因究明と公衆衛生の向上を図る。
  ・1985年:京都、福岡は自治体の財政上の都合により同制度は廃止。
・監察医制度の役割
  ・サンプリング地域内の正確な死因統計作成
  ・残された家族のために
  ・県民の安心安全のために
  ・医療へのフィードバック
・兵庫県監察医務室の紹介
・多数の地域は監察医制度はない。
  →CPAOAを見た担当医が検案
  →問題となる事案も。
    ・北見市ガス漏れ事故
    ・犯罪死の見逃し
・心肺蘇生について
  ・胸骨圧迫の合併症
    ・全合併症:21-65%と高率に発生
    ・肋骨骨折:13-97%
    ・重篤な合併症:大動脈破裂、心破裂、胃破裂、
            肝損傷、脾損傷、内胸動脈損傷
  →解剖すると胸骨・肋骨骨折は必発。
  →時々、肝損傷や心外膜出血のケースも。
・CPAOA症例、CPR外傷が致命的となるケースもあるかも。。