2016年8月6日土曜日

アセトアミノフェン

麻酔科勉強会 担当:T先生

「アセトアミノフェン」

・アセトアミノフェンの歴史
  ・1877年、Morse(米)がはじめて合成
  ・1887年、von mering(独)が鎮痛薬として臨床使用
  ・1953年、処方薬として発売
   その後、忘れられる
  ・1940年代、アセトアミノフェンがアニリド系の代謝産物と判明
  ・1955年、小児用のTylenol発売
・作用機序
  →実はよくわかっていない・
   ・ペルオキシダーゼ阻害作用説
   ・AM404説
   ・Cox-3阻害作用説
・薬物動態
 ・IVもoralも投与直後以外は血漿中濃度の推移同様
 ・しかし、CSF中濃度(効果部位?)はIV, oral, rectalの順にピーク。
   →IV: 2h後, oral: 4h後, rectal: 6h後
   ・肝臓での初回通過効果の有無
   ・投与直後の急激な濃度上昇→濃度勾配によるCSFへの受動拡散
 ・坐薬は以外と時間かかる(便やpHの影響?)
・効果のほどは?
 ・術後痛に対する単回IV投与に関するメタアナリシス
   →4時間後も50%以上の鎮痛が得られているのは、
    アセトアミノフェン37% vs プラセボ 16%
    ・オピオイド使用量減少
    ・しかしオピオイド関連の副作用には有意差なし
・肝障害について
  ・CYP2E1による代謝産物NAPQI
    →グルタチオン抱合され排泄
    →グルタチオンが枯渇すると肝障害
  ・肝障害→炎症→さらなる肝障害?
  ・飲酒→CYP2E1誘導→NAPQI増加
  ・低栄養→グルタチオン不足
 ・150mg/kg以上で肝障害の可能性 350mg/kg以上で重篤な肝障害
 ・慢性肝疾患(肝硬変含む)でも4g/日までなら
  問題ないとする報告が多い。
   →14日以上投与する場合は2-3g/日にするべき。
 ・治療
   →活性炭、1h以内なら胃洗浄
    N-アセチルシステイン(グルタチオン前駆体)


  TAVI症例も増えてきました。