2016年10月27日木曜日

虚血性心疾患患者の麻酔管理

麻酔科勉強会  担当:M先生

「虚血性心疾患患者の麻酔管理」

・リスク評価
  ・1999年のLeeらの報告では50歳以上の待機的手術患者
  ・High-risk seurgery(AAA 開腹など)
  ・虚血性心疾患の既往
  ・心不全の既往
  ・インスリン使用の糖尿病
  ・Cre>2.0
  ・術中MACEが0.5%(0-2点)、1.3%(4)、4%(5)、9%(5)
・2014年AHA周術期ガイドラインでは?
  ・Low risk(MACE1%)とelevated riskに分類
  ・MACEの計算は専用サイトで。
  ・1%以下でもRCRI2点以上はelevated risk
    →いずれにせよ何らかのスコア化は有用。
・ハイリスク群では?
 ・運動耐用能力を調べる
  ・METs
   →>10:excellent 7-10:good,4-7:moderate,<4:poor
  ・Dukes Activity Status Index
・スコア化されていないがMACEに影響する併存疾患
  ・7日以内のACSもしくは1か月以内のMI
  ・Canada calssⅢ以上のuAP
  ・非代償性心不全
  ・Severe AS
  ・不整脈:高度房室ブロックなど
  ・高齢
  ・肺高血圧
・術前検査
 ・心電図
   →虚血性心疾患患者のroutine検査は有用(Ⅱa)
   →冠動脈疾患の既往が不明な場合も考慮してよい(Ⅱb)
 ・左室機能検査
   →原因不明の労作時息切れの患者
   →LVEF<30 p="">・術前CAGの適応
  ・AHA
    ・ルーチンの検査は不要
  ・日本
    ・術後心不全管理を要求される患者
    ・冠動脈再建を先行させるかの精査
・術前からの内服薬について
 ・βブロッカー
   ・継続か否か
    →POISE studyではβの内服で心臓イベントは抑制、
     脳卒中および死亡率は増加
    →術中の血圧低下、徐脈の関与の関与
    →維持量の患者は原則継続
    →RCRI>2のhigh risk群ではより効果は高い
   ・新規の導入
     →新規の導入はlow risk患者において推奨されない。
 ・ACEi/ARB
   ・現時点では継続によるbenefitは示されず
   ・術中低血圧が多かったがoutcomeには影響せず。
   ・休薬が必ずしも必要ではない
   ・休薬する場合は可能な限り早期の再開
 ・αブロッカー
   ・心イベントの予防効果なし
   ・術中低血圧イベント多く基本休
 ・ニトロ製剤
   ・予防的投与における虚血予防効果は認めていない。
 ・CCB
   ・虚血および頻脈の予防効果は一部論文であり。
   ・ルーチンでの投与は推奨されない。
   ・休薬の必要は指摘されず。
 ・スタチン
   ・スタチン内服は死亡率の低下あり。
   ・内服は継続
   ・ESCガイドラインでは2週間前からの内服も推奨
 ・アスピリン
   ・出血量は増加する
     →重篤な合併症をきたすほどの出血は有意差なし
   ・休薬によってmaceは3倍以上になるとの報告もあり。
   ・出血リスクが上回る場合を除いて継続を可能な限りおこなう。 
・周術期の虚血、梗塞を起こす病態は?
 ・需要の増大
 ・頻脈
 ・後負荷増大
 ・手術侵襲
 ・供給の低下
 ・還流圧の低下
 ・低酸素血症
 ・貧血
・術後モニタリング
 ・心電図
   →72時間以上の心電図のモニタリングは勧められず
 ・マーカー
   →上昇するタイミングは術後8-24時間がピーク