ICU勉強会 担当:I先生
「POAF」
・POAF:post operative atrial fibrillation
・術後に起こる心房細動
・開心術で圧倒的に多い
・CABGで30%、弁置換術で40%、CABG+弁膜症手術で60%
・入院期間の延長と関連も予後とは相関しないという過去の報告
→最近は、積極的に予防と治療をする方針となっている
・POAFはCABG後の院内死亡率、長期予後と関連し、
長期死亡率上昇の独立した予測因子である
J Am Coll Cardiol. 2004;43 :742-8
・POAFは長期・短期予後、ICU滞在期間、合併症と相関する
Ann Surg. 1997;226:501-11
・AF自体がAFを誘発する(AF begets AF)
・電気的、構造的リモデリング
・ヤギに連日心房高頻度刺激を加え、
AFを持続させると心房細動の持続時間が長くなる
Circulation 1995;92:1954-68
・POAFの予防
・第1選択肢はβブロッカー
・適応があれば推奨(ACCP2005)
・術前から内服しているものは
術後も内服することを推奨(CCS2010)
・禁忌がない限り推奨(ACCF/AHA/HRS2011)
・第2選択肢はアミオダロン
・β遮断薬が禁忌の患者に考慮 (ACCP2005)
・β遮断薬が禁忌の場合推奨(CCS2010)
・POAF高リスク症例で適切な予防法(ACCF/AHA/HRS2011)
・βブロッカーは絶対必要か
・根拠となっているRCT
→低心機能患者・術前からPAFの既往がある患者は除外。
→他の抗不整脈薬の同時投与がある
・BLOS trial
→術前にβ遮断薬を投与していない群
→術後投与してもPOAFの発症には有意差なし
Heart 2004;90:941-2
・アミオダロンの有用性
・2つのメタ解析は有意にAFを減少させると結論
Eur Heart J 2006;27:2846-57.
Ann Thorac Surg 2006;82:1927-37.
・予防効果に有意差なしとの報告もある
Am Heart J 2001;141:E8
Am Heart J 1999;138:144-50
・抗炎症によるPOAF予防
・心膜の炎症
→心房の伝導障害
→POAFを起こすと言われている
・ステロイドはPOAFを減少させる
Circulation. 2009;119:1853–1866.
・最近の知見では、コルヒチンがPOAFを減少させる
Circulation.2011; 124: 2290-2295.
→COPPS POAF trial
・Study design:イタリアの前向き多施設RCT
・Patients:開心術を受けた360人
・Intervention:
・3日目にコルヒチンを2mg分2で開始、
1ヶ月間は1mg分2で継続
・Comparison:プラセボ
・Outcome:コルヒチンはPOAFを減らした
(12.0% vs 22.0%,p=0.021,RRR=45%)
・POAFの治療
・原則レートコントロール(STS2011,CCS2010)
・AFFIRM trial
→リズムvsレートコントロールで予後に差はなし
Engl J Med 2002;347:1825-33.
・AFが持続すれば抗凝固療法
・リスク2個以上かつ48時間以上持続で適応(STS2011)
・72時間以上持続で考慮(CCS2010)
・Mgを代表とする電解質補正
Ann Thorac Surg 2005;80:2402-6.
Am J Med 2004;117:325-33.
・Volumeを評価し、足りていなければ負荷
2013年3月20日水曜日
外減圧後の合併症
ICU勉強会 担当:S先生
「外減圧後の合併症」
・外減圧後の合併症
・感染
・頭蓋内外の血腫、液体貯留
・Sinking Skin Flap Syndrome(SSFS)
・SSFSとは?
・1997年Yamamuraらによって報告
・広範な外減圧術後の稀な合併症
・減圧後数週〜数ヶ月後に発症
・大気圧>頭蓋内圧
・症状
・激しい頭痛、精神変容、巣症状、痙攣
・Paradoxical herniation
→昏睡、死に至ることも。
・治療
・頭蓋形成術
・SSFSに関する論文
Synking Skin Flap Syndrome and Paradoxical Herniation
After Hemicraniectomy for Malignant Hemispheric Infarction
・27人中3人(11%)で3-5ヶ月後に発症
・4人(15%)で無症候性のSSF syndromeを認めた
・発症群の方が外減圧の表面積が小さい(P=0.05)
・発症群
・梗塞範囲が大きい
・年齢が高い
・頭蓋形成時期が遅くなっている傾向
・頭蓋骨は大切。
「外減圧後の合併症」
・外減圧後の合併症
・感染
・頭蓋内外の血腫、液体貯留
・Sinking Skin Flap Syndrome(SSFS)
・SSFSとは?
