麻酔科勉強会 担当:S先生
「痛み」
・IASPによる定義(1979)
→実際に何らかの組織損傷が起こったとき、
または組織損傷を起こす可能性があるとき、
あるいはそのような損傷の際に表現される、
不快な感覚や不快な情動体験」
→痛みは心と体の両面的現象
・痛みの分類
・急性痛
・病因を同定しやすい
・数日から数週間の経過が多い
・多くは侵害受容性
・慢性痛
・治療を要すると期待される時間の枠組みを越えて持続する痛み,
あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み
・病因が多因子
・期間不定(早期から生じていることも)
・侵害受容性 and/or 神経障害性
・神経障害性痛
→体性感覚伝導路の損傷や病変によって直接に引き起こされる痛み
・古典的特徴
・持続的および発作性の自発痛
・アロディニア
・痛覚過敏
・しびれ
・神経障害性痛疾患
・脳卒中後痛(視床痛)
・脊髄損傷後痛
・多発性硬化症
・幻肢痛
・腕神経叢引き抜き損傷後痛
・帯状疱疹後神経痛
・三叉神経痛・舌下神経痛
・術後瘢痕性痛
・CRPSタイプⅡ(カウザルキー)
・腰下肢痛に伴う神経障害性痛
・糖尿病性ニューロパチー
・抗癌薬性ニューロパチー
・HIV性ニューロパチー
・神経障害性痛薬物療法アルゴリズムについて
・帯状疱疹後神経痛
・水痘・帯状疱疹ウイルス感染
・水痘・帯状疱疹ウィルスに対する免疫
→正常人でも加齢とともに低下する。
・帯状疱疹の90%は明らかな基礎疾患がない人に起こる。
・80歳以上まで生きると50%の人が帯状疱疹にかかる。
・帯状疱疹痛の時間的変化
・帯状疱疹
・神経に沿って炎症を生じ、神経障害
・水疱を伴う皮疹と強い痛み
・帯状疱疹後神経痛
・炎症により神経が回復不能な損傷をうけた状態
・50代以降に発症すると神経痛に移行しやすい
・帯状疱疹後神経痛に移行する危険因子
・皮疹の重症度
・加齢
→60歳以上では抗ウィルス薬を用いても、
帯状疱疹発症6か月後に痛みが10~25%の症例で残存。
・合併疾患
→免疫力が低下する疾患が合併する場合。
・臨床像
・90%以上の症例で感覚低下
・約50%の症例でアロディニア
・早い時期から神経ブロックを行った場合
→神経痛への移行が少ない傾向がある。
・治療
・薬物療法
・急性期のワクチン投与も有効
・神経ブロック
・体性神経ブロックは有効
・交感神経ブロックは無効
・ステロイド併用神経根ブロックは有効
・CRPS(複合性局所疼痛症候群)
・銃創による神経損傷後に遷延する痛みをカウザルキーと呼んだ
・外傷後遷延性疼痛患者で交感神経機能亢進を示すもの
→反射性交感神経性ジストロフィー
・1994年に両者を内包する概念としてCRPSと呼ぶことになった
・神経損傷がない場合がタイプⅠ
・ある場合がタイプⅡ
・症状
・原因から予想される程度を超える激しい痛み
・着衣や微風などの触感が痛みとして認識(アロディニア)
・皮膚の変化(色の変化、光沢、乾燥など)
・浮腫
・手や足の機能低下
・判定基準
→判定基準を見ればわかる通り検査は不要だが・・・
・両側の同時撮影写真
・サーモグラフィー
・両側同時撮影のX線写真
・骨密度計測値
・筋電図、神経伝導速度検査
→労災保険に必要
・病態
・神経損傷→証明できないことも
・不動化による障害(ギプス)
・Neglect-like現象
→触覚の高次機能↓や思うように動かない
・自律神経症状
・社会的因子(自損では↓)
・心理的因子(うつなどでは↑)
・治療
・神経ブロック
・交感神経節ブロック(SGB、胸部・腰部)(推奨度C)
・持続硬膜外ブロック
・末梢神経ブロック
→経過が長い場合は不可(推奨度C)
・社会的因子のある患者は要注意
・浮腫側に局所静脈内ステロイド(GradeⅠ)
・薬剤
・カルシトニンやビスフォスフォネート(推奨度A)
・ステロイド(経口・局所静脈内)(推奨度B)
・そのほかは神経障害性痛に対する薬剤(エビデンスなし)
・NSAIDsは無効なはずだが出していることが多い
・その他
・理学療法
→治療の要
・温熱交代浴、光線療法、リハビリ
・手術(神経そのもの、偽関節など)
・認知行動療法(脳の関与??)
