2014年5月14日水曜日

小児の気道管理

麻酔科勉強会  担当:W先生

「小児の気道管理」

・無呼吸後の酸素飽和度低下時間
  ・肥満127kg大人<10kg子供<70kg大人
・解剖学的違い
  ・相対的に舌が大きく、鼻腔が狭い
  ・喉頭位置は前方・頭側(成人C6、小児C4)
  ・喉頭蓋が長い
  ・声帯が傾斜し、円錐型の喉頭は輪状軟骨部が最も狭い
  ・相対的に頭が大きく、後頭部突出
    →仰臥位で自然と首が屈曲
・生理学的違い
  ・酸素予備量・機能的残気量が小さい
  ・酸素消費量が多い(成人3ml/kg/min、乳児6ml/kg/min)
    →上気道閉塞や無呼吸で急激に酸素飽和度が低下する
  ・新生児と乳児
    →肺胞が少なく、肺の弾性収縮力・コンプライアンスが小さく、
     胸郭コンプライアンスが大きい
    →無気肺と肺内シャントのリスクが増大
・低酸素血症
  ・気管挿管に手間取る、迅速導入
  ・喉頭痙攣
    →感冒やインフルエンザ、興奮期や第2期の麻酔深度で抜管
  ・覚醒時でも普段から息こらえがある
    ・息こらえ=Valsalva様現象
       →声門閉鎖により腹腔・胸腔内圧が上昇
       →換気困難となり肺血管抵抗↑、
        卵円孔開存から右→左シャントが生じる可能性
・準備は万端に
  ・薄い円座と肩枕
  ・経口・経鼻エアウェイが非常に有効
  ・曲型ブレード
    →アデノイドや扁桃肥大で視野が悪いとき
    →舌を圧排し視野を確保
  ・直型ブレード
    →喉頭が前方頭側にあり喉頭蓋で喉頭が見えないとき
  ・基本的に「~1歳が直型、1歳~が曲型」
  ・LMA、気管支ファイバー、AWSなど
  ・挿管チューブ
    ・カフ無し:4+年齢/4
    ・カフ有り:3.5+年齢/4
    ・少なくとも前後3サイズを準備
    ・カフ有りチューブでは、カフを輪状軟骨より遠位に挿入
  ・カフ圧:25~30cmH2O未満?
  ・成人の毛細管圧は25~35mmHgだが小児は不明
  ・気道内圧25cmH2Oでリークがない場合
    →抜管後の咳嗽・喉頭痙攣が多いという報告
・小児の迅速導入
  ・準備万端にし、導入時役割分担を決定
  ・可能であれば予め胃管で胃内容吸引
  ・マスク密着で酸素化
  ・輪状軟骨の位置確認
  ・薬剤投与
     ・アトロピン0.01mg/kg
     ・チオペンタール4~6mg/kg
     ・ロクロニウム0.9mg/kg
  ・入眠後に輪状軟骨圧迫
  ・マスク換気は行わず30~60秒後に挿管
  ・挿管確認
  ・挿管失敗時は輪状軟骨を圧迫しながらマスク換気を行い再度挿管
・ロクロニウムを増量
  →効果発現は早くなるが作用時間が延長する
・不適切な輪状軟骨圧迫
  →喉頭展開不良・気道閉塞・食道損傷の原因となる
・浅麻酔での輪状甲状軟骨圧迫
  →バッキングや咳を誘発させる
・輪状甲状軟骨に必要な圧
  ・成人では30~40N(約3~4kgf)が推奨
  ・小児では規定されていない
・迅速導入変法
  新生児
   →十分太い胃管で体位を変えながら胃を圧迫しつつ吸引
   →誤嚥には問題のないレベルまで胃内容が減少する
  ・十分に胃を吸引した後に、
   単なる急速導入または輪状軟骨を圧迫しながら
   換気を行うmodified RSIが行われることも多い
・薬剤投与後に輪状軟骨を圧迫しながら100%酸素でマスク換気
  →筋弛緩が得られたのちに挿管する方法も。
・腸重積整復について
  ・「非観血的整復術を無麻酔で行っても全身麻酔下で行っても
    整復率に差はなく、全身麻酔は必要ない:推奨度C2」
  ・動物実験
     ・鎮静は息こらえの働きを抑制させる。
       →穿孔の危険性が高くなる可能性。
・腸重積症
  ・6ヶ月〜2歳未満、男児に多い
  ・三大症状は、腹痛・嘔吐・血便
  ・脱水が強い
  ・発症から時間経過が短く、軽症のものは注腸整復が容易
  ・開腹手術適応
    ・イレウスや消化管穿孔を合併した症例
    ・器質的疾患を持ち整復不可能であった症例など
  ・当院では原則全身麻酔だが・・・
    ・そもそも全身麻酔で行わない
    ・スキサメトニウムによる迅速導入
    ・筋弛緩の発現が早い
    ・非脱分極性筋弛緩薬による迅速導入
    ・priming principle
    ・意識下挿管