・1997年Yamamuraらによって報告
・広範な外減圧術後の稀な合併症
・減圧後数週〜数ヶ月後に発症
・大気圧>頭蓋内圧
・症状
・激しい頭痛、精神変容、巣症状、痙攣
・Paradoxical herniation
→昏睡、死に至ることも。
・治療
・頭蓋形成術
・SSFSに関する論文
Synking Skin Flap Syndrome and Paradoxical Herniation
After Hemicraniectomy for Malignant Hemispheric Infarction
・27人中3人(11%)で3-5ヶ月後に発症
・4人(15%)で無症候性のSSF syndromeを認めた
・発症群の方が外減圧の表面積が小さい(P=0.05)
・発症群
・梗塞範囲が大きい
・年齢が高い
・頭蓋形成時期が遅くなっている傾向
・頭蓋骨は大切。
周術期体温管理
初期研修医勉強会 担当:Y先生
「周術期体温管理」
・人間=恒温動物
・核心温度 core temperature
→通常37±0.2℃で調節されている
・行動性体温調節
→寒いから服を着る、暖房をつけるなど
→オペ室がさむくても患者さんは動けない
・自律性体温調節
→血管拡張収縮、発汗、ふるえによる調節
→全身麻酔下ではこれも制限されている
・麻酔中の体温低下のメカニズム
・熱喪失量の増加
・冷たい手術台への伝導
・冷たい空気が患者に当たることによる対流
・皮膚、露出した内蔵、気道からの蒸発
・全身麻酔による代謝率低下
・麻酔により体全体の代謝は20~30%も低下
・温度分布の変化
・核心温度:脳や胸腔内、腹腔内温度
・外殻温度:皮膚・皮下・筋肉などの温度
・通常は核心温度>外殻温度に保たれている
→麻酔により末梢血管が開く
→体温が再分布してしまう
・全身麻酔下では
→末梢血管収縮・シバリングの閾値温度が著明に低下
・体温管理
・室温の維持
・輸液剤、輸血用血液の加温
・吸入ガスの加温、加湿
→肺循環からの直接的な熱の奪取を防ぐ
→気化熱による体温低下も防止
・半閉鎖回路では
・酸素・空気の流量を減らすと
→再呼吸するガス量が増える
→熱喪失が減少
・温風対流式ブランケット
・最も有用な体温維持法
・手術30分程度前から使用すると
→外殻温度が上昇
→麻酔後の体温再分布による体温低下が防げるという報告
・温水還流式ブランケット
・オーバーヘッドランプ
・人工心肺
・アミノ酸輸液
・体温モニタリング
・鼓膜温、鼻咽頭温、食道温など様々な部位で測定される
・鼻咽頭温
・簡便
・深すぎると口腔内に近くなる。
・肺動脈に比べて0.5℃程度の誤差あり
・鼓膜温
・内頚動脈の血流支配下
・脳内温度として測定される
・食道温
・下部食道に留置すると大動脈温に近似
・上腹部・開胸手術では正確に測定しづらい
・肺動脈温
・ほとんど大動脈温と同じであり理想的
・肺動脈カテーテル挿入が必要
・直腸温
・一応、中枢温
・腸内ガスや糞便や手術操作の影響を受けやすい
→本来の中枢温より低めに測定
・膀胱温
・手術操作に影響されやすい
・直腸温より中枢温によく相関する
・周術期低体温の予防と合併症
・人工股関節手術患者60名の前向きランダム化試験で
積極的加温群で出血軽減
Schmied H ,et al;Lancet,1996
・中枢温度が1℃下がるだけで約16%出血↑、
輸血のリスクが22%↑
Rajagopalan S,et al;Anesthesiology,2008
・1時間程度の小手術でも加温が手術部位感染を抑制し
術後抗生剤の使用量が減少
Melling AC,et al;Lancet,2001
・周術期低体温により心イベント(VT、UAPなど)発生率増加
シバリング発生率とは相関せず独立したリスクの可能性
Frank SM,et al;JAMA,1997
・ヨーロッパでの体温モニタリングと加温の現状
→全体で20%で体温モニターされ、
約40%が積極的加温されているのみであった
Torossian A;Eur J Anaesthesiol,2007
・周術期低体温に関するガイドライン
→2008年、英国国立医療技術評価機構
・Deren ME,et al; J Arthroplasty,2011
・股関節・膝関節手術患者66名を対象
・高室温(24℃)とControl群(17℃)をランダム比較
→積極的加温が開始されるまでの中枢温は有意差あり
→手術開始までに積極的加温開始され、
手術終了時点では両群間の中枢温に有意差なし
・Inaba K,et al;J Trauma Acute Care Surg, 2012
