初期研修医勉強会 担当:Y先生
「周術期の輸血」
・もともと貧血がある
・出血した
・術後、貧血が進行
→周術期に輸血を考慮することは少なくない。
・同種輸血の合併症
・ABO型あるいは不規則抗体の不適合輸血
・遅発性溶血性副作用
・発熱
・蕁麻疹
・GVHD
・感染症
・TRALI
・TACO
・輸血合併症は減少傾向にある。
・種々のスクリーニング検査の導入と精度向上
・赤血球保存期間の短縮
・放射線照射を含む白血球除去等
・とりわけFNHTRやPT-GVHDは大きく減少している。
・輸血に関わる有名なStudy
・TRICC trial
・ICU入室後、72時間以内にHb<9g/dLとなったPt
・制限輸血(Hb<7g/dL, 7-9g/dLを目標)
vs 非制限輸血(Hb<10g/dL, 10-12g/dLを目標)
・アウトカム(死亡率、臓器障害、病院滞在日数)に差はなかった。
・心血管イベント、心筋梗塞、肺水種の発生率は
非制限輸血群で有意に高かった。
・FUCUS trial
・心血管疾患のリスクあるいは既往のあるPtでTHA
・術後3日目までの段階で
制限輸血(Hb<8g/dL)vs非制限輸血(Hb<10g/dL)
・死亡率に有意差なし。
・制限輸血群 vs 非制限輸血群を比較したmeta-analysis
・RCT21study8,735例
・重篤な感染症発生率は11.8%vs16.9%(RR 0.82,95%CI:0.72-0.95)
・制限輸血群は非制限輸血群に対し非劣勢という理解のもとに、
・NICE:Hb<7g/dLで輸血を考慮するよう提唱(目標はHb 7-9g/dL)
・TITRe2 study
・心外術後における制限輸血(Hb<7.5g/dL)vs非制限輸血(Hb<9g/dL)
・3か月以内の重症感染症、虚血性イベントで比較
・死亡率は制限輸血群のほうが多かった。
・ASAのガイドラインでは?
術前に…
①patient blood management protocolに則る
・Society for the Advancement of Blood Managementが提唱
・EBMや手術方針とすり合わせ
・輸血を減らしながら患者のアウトカムを改善しようという考え。
・術前に貧血を是正しておく。
・貧血の原因は?
・鉄材内服、rEPO使用など
・貧血で妨げられる酸素化を克服する。
・心機能評価
・COを調節する
・酸素化や呼吸器設定を調節
・酸素需要を下げる・・・
・PBM自体が非劣性であることが示された研究もある。
・独4大学病院でPBM導入
・RBC投与量/1人が減少し有害事象全体の発生率が不変。
・AKIについてはPBMで減少。
②抗凝固薬の拮抗を用意する
③失血を防ぐため止血剤を考慮する
④希釈性自己血輸血を考慮する
・A&Aに論文があったので紹介。