「GICUで使うお薬あれこれ」
・GICUでよく使うお薬を改めてまとめてみました。
・アセトアミノフェン
・50%鎮痛力価:NNT 3.5(NSAIDsは2-3程度)
・1回1,000mgまで、4-6時間おきに投与、最大4g/日まで投与可能
(アルコール依存症、低栄養患者には投与量1日2g以下にする)
・天井効果があり1回量1,000mg以上を投与しても効果は増大しない
→天井効果がないのは強オピオイドのみである。
・POAF予防薬
・POAFについて
・開心術後の20-50%に発症(CABG:約30%,弁置換術:約40%)
・胸部外科手術でも0.6-3.6%程度は生じる
・術後死亡率の増加につながる
・周術期脳血管障害、急性腎障害、心不全のリスク
・POAFリスク
・高齢者
・COPD
・弁膜症手術
・緊急手術
・低心機能(EF<30%)
・IABP挿入
・腎機能障害(eGFR<15ml/min/1.73m2)
・使われるお薬として・・・
・βブロッカー
→ACCP 2005, CCS2010, ACCF/AHA/HRS2011の
いずれのガイドラインでも第1選択となっている。
→術前に投与されている場合は術後も継続する。
・アミオダロン
→HR<60, sBP<100, 徐脈性不整脈など
βブロッカーが使いにくい場合に考慮される。
・術後抗血小板薬
・アスピリン
・CABGにおいて・・・
・SVGグラフトの開存率を有意に改善する。
・内胸動脈グラフトの開存率の改善は示されていない。
→もともと10年開存率≧90%と高いため
・術後イベント(心筋梗塞・脳梗塞・腎不全)の抑制が示されている。
・術後24時間以内には再開すべき。
・TAVI後はDAPTを導入する。
・スタチン
・適応は?
・ASCVD(atherosclerotic cardiovascular disease)既往
・LDL-C≧190mg/dL
・40-75歳のDM患者
・10年-ASCVDリスク≧7.5%以上
・鼻腔MRSA治療薬
・術前鼻腔MRSA検査の適応
→ルーチンでの検査は推奨されない
・MRSAハイリスク患者
→MRSA感染既往、最近の医療・福祉施設の入院・入所歴、
血液透析など
・重篤・難治性感染のハイリスク手術
(心臓手術・人工関節置換術)を施行する患者
・バンコマイシン(VCM)のSSI予防効果
(vs. βラクタム抗菌薬)
・MRSA→0.44(p=0.05)
・MSSA→2.79(p<0 .001="" p=""> ・緑膿菌→0.96(P=0.95
→MRSA陰性ならCEZのみ(VCMは不要)
→MRSA陽性ならVCMは有効だが抗MSSAにCEZも必要
・ストレス潰瘍の予防
・潰瘍を予防する目的
→ICU患者の75%-100%は入室後24時間以内に粘膜病変をきたし、
自然経過ではその5-25%が出血に発展する。
→重症患者において消化管出血が起きた場合、
致死率は20-30%に達すると言われる。
→しかし胃酸を抑制することにより感染症を発症しやすくなる
・潰瘍予防を推奨
・凝固異常(PLT<50,000/mm3, PT-INR>1.5)
・48時間以上の人工呼吸器管理
・1年以内に消化管潰瘍・出血をきたしている
・GCS≦10
・熱傷面積>35%
・肝部分切除
・多発外傷(injury severity score≧16)、
・肝不全
・脊髄外傷
・肝・腎移植、
・敗血症
・1週間以上のICU入室
・6日以上の潜血
・ヒドロコルチゾン250mg/day以上のステロイド投与
・H2RA vs PPI
・PPIの方が臨床的に重要な消化管出血を減少させるという研究が多い。
・医療関連肺炎の発生率はPPIの方が多いとされる研究が多い。
臨床工学技士さん主催、人工心肺ハンズオン
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