・外傷で緊急手術を要した患者118名が対象
・手術室の気温と患者の中枢温を記録
→全体の41%の患者で手術終了時点で中枢温低下あり
→後ろ向き解析にて患者の中枢温低下と手術室気温は
関連が認められなかった
「周術期体温管理」
・人間=恒温動物
・核心温度 core temperature
→通常37±0.2℃で調節されている
・行動性体温調節
→寒いから服を着る、暖房をつけるなど
→オペ室がさむくても患者さんは動けない
・自律性体温調節
→血管拡張収縮、発汗、ふるえによる調節
→全身麻酔下ではこれも制限されている
・麻酔中の体温低下のメカニズム
・熱喪失量の増加
・冷たい手術台への伝導
・冷たい空気が患者に当たることによる対流
・皮膚、露出した内蔵、気道からの蒸発
・全身麻酔による代謝率低下
・麻酔により体全体の代謝は20~30%も低下
・温度分布の変化
・核心温度:脳や胸腔内、腹腔内温度
・外殻温度:皮膚・皮下・筋肉などの温度
・通常は核心温度>外殻温度に保たれている
→麻酔により末梢血管が開く
→体温が再分布してしまう
・全身麻酔下では
→末梢血管収縮・シバリングの閾値温度が著明に低下
・体温管理
・室温の維持
・輸液剤、輸血用血液の加温
・吸入ガスの加温、加湿
→肺循環からの直接的な熱の奪取を防ぐ
→気化熱による体温低下も防止
・半閉鎖回路では
・酸素・空気の流量を減らすと
→再呼吸するガス量が増える
→熱喪失が減少
・温風対流式ブランケット
・最も有用な体温維持法
・手術30分程度前から使用すると
→外殻温度が上昇
→麻酔後の体温再分布による体温低下が防げるという報告
・温水還流式ブランケット
・オーバーヘッドランプ
・人工心肺
・アミノ酸輸液
・体温モニタリング
・鼓膜温、鼻咽頭温、食道温など様々な部位で測定される
・鼻咽頭温
・簡便
・深すぎると口腔内に近くなる。
・肺動脈に比べて0.5℃程度の誤差あり
・鼓膜温
・内頚動脈の血流支配下
・脳内温度として測定される
・食道温
・下部食道に留置すると大動脈温に近似
・上腹部・開胸手術では正確に測定しづらい
・肺動脈温
・ほとんど大動脈温と同じであり理想的
・肺動脈カテーテル挿入が必要
・直腸温
・一応、中枢温
・腸内ガスや糞便や手術操作の影響を受けやすい
→本来の中枢温より低めに測定
・膀胱温
・手術操作に影響されやすい
・直腸温より中枢温によく相関する
・周術期低体温の予防と合併症
・人工股関節手術患者60名の前向きランダム化試験で
積極的加温群で出血軽減
Schmied H ,et al;Lancet,1996
・中枢温度が1℃下がるだけで約16%出血↑、
輸血のリスクが22%↑
Rajagopalan S,et al;Anesthesiology,2008
・1時間程度の小手術でも加温が手術部位感染を抑制し
術後抗生剤の使用量が減少
Melling AC,et al;Lancet,2001
・周術期低体温により心イベント(VT、UAPなど)発生率増加
シバリング発生率とは相関せず独立したリスクの可能性
Frank SM,et al;JAMA,1997
・ヨーロッパでの体温モニタリングと加温の現状
→全体で20%で体温モニターされ、
約40%が積極的加温されているのみであった
Torossian A;Eur J Anaesthesiol,2007
・周術期低体温に関するガイドライン
→2008年、英国国立医療技術評価機構
・Deren ME,et al; J Arthroplasty,2011
・股関節・膝関節手術患者66名を対象
・高室温(24℃)とControl群(17℃)をランダム比較
→積極的加温が開始されるまでの中枢温は有意差あり
→手術開始までに積極的加温開始され、
手術終了時点では両群間の中枢温に有意差なし
・Inaba K,et al;J Trauma Acute Care Surg, 2012
・外傷で緊急手術を要した患者118名が対象
・手術室の気温と患者の中枢温を記録
→全体の41%の患者で手術終了時点で中枢温低下あり
→後ろ向き解析にて患者の中枢温低下と手術室気温は
関連が認められなかった
2013年3月9日土曜日
Journal超ななめ読み2月
「Journal超ななめ読み2月」
Intraoperative tissue oxygenation and postoperative outcomes after major non-cardiac surgery: an observational study.
