2017年3月25日土曜日

NCPRアルゴリズム2015年ガイドラインを復習

麻酔科勉強会  担当:M先生

「NCPRアルゴリズム2015年ガイドラインを復習」

・JRCガイドラインでの初期評価
 ・早期産であるか
 ・呼吸・啼泣の消失
 ・筋緊張の低下
 →いずれも認めない場合はルーチンケアへ移行する。
 →清拭・保温しカンガルーケアなどへ
・蘇生行為の介入及び評価
 ・基本はABCアプローチ
  ・Air way
  ・Breathing
  ・Circulation
   ・評価は自発呼吸の出現と心拍数>100
・新生児の蘇生が必要となる頻度
 ・正期産時では誕生後10-30秒後に自発呼吸が開始される。
 ・85%が自然発生し
 ・10%が刺激により開始され
 ・3%に陽圧呼吸が必要となり
 ・2%に挿管管理が必要となり
 ・0.1%に胸骨圧迫や薬剤投与を要する
  →約15%が何らかの補助が必要で5%では陽圧呼吸以上の介入が必要
・Apgar Score
 ・1952年ヴァージニア・アプガーにより考案されたスコア
 ・5つの項目×0-2点でスコアリング
 ・7点以上が正常
 ・4-6点が軽度仮死
 ・3点以下が重症仮死と判断される。
 ・出生後1分時および5分時に評価
   ・1分時スコアは出生時の仮死の有無の評価
   ・5分時は神経学的予後の判断指標。(<7 p=""> ・児の評価として簡便に使用できるが・・・
  ・チアノーゼはそもそも正期産時でも回復に数分かかる。
  ・神経学的予後の指標となるが個々の症例でかなり振れ幅が多い
  ・JRCおよびAHA/AAP/ILCORのガイドライン
    →Apgar scoreのみで新生児の蘇生の評価を行うべきではない。
  ・1分値と5分値の比較による蘇生行為に対する反応性の評価としては有能
・蘇生行為のSTEP
 ・呼吸
 ・清拭・保温・刺激・吸引・気道確保
   ・羊水の清拭・保温による低体温の予防
   ・上気道吸引
   ・刺激
     →足底をさする・背中をさするなど
     →これ以上の刺激はかえって児に損傷をきたすため避ける。
 ・呼吸補助
   ・PEEP/IPAPを適宜行いサポートする。
   ・蘇生の介入は自発呼吸の有無と
    中心性チアノーゼの有無および心拍数で判断
   ・その後のモニタリングはチアノーゼの度合いよりも
    SpO2および自発呼吸の出現の有無および心拍数で評価する。
   ・目標等すべきSpO2
     ・出生後30秒の時点での自発呼吸の有無を評価
     ・心拍数>100で
       ・1分値>60
       ・3分値>70
       ・5分値>80
       ・10分値>90
     ・あくまで目標でありSpO2がうまく測定できない場合や
      この値以上でも自発呼吸がなく
      PR<100 p="">   ・呼吸回数は40-60/minを目標とする。
   ・FiO2は前述のSpO2を目標としつつ
   ・正期産であればRA
   ・早期産であれば 0.21-0.3で開始する。
     →なるべく高濃度酸素は避けて開始。
      自発呼吸の回復などがみられなければ適宜FiO2をup。
   ・圧は25-30前後までで
 ・挿管
 ・循環
 ・胸骨圧迫
   ・心拍数60/min 以下でcpr開始
   ・3:1で1サイクル2秒
   ・胸郭包み込み両拇指圧迫法にて行う
   ・胸骨下1/3を1/3へこませる
 ・薬剤投与
     ・Epinephrine 0.01mg-0.03mg/kg iv
     ・もしくは0.05mg-0.10mg/kg 気管内投与
・アルゴリズムで変わったこと
 ・評価に皮膚の色調がなくなった。
 ・心拍数の評価にパルスオキシメーターだけでなく
  ECGモニタリングが加わった。
 ・パルスだと徐脈をオーバートリアージする可能性がある。
 ・ECGのほうが情報量が多い
 ・その情報を活用できるか不明