麻酔科EBM勉強会 担当:M先生
「麻酔と睡眠時無呼吸」
・睡眠時無呼吸
→慢性的に、睡眠中の部分的もしくは完全な
上気道閉塞を繰り返す病態
・有病率
・中年男性で9%、中年女性で5%
・最大90%のOSAS患者が正式な診断をされていない。
・閉塞起点は?
・口蓋垂89%
・舌根部22%
・下咽頭33%
・喉頭33%
・OSASの症状
・眠っているとき
・大きないびきをかく
・呼吸の停止
・頻回の中途覚醒
・日中、起きているとき
・耐え難い眠気
・集中力の低下
・起床時の頭痛
・性欲減退
・OSAS患者は交通事故や労働災害といった事故に遭いやすい
・OSASに併存しや
・高血圧
・肺高血圧(右心不全)
・冠動脈疾患
・うっ血性心不全
・不整脈
・耐糖能障害
・メカニズム
・睡眠時無呼吸→反復する低酸素&高二酸化炭素血症
・酸化ストレス
・全身炎症(α、β受容体upregulation)
・血管内皮障害
・免疫反応
→心血管疾患、耐糖能障害
・OSASの検査と診断
・Polysomnography
・AHI(apnea hypopnea index)
→1時間当たりのApnea、Hypopneaの回数
→重症度分類
・OSASの合併症
・挿管困難
・術後低酸素血症、SpO2の低下
・血圧変動
・術後心筋虚血
・術後不整脈
・術後せん妄
・気道閉塞後肺水腫
・呼吸停止
・合併症増加の原因
・周術期の薬剤
→周術期の薬剤の投与(鎮静薬、筋弛緩薬など)
→上気道の緊張の低下、気道反射の抑制、中枢性換気応答の減弱
→上気道閉塞を増悪させる
・上気道狭窄
・元々狭小化している上気道
→麻酔や手術に伴いさらに狭小化
→上気道の閉塞を引き起こす
・挿管後の声帯浮腫、鼻腔パッキング、NGチューブ、
血腫などが原因となる
・仰臥位はOSASを増悪させる
・サーカディアンリズムの乱れ
・CPAPの中断
・スクリーニング
・ASA(American Society of Anesthesiologists)
・BMI35kg/㎡以上
・頚部の周囲径男性:17インチ、女性:16インチ以上
・気道に影響を与える頭頚部奇形の存在
・鼻腔の解剖学的な閉塞
・両側扁桃が接触しているまたは接触しそう
→2つ以上該当で陽性
・APSS(Associated Professional Sleep Society)
・STOP screening tool
・STOP-Bang screening tool
・Epworthの眠気テスト(日本呼吸器学会)
・Mallanpati分類からOSASのリスクを予想しよう!
→Mallanpati分類が1つ上がるごとにOSASのリスクも上昇する
・Recommendation
・日中の早い時間帯に手術の予定を入れましょう
・CPAPを持参するよう指示しましょう
・Difficult Airwayに備えましょう
・必要に応じモニタリングできる環境を整えましょう
・局所麻酔や神経ブロックを考慮しましょう
・導入・抜管時ヘッドアップしましょう
・誤嚥の予防をしましょう
・術後は上気道閉塞がないか継続した観察を行いましょう
・高CO2血症が疑われた場合血ガスを考慮しましょう
・麻薬の初回投与は回復室で行いましょう
・麻薬の眠剤やアルコールとの併用しないよう指導しましょう
TAVIセッティング