2014年2月28日金曜日

ストレス潰瘍予防


ICU勉強会  担当:K先生

「潰瘍予防」

・ストレス潰瘍の機序
  ・重症疾患
   →腸管内循環不全
     →HCO3分泌低下
     →胃粘膜血流低下
     →腸管蠕動低下
     →胃酸の胃内停滞
       →急性ストレス潰瘍の発生
・ストレス潰瘍予防の適応
 ・次の項目のうち一つ
  ・凝固異常(血小板数<5万orINR>1.5 APTT>正常値の2倍)
  ・48時間以上の人工呼吸
  ・上部消化管出血or潰瘍の既往
  ・外傷性の脳損傷・脊髄損傷・熱傷(対表面積の35%以上)
 ・次の項目のうち二つ
  ・敗血症
  ・ICU滞在が1週間以上
  ・潜血陽性が6日以上
  ・ステロイド治療(ハイドロコルチゾン250mgかそれと同等)
・PPIとH2RAの作用機序
・胃潰瘍診療ガイドライン
  ・非ピロリ胃潰瘍→PPI第一選択肢
・PPI vs H2blocker
  ・H2RAの方が出血率が高かったという報告
  ・SSCG2012ではH2RAよりPPI推奨
・ストレス潰瘍予防薬のデメリット
 ・PPIとC.difficile感染症
   →毎日PPI or H2RA投与でCD感染発症率が上がるという報告
 ・潰瘍予防薬とHAP
   →PPIはH2RAと比較してHAP発生率が高いという報告
 ・PPIと骨折リスク
   →PPIの使用で股関節骨折のリスクが上昇するという報告。
     ・使用歴がなかければリスク上昇
     ・PPI中止後2年以内はその傾向が続く
   原因は???
    ・小腸からのCa吸収低下説
    ・PPIが破骨細胞の活動を促進する説
・経管栄養開始後のストレス潰瘍予防は必要?
  ・経腸栄養あり:①潰瘍予防薬の効果がない可能性
             ②肺炎の副作用がある可能性
  ・経腸栄養なし:①潰瘍予防薬の効果あり。
・アスピリン内服中患者の一次予防は?
  ・エヴィデンスレベルの高い報告がない。
  ・急性期は必要だろうが慢性的長期投与は必要ないだろう。