2016年4月7日木曜日

ペースメーカー勉強会

ICU勉強会  担当:臨床工学技士 Yさん

・本体
 ・本体は電子回路とリチウム電池、および収納ケースから成る。
 ・前胸部皮下に埋め込まれる。
   →成長が見込まれる小児の場合は腹部のケースも。
 ・収納ケースは缶詰と同じ意味で缶canと呼ばれる。
・リード
 ・タイン・スクリュー
・デバイスの種類
 ・PM:徐脈
 ・ICD:致死性不整脈
 ・CRTP:心不全
 ・CRTD:致死性不整脈+心不全
・体外式ペースメーカー
 ・一時的にペーシングを入れる機器
 ・設定変更も簡易的にできるが細かい設定はできない
 ・電池寿命:500時間程度(DDD70ppm設定 5V出力)
 ・電池指示灯点灯:約36時間
 ・交換時:30秒間のバックアップペース
・PM
 ・日本語では「徐脈治療器」
 ・原則的に徐脈に対して植込み
    →洞不全症候群、AVBなど
 ・脈拍が設定以下になると刺激
・ICD
 ・植込み型除細動器
 ・致死性不整脈に対して治療(ATP or Shock)を行う。
・ILR
 ・植込型心電用ループレコーダ
 ・長期的に心電図の記録を行う
 ・Brady・Asystole・ Tachycardia の記録を行うことができる。
・モード
 ・NBGコード
   →アルファベットであらわされる国際ペースメーカコード
・トラブルシューティング
 ・ペーシング不全とセンシング不全
 ・ペーシングを行っているにも関わらず心筋が反応しない
   →ペーシングスパイクのみで、QRS波が無い。
   →徐脈になる可能性あり!
 ・患者サイド
   ・刺激閾値の上昇(薬剤による一過性の上昇など)
     →食事,服薬,代謝等も関係
   ・VW分類Ic群:ペーシング閾値上昇の可能性
       Ⅲ群:除細動閾値を上昇させる可能性あり!!
 ・リードサイド
   ・電極の離脱・位置ズレ
   ・破損
   ・接続の外れ
・アンダーセンシング
 ・自己脈(P波・QRS波)を見逃している
 ・自己収縮波が出ているにもかかわらず、ペーシングしている
 ・R on TによるVfの可能性
 ・不要なペーシングにより電池消耗も早まる
 ・原因
   ・患者サイド
     ・センシング閾値の変化
   ・リードサイド
     ・電極の離脱・位置ズレ
     ・損傷
     ・接続外れ
   ・ペースメーカサイド
     ・感度設定値が高すぎる(感度が鈍すぎる )
     ・電池消耗
・オーバーセンシング
 ・QRS波が出ていないのにペーシングが抑制
    →徐脈になる可能性
 ・原因
   ・患者サイド
     ・筋電位
     ・EMI(電磁干渉) 
   ・リードサイド
     ・被膜損傷 
   ・ペースメーカサイド
     ・感度設定値が低すぎる(感度が鋭すぎる )
・術中設定変更
  ・固定モード(AOO・VOO・DOO)の選択
  ・センシングをせず、設定Rateでペーシングのみ
  ・長所:ノイズなどの外部刺激が入っても
      ペーシングが抑制されない
  ・短所:自己脈が出ていてもペーシングが入る
     →Spike on Tが発生する可能性あり
・自己脈チェック・設定変更は麻酔導入後!
  ・覚醒時、自己脈が確認できても、
   麻酔導入後にRateの変動が起こる可能性あり
・設定解除は抜管前!
  ・抜管の刺激で期外収縮が起こる可能性あり
  ・Spike on Tを防ぐため、先に変更する
・ICD・CRTDの治療機能は術中はOFFに設定
  ・電気メスのノイズを頻脈と誤認識してしまうと、
   不適切にショックが放出される危険性がある
    →VT・VFが発生しても治療されない。
・パッド装着部位
   1.心臓を挟む位置
   2.植込み型デバイスから8cm離す
・まず、患者の自己脈チェック(麻酔導入後)
 ・自己脈でもRate・血圧が維持できる場合
  ・Mode:DDIやVVIなどのバックアップモード
  ・Rate:自己脈より低い設定
 ・自己脈がでないor血圧が維持できない場合
  ・Mode:DOOやVOOなどの固定モード
  ・Rate:自己脈より高い設定



   田中竜馬Drが当院GICUを訪問されました。