初期研修医勉強会 担当:S先生
「術前検査とASA-PS」
・麻酔科ローテーション中の疑問
→術前検査はどのくらい役に立っているのか。
・術前検査
→病歴、身体所見、周術期のリスク、
その他臨床的判断に基いて行う。
・白内障手術を行う健康な患者に術前検査は不要
・各種検査
・心電図
→心血管系合併症や症状のある患者に。
・胸部X線
→新たな/不安定な心肺病変の症状・所見がある場合に。
・CBC
→出血イベントが予測される場合に。
・腎機能と電解質
→腎不全患者とリスクのある症例に。
・血糖やHbA1c値
→血糖値の異常がマネジメントを変えうる場合に。
・凝固検査
→出血の病歴、抗凝固薬の服用、肝疾患等
凝固異常のリスクがある患者に
重要なもの3つ・・・心電図、胸部Xp、CBC
・術前心電図
・異常が見つかったのは4.6〜31.7%
・マネジメントが変わったのは0〜2.2%
・当院の麻酔科管理症例数は6000件/年
→12例はマネジメントが変わることになる。
・周術期心血管イベントリスク
・低リスク(<1 div="">
→外来手術、乳癌、内視鏡、
皮膚科、白内障
・中リスク(1-5%)
→胸部、腹部、内頚動脈内膜剥離術、
頭頸部、整形外科、前立腺
・高リスク(>5%)
→大動脈/大血管、末梢血管
・RCRI(Revised Cardiac Risk Index)を計算する。
・胸部Xp
・ルーチンで異常が見つかるのは10%
・マネジメントが変わるのは1.3%
・肺合併症のリスク因子
・COPD
・60歳以上
・ASA-PS 2以上
・低アルブミン⾎症
・緊急手術患者
・うっ血性心不全既往
・長時間手術
・頭頸部・上腹部手術
・CBC
・術前CBCで周術期に影響があった頻度:0.2%
・65歳以上で貧血や多血は術後30日以内の死亡率や
心血管イベントと相関
・ASA-PS
→患者の術前全身状態の分類
・ASA-PSの高さと死亡率に相関関係あり。
・ただしASA-PSから死亡率が予測されるわけではない。
・ASA-PSの問題点
・Inter-rater reliabilityの低さ
・年齢が考慮されていない
・ASA-PSだけでなく手術侵襲によるリスクの評価も必要
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