・脊髄内刺激電極
・エピドラスコピー(腰下肢痛に対して)
・人工神経再生
2014年4月16日水曜日
麻酔と睡眠時無呼吸
麻酔科EBM勉強会 担当:M先生
「麻酔と睡眠時無呼吸」
・睡眠時無呼吸
→慢性的に、睡眠中の部分的もしくは完全な
上気道閉塞を繰り返す病態
・有病率
・中年男性で9%、中年女性で5%
・最大90%のOSAS患者が正式な診断をされていない。
・閉塞起点は?
・口蓋垂89%
・舌根部22%
・下咽頭33%
・喉頭33%
・OSASの症状
・眠っているとき
・大きないびきをかく
・呼吸の停止
・頻回の中途覚醒
・日中、起きているとき
・耐え難い眠気
・集中力の低下
・起床時の頭痛
・性欲減退
・OSAS患者は交通事故や労働災害といった事故に遭いやすい
・OSASに併存しや
・高血圧
・肺高血圧(右心不全)
・冠動脈疾患
・うっ血性心不全
・不整脈
・耐糖能障害
・メカニズム
・睡眠時無呼吸→反復する低酸素&高二酸化炭素血症
・酸化ストレス
・全身炎症(α、β受容体upregulation)
・血管内皮障害
・免疫反応
→心血管疾患、耐糖能障害
・OSASの検査と診断
・Polysomnography
・AHI(apnea hypopnea index)
→1時間当たりのApnea、Hypopneaの回数
→重症度分類
・OSASの合併症
・挿管困難
・術後低酸素血症、SpO2の低下
・血圧変動
・術後心筋虚血
・術後不整脈
・術後せん妄
・気道閉塞後肺水腫
・呼吸停止
・合併症増加の原因
・周術期の薬剤
→周術期の薬剤の投与(鎮静薬、筋弛緩薬など)
→上気道の緊張の低下、気道反射の抑制、中枢性換気応答の減弱
→上気道閉塞を増悪させる
・上気道狭窄
・元々狭小化している上気道
→麻酔や手術に伴いさらに狭小化
→上気道の閉塞を引き起こす
・挿管後の声帯浮腫、鼻腔パッキング、NGチューブ、
血腫などが原因となる
・仰臥位はOSASを増悪させる
・サーカディアンリズムの乱れ
・CPAPの中断
・スクリーニング
・ASA(American Society of Anesthesiologists)
・BMI35kg/㎡以上
・頚部の周囲径男性:17インチ、女性:16インチ以上
・気道に影響を与える頭頚部奇形の存在
・鼻腔の解剖学的な閉塞
・両側扁桃が接触しているまたは接触しそう
→2つ以上該当で陽性
・APSS(Associated Professional Sleep Society)
・STOP screening tool
・STOP-Bang screening tool
・Epworthの眠気テスト(日本呼吸器学会)
・Mallanpati分類からOSASのリスクを予想しよう!