非心臓手術における周術期StO2と術後Outcomeの関連。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):241-9
Left ventricular volume and ejection fraction assessment with transoesophageal echocardiography: 2D vs 3D imaging.
経食道心エコーによるLV volumeとEFの評価、2D vs 3D。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):201-6.
Duodenal infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile.
再発性CD腸炎に対する経十二指ドナー腸便移植
N Engl J Med. 2013 Jan 31;368(5):407-15.
Pleth variability index is a weak predictor of fluid responsiveness in patients receiving norepinephrine.
ノルアドレナリン投与中の患者ではPVIは輸液反応性の指標とならない。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):207-13
A prospective randomized trial of lidocaine 30 mg versus 45 mg for epidural test dose for intrathecal injection in the obstetric population.
産婦人科手術の硬膜外麻酔におけるtest doseリドカイン30mgと45mgの比較。
Anesth Analg. 2013 Jan;116(1):125-32
Extracorporeal Membrane Oxygenation for Pandemic Influenza A(H1N1)-induced Acute Respiratory Distress Syndrome: A Cohort Study and Propensity-matched Analysis.
インフルエンザA(H1N1)によるARDSに対するECMO。
Am J Respir Crit Care Med. 2013 Feb 1;187(3):276-85.
Critical Illness Myopathy and GLUT4: Significance of Insulin and Muscle Contraction.
CIMとGLUT4~筋収縮におけるインスリンの重要性について
Am J Respir Crit Care Med. 2013 Feb 15;187(4):387-96.
Hydroxyethyl starch 130/0.38-0.45 versus crystalloid or albumin in patients with sepsis: systematic review with meta-analysis and trial sequential analysis.
Sepsis患者に対するHES vs 晶質液またはアルブミンに関するメタアナライシス。
BMJ. 2013 Feb 15;346:f839
Three-step method for ultrasound-guided central vein catheterization.
3ステップ法による超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入
Br J Anaesth. 2013 Mar;110(3):368-73.
・周術期の最低StO2が低ければ術後死亡、合併症が増える可能性。
・LV volume、EF計測については3D TEEに特に利点はない。
・再発性CD腸炎に対しては便移植が有効。
・NAD使用中の患者ではPVIは輸液反応性の指標として有用でない。
・硬膜外麻酔のtest doseはリドカイン30mg+ADでよさそう。
・H1N1 fluA関連ARDSではECMO群と非ECMO群で死亡率に差はない。
・CIM患者ではGLUT4が偏在し筋への糖取り込みが阻害される。
・Sepsis患者にHESを使う理由はない。
・「3ステップ法」中心静脈穿刺は安全で成功率が高い。
Intraoperative tissue oxygenation and postoperative outcomes after major non-cardiac surgery: an observational study.
非心臓手術における周術期StO2と術後Outcomeの関連。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):241-9
Left ventricular volume and ejection fraction assessment with transoesophageal echocardiography: 2D vs 3D imaging.
経食道心エコーによるLV volumeとEFの評価、2D vs 3D。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):201-6.
Duodenal infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile.
再発性CD腸炎に対する経十二指ドナー腸便移植
N Engl J Med. 2013 Jan 31;368(5):407-15.
Pleth variability index is a weak predictor of fluid responsiveness in patients receiving norepinephrine.
ノルアドレナリン投与中の患者ではPVIは輸液反応性の指標とならない。
Br J Anaesth. 2013 Feb;110(2):207-13
A prospective randomized trial of lidocaine 30 mg versus 45 mg for epidural test dose for intrathecal injection in the obstetric population.
