2014年10月1日水曜日

肺高血圧&右心系評価

「TEE勉強会」 担当:W先生

「肺高血圧&右心系評価」

・ASE/CSAガイドラインに右心機能評価が追加された。
・肺高血圧症のダナポイント分類
  →肺高血圧症を5つに分類
    ・肺動脈性
    ・左心疾患による
    ・肺疾患及び/または低酸素による
    ・慢性血栓塞栓性
    ・原因不明の複合的要因による
・肺動脈性肺高血圧定義
 ・肺高血圧
   ・平均肺動脈圧≧25mmHg
 ・肺動脈性肺高血圧
   ・平均肺動脈圧≧25mmHg
   ・肺動脈楔入圧・左室拡張末期圧≦15mmHg
 ・ACCF/AHA CECD includes
   ・肺血管抵抗>3 wood units
 ・肺高血圧確定:安静時平均肺動脈圧が25mmHg以上
 ・肺高血圧疑い:安静時平均肺動脈圧が21~24mmHg以上
 ・正常:安静時平均肺動脈圧が20mmHg以下
・右心機能評価
 ・右室拡大
    ・三尖弁レベル:RVD1>42mm
    ・乳頭筋レベル:RVD2>35mm
    ・右室長径:RVD3>86mm
    ・面積変化率(RV fractional area change: RV-FAC)
      →正常:RV-FAC>35%
 ・右室肥厚
   ・正常:壁厚 < 5mm
   ・moderator bandやseptal bandなどの肉柱の肥大あり。
 ・右室収縮能
   ・三尖弁輪収縮期移動距離:TAPSE
   ・正常:TAPSE >= 17mm
     ・Mモードで計測
     ・右室自由壁基部の三尖弁輪収縮期移動距離。
     ・どのエコー機器でも簡便に計測可能。
     ・RVFACやRVEFなど他の右室収縮機能の指標ともよく相関。
     ・角度依存性があり、計測部位で値が変化する。
   ・面積変化率(RV fractional area change: RV-FAC)
     →正常:RV-FAC>35%
   ・3D-RVEF
     ・右室はその特異な形態のため2Dエコーでは
      右室容量・駆出率の正確な測定は困難。
     ・3Dエコーによる右室駆出率
       →より正確な右室容量・駆出率の測定が可能。
     ・ASEガイドラインでは3D-RVEF >=44%が正常
       ・正常値:57%(44-69)
     ・三尖弁輪収縮期運動速度:TVS'
       ・組織ドプラによる三尖弁輪収縮期運動速度
       ・TVS>= 10が正常
 ・右室拡張能
   ・右室拡張機能障害 
     →右心房圧上昇 
     →右心不全(頸静脈怒張・うっ血肝)
   ・早期の機能障害及び予後悪化の指標となり得る。
   ・主な指標は、E/A, E/E’, DT
      ・正常値
        ・E/A : 1.4 (0.8-2.1)
        ・E/E' : 4 (2-6)
   ・右房径
     ・右房長軸・短軸・収縮終期面積
     ・TEEで計測可?
 ・局所心機能
   ・スペックルトラッキング
   ・ストレイン
   ・ストレインレート
 ・総合的心機能
   ・Myocardial performance index: MPI
     →右室Tei-index
     →肺高血圧・急性肺血栓塞栓の症例で、
      肺動脈圧とともに増加し感度よく
      右心機能障害を診断するのに有用
     →心拍数により変動すること、右房圧が高値の場合に
      IVRTが短縮するため低値になることに注意