「TEE勉強会」 担当:W先生
「肺高血圧&右心系評価」
・ASE/CSAガイドラインに右心機能評価が追加された。
・肺高血圧症のダナポイント分類
→肺高血圧症を5つに分類
・肺動脈性
・左心疾患による
・肺疾患及び/または低酸素による
・慢性血栓塞栓性
・原因不明の複合的要因による
・肺動脈性肺高血圧定義
・肺高血圧
・平均肺動脈圧≧25mmHg
・肺動脈性肺高血圧
・平均肺動脈圧≧25mmHg
・肺動脈楔入圧・左室拡張末期圧≦15mmHg
・ACCF/AHA CECD includes
・肺血管抵抗>3 wood units
・肺高血圧確定:安静時平均肺動脈圧が25mmHg以上
・肺高血圧疑い:安静時平均肺動脈圧が21~24mmHg以上
・正常:安静時平均肺動脈圧が20mmHg以下
・右心機能評価
・右室拡大
・三尖弁レベル:RVD1>42mm
・乳頭筋レベル:RVD2>35mm
・右室長径:RVD3>86mm
・面積変化率(RV fractional area change: RV-FAC)
→正常:RV-FAC>35%
・右室肥厚
・正常:壁厚 < 5mm
・moderator bandやseptal bandなどの肉柱の肥大あり。
・右室収縮能
・三尖弁輪収縮期移動距離:TAPSE
・正常:TAPSE >= 17mm
・Mモードで計測
・右室自由壁基部の三尖弁輪収縮期移動距離。
・どのエコー機器でも簡便に計測可能。
・RVFACやRVEFなど他の右室収縮機能の指標ともよく相関。
・角度依存性があり、計測部位で値が変化する。
・面積変化率(RV fractional area change: RV-FAC)
→正常:RV-FAC>35%
・3D-RVEF
・右室はその特異な形態のため2Dエコーでは
右室容量・駆出率の正確な測定は困難。
・3Dエコーによる右室駆出率
→より正確な右室容量・駆出率の測定が可能。
・ASEガイドラインでは3D-RVEF >=44%が正常
・正常値:57%(44-69)
・三尖弁輪収縮期運動速度:TVS'
・組織ドプラによる三尖弁輪収縮期運動速度
・TVS>= 10が正常
・右室拡張能
・右室拡張機能障害
→右心房圧上昇
→右心不全(頸静脈怒張・うっ血肝)
・早期の機能障害及び予後悪化の指標となり得る。
・主な指標は、E/A, E/E’, DT
・正常値
・E/A : 1.4 (0.8-2.1)
・E/E' : 4 (2-6)
・右房径
・右房長軸・短軸・収縮終期面積
・TEEで計測可?
・局所心機能
・スペックルトラッキング
・ストレイン
・ストレインレート
・総合的心機能
・Myocardial performance index: MPI
→右室Tei-index
→肺高血圧・急性肺血栓塞栓の症例で、
肺動脈圧とともに増加し感度よく
右心機能障害を診断するのに有用
→心拍数により変動すること、右房圧が高値の場合に
IVRTが短縮するため低値になることに注意