2015年4月23日木曜日

集中治療とTEE

「ICU勉強会」  担当:M先生

「集中治療とTEE」

・ICUにおけるTEEの適応
  →TTEではっきりとした情報が得られなくて、
   TEEで得られた情報で管理が変わると「期待」できる患者のみ
・ICUにおけるエコーの重要性
  ・ICUにおいて、急激な血行動態が起こったときには、
   まず心臓の動きを評価するべき
  ・急激な血行動態変化を伴うときには心臓の収縮能だけでなく、
   拡張能も調べるべき
 →TTEではダメなのか?
・TEE vs TTE
  ・TTEの後TEEを行い新しい所見が発見された確率:27-98%
  ・TEEの所見で血行動態が安定した症例:80%
・TTE所見を見えにくくする因子
  ・ドレッシングテープ
  ・挿管チューブ
  ・人工呼吸による過膨張
  ・気胸
  ・縦隔気腫
・TTEが失敗する因子
  ・体重増加>10%
  ・PEEP>15cmH2O
  ・胸腔ドレーン
  ・強心薬
  ・血管収縮薬
 →心臓手術後ICUではほとんどの患者が上記条件を満たす。。。
・TTEの技術的進歩
  ・ハーモニックイメージ
  ・デジタル処理
    →これらの進歩のおかげで
     TTEによる心原性ショックの原因検索
      ・感度:100%
      ・特異度:95%
・他のデバイスではダメなのか?
  ・TEE vs 肺動脈カテーテル(PAC)
    ・セットアップからモニタリングできるまでの時間
       ・PAC:63分
       ・TEE:19分
    ・PACを留置している低血圧状態の患者
       →63%がTEEによって状態が改善した
・心外術後でPAC留置している患者
   →血行動態と所見が完全に一致したのはTEEのみ
・TEEの安全性について
  ・TEEはsemi-invasiveである
  ・ある程度の修練をつんだ医師が行えば
  「ほとんど」合併症は起きない。
  ・7200例の心臓血管手術で死亡率は0%、
   その他の合併症発生率は0.2%であった
・結局のところ
  ・「TTEではっきりとした情報が得られなくて、
    TEEで得られた情報で管理が変わると「期待」できる患者のみ」
    がICUにおけるTEEの適応であろう。