産婦人科手術の硬膜外麻酔におけるtest doseリドカイン30mgと45mgの比較。
Anesth Analg. 2013 Jan;116(1):125-32
Extracorporeal Membrane Oxygenation for Pandemic Influenza A(H1N1)-induced Acute Respiratory Distress Syndrome: A Cohort Study and Propensity-matched Analysis.
インフルエンザA(H1N1)によるARDSに対するECMO。
Am J Respir Crit Care Med. 2013 Feb 1;187(3):276-85.
Critical Illness Myopathy and GLUT4: Significance of Insulin and Muscle Contraction.
CIMとGLUT4~筋収縮におけるインスリンの重要性について
Am J Respir Crit Care Med. 2013 Feb 15;187(4):387-96.
Hydroxyethyl starch 130/0.38-0.45 versus crystalloid or albumin in patients with sepsis: systematic review with meta-analysis and trial sequential analysis.
Sepsis患者に対するHES vs 晶質液またはアルブミンに関するメタアナライシス。
BMJ. 2013 Feb 15;346:f839
Three-step method for ultrasound-guided central vein catheterization.
3ステップ法による超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入
Br J Anaesth. 2013 Mar;110(3):368-73.
・周術期の最低StO2が低ければ術後死亡、合併症が増える可能性。
・LV volume、EF計測については3D TEEに特に利点はない。
・再発性CD腸炎に対しては便移植が有効。
・NAD使用中の患者ではPVIは輸液反応性の指標として有用でない。
・硬膜外麻酔のtest doseはリドカイン30mg+ADでよさそう。
・H1N1 fluA関連ARDSではECMO群と非ECMO群で死亡率に差はない。
・CIM患者ではGLUT4が偏在し筋への糖取り込みが阻害される。
・Sepsis患者にHESを使う理由はない。
・「3ステップ法」中心静脈穿刺は安全で成功率が高い。
局所麻酔薬中毒
初期研修医勉強会 担当:M先生
「局所麻酔薬中毒」
・局所麻酔薬
・リドカイン
・メピバカイン
・ブピバカイン
・ロピバカイン
・分子式
・共通構造:脂溶性の高い芳香基
・メピバカイン:共通構造+CH3
・ロピバカイン:共通構造+C3H7
・ブピバカイン:共通構造+C4H9
・塩基型(B)とイオン型(BH+)の平衡状態にある。
・電位依存性ナトリウムチャネル
・電離していない塩基型(B)の状態で細胞膜を通過
→イオン型(BH+)に変化
→細胞質側から電位依存性ナトリウムチャネルをブロック
→作用を発揮
・局所麻酔薬のpKa(酸解離定数)が7.4に近いと
→作用発現が早くなる
・脂溶性が高いほど
→局所麻酔の作用が強くなる
・ブピバカイン
・長時間作用型の局所麻酔薬
・長年にわたり使用されてきた
・ブピバカインの偶発的な血管内注入
→蘇生抵抗性の心停止が起こる
・ロピバカイン
・長時間作用性の局所麻酔薬
・脂溶性が低い
・心毒性が低い
・毒性の低いS(-)-エナンチオマーのみから構成
・副作用
・中枢神経障害
→意識障害、痙攣、めまい
・循環障害
→ショック、血圧上昇・低下
頻脈・徐脈、不整脈
・典型的な症状は
・中枢神経興奮(聴覚障害・口周囲の違和感・興奮)
・中枢神経抑制(昏睡・呼吸抑制)・けいれん
・循環促進(高血圧・頻脈)
・循環抑制(低血圧・徐脈・心停止)
・内頸動脈や、椎骨動脈などに流入した場合
→けいれんや循環障害が突然生じることも
・局所麻酔薬中毒の予防
→血管内への注入を防ぐこと!