→Mallanpati分類が1つ上がるごとにOSASのリスクも上昇する
・Recommendation
・日中の早い時間帯に手術の予定を入れましょう
・CPAPを持参するよう指示しましょう
・Difficult Airwayに備えましょう
・必要に応じモニタリングできる環境を整えましょう
・局所麻酔や神経ブロックを考慮しましょう
・導入・抜管時ヘッドアップしましょう
・誤嚥の予防をしましょう
・術後は上気道閉塞がないか継続した観察を行いましょう
・高CO2血症が疑われた場合血ガスを考慮しましょう
・麻薬の初回投与は回復室で行いましょう
・麻薬の眠剤やアルコールとの併用しないよう指導しましょう
TAVIセッティング
「麻酔と睡眠時無呼吸」
・睡眠時無呼吸
→慢性的に、睡眠中の部分的もしくは完全な
上気道閉塞を繰り返す病態
・有病率
・中年男性で9%、中年女性で5%
・最大90%のOSAS患者が正式な診断をされていない。
・閉塞起点は?
・口蓋垂89%
・舌根部22%
・下咽頭33%
・喉頭33%
・OSASの症状
・眠っているとき
・大きないびきをかく
・呼吸の停止
・頻回の中途覚醒
・日中、起きているとき
・耐え難い眠気
・集中力の低下
・起床時の頭痛
・性欲減退
・OSAS患者は交通事故や労働災害といった事故に遭いやすい
・OSASに併存しや
・高血圧
・肺高血圧(右心不全)
・冠動脈疾患
・うっ血性心不全
・不整脈
・耐糖能障害
・メカニズム
・睡眠時無呼吸→反復する低酸素&高二酸化炭素血症
・酸化ストレス
・全身炎症(α、β受容体upregulation)
・血管内皮障害
・免疫反応
→心血管疾患、耐糖能障害
・OSASの検査と診断
・Polysomnography
・AHI(apnea hypopnea index)
→1時間当たりのApnea、Hypopneaの回数
→重症度分類
・OSASの合併症
・挿管困難
・術後低酸素血症、SpO2の低下
・血圧変動
・術後心筋虚血
・術後不整脈
・術後せん妄
・気道閉塞後肺水腫
・呼吸停止
・合併症増加の原因
・周術期の薬剤
→周術期の薬剤の投与(鎮静薬、筋弛緩薬など)
→上気道の緊張の低下、気道反射の抑制、中枢性換気応答の減弱
→上気道閉塞を増悪させる
・上気道狭窄
・元々狭小化している上気道
→麻酔や手術に伴いさらに狭小化
→上気道の閉塞を引き起こす
・挿管後の声帯浮腫、鼻腔パッキング、NGチューブ、
血腫などが原因となる
・仰臥位はOSASを増悪させる
・サーカディアンリズムの乱れ
・CPAPの中断
・スクリーニング
・ASA(American Society of Anesthesiologists)
・BMI35kg/㎡以上
・頚部の周囲径男性:17インチ、女性:16インチ以上
・気道に影響を与える頭頚部奇形の存在
・鼻腔の解剖学的な閉塞
・両側扁桃が接触しているまたは接触しそう
→2つ以上該当で陽性
・APSS(Associated Professional Sleep Society)
・STOP screening tool
・STOP-Bang screening tool
・Epworthの眠気テスト(日本呼吸器学会)
・Mallanpati分類からOSASのリスクを予想しよう!
→Mallanpati分類が1つ上がるごとにOSASのリスクも上昇する
・Recommendation
・日中の早い時間帯に手術の予定を入れましょう
・CPAPを持参するよう指示しましょう
・Difficult Airwayに備えましょう
・必要に応じモニタリングできる環境を整えましょう
・局所麻酔や神経ブロックを考慮しましょう
・導入・抜管時ヘッドアップしましょう
・誤嚥の予防をしましょう
・術後は上気道閉塞がないか継続した観察を行いましょう
・高CO2血症が疑われた場合血ガスを考慮しましょう
・麻薬の初回投与は回復室で行いましょう
・麻薬の眠剤やアルコールとの併用しないよう指導しましょう
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