→針やカテーテルの血管内に留置されていること
・穿刺時に陰圧をかける
→2%程度の偽陰性が存在する
・Test Dose
・フェンタニル100μg→傾眠傾向
・エピネフリン10〜15μg/mL
(1)HR 10bpm以上の上昇
(2)sBP 15mmHg以上の上昇
→感度 80%
・分割投与
・3~5mLを15〜30秒の間隔をあけながら注入する。
・HR、BPをモニターしながら。
・血管内注入の場合は1分以内に変化が現れる。
・超音波ガイド下局所麻酔
・治療
・まずは気道確保
→高CO2、低O2、アシドーシスは局所麻酔中毒の増悪因子
・痙攣が起こったら
→ベンゾジアゼピンにて鎮痙攣
・心停止、致死的不整脈が生じたら
→基本的にはACLSガイドラインに従って蘇生
→しかしブピバカイン誘発性の心停止は蘇生に抵抗性
・脂肪乳化剤注入
・局所麻酔中毒に対する治療での副作用は報告されていない。
・膵炎症状のない高アミラーゼ血症の報告も
・脂肪乳化剤を中止すると約45分後に循環が不安定に
・投与方法
・20%脂肪乳化剤を理想体重で1.5mL/kgボーラス投与
→循環が安定したら
→0.25~0.5mL/kg/minを10分程度まで持続投与
→循環が安定しなければ
→再度ボーラス投与+0.5mL/kg/minで持続
・30分で10mL/kgがが上限
・ただ適応症例や投与時期に関しては議論の余地がある。
・同じ脂肪乳化剤でもプロポフォールは使わない。
「局所麻酔薬中毒」
・局所麻酔薬
・リドカイン
・メピバカイン
・ブピバカイン
・ロピバカイン
・分子式
・共通構造:脂溶性の高い芳香基
・メピバカイン:共通構造+CH3
・ロピバカイン:共通構造+C3H7
・ブピバカイン:共通構造+C4H9
・塩基型(B)とイオン型(BH+)の平衡状態にある。
・電位依存性ナトリウムチャネル
・電離していない塩基型(B)の状態で細胞膜を通過
→イオン型(BH+)に変化
→細胞質側から電位依存性ナトリウムチャネルをブロック
→作用を発揮
・局所麻酔薬のpKa(酸解離定数)が7.4に近いと
→作用発現が早くなる
・脂溶性が高いほど
→局所麻酔の作用が強くなる
・ブピバカイン
・長時間作用型の局所麻酔薬
・長年にわたり使用されてきた
・ブピバカインの偶発的な血管内注入
→蘇生抵抗性の心停止が起こる
・ロピバカイン
・長時間作用性の局所麻酔薬
・脂溶性が低い
・心毒性が低い
・毒性の低いS(-)-エナンチオマーのみから構成
・副作用
・中枢神経障害
→意識障害、痙攣、めまい
・循環障害
→ショック、血圧上昇・低下
頻脈・徐脈、不整脈
・典型的な症状は
・中枢神経興奮(聴覚障害・口周囲の違和感・興奮)
・中枢神経抑制(昏睡・呼吸抑制)・けいれん
・循環促進(高血圧・頻脈)
・循環抑制(低血圧・徐脈・心停止)
・内頸動脈や、椎骨動脈などに流入した場合
→けいれんや循環障害が突然生じることも
・局所麻酔薬中毒の予防
→血管内への注入を防ぐこと!
→針やカテーテルの血管内に留置されていること
・穿刺時に陰圧をかける
→2%程度の偽陰性が存在する
・Test Dose
・フェンタニル100μg→傾眠傾向
・エピネフリン10〜15μg/mL
(1)HR 10bpm以上の上昇
(2)sBP 15mmHg以上の上昇
→感度 80%
・分割投与
・3~5mLを15〜30秒の間隔をあけながら注入する。
・HR、BPをモニターしながら。
・血管内注入の場合は1分以内に変化が現れる。
・超音波ガイド下局所麻酔
・治療
・まずは気道確保
→高CO2、低O2、アシドーシスは局所麻酔中毒の増悪因子
・痙攣が起こったら
→ベンゾジアゼピンにて鎮痙攣
・心停止、致死的不整脈が生じたら
→基本的にはACLSガイドラインに従って蘇生
→しかしブピバカイン誘発性の心停止は蘇生に抵抗性
・脂肪乳化剤注入
・局所麻酔中毒に対する治療での副作用は報告されていない。
・膵炎症状のない高アミラーゼ血症の報告も
・脂肪乳化剤を中止すると約45分後に循環が不安定に
・投与方法
・20%脂肪乳化剤を理想体重で1.5mL/kgボーラス投与
→循環が安定したら
→0.25~0.5mL/kg/minを10分程度まで持続投与
→循環が安定しなければ
→再度ボーラス投与+0.5mL/kg/minで持続
・30分で10mL/kgがが上限
・ただ適応症例や投与時期に関しては議論の余地がある。
・同じ脂肪乳化剤でもプロポフォールは使わない。
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