神戸市立医療センター中央市民病院・麻酔科では、新・麻酔科専門医研修プログラムに対応した平成27年度採用の専攻医(後期研修医)を募集しています。
研修プログラムにおいて責任基幹施設である神戸市立医療センター中央市民病院は神戸市の基幹病院であると同時に、救急救命センターを併設する救急病院であり、小児心臓外科を除く全科の麻酔管理に対応しています。麻酔科専攻医は現在14名であり、当院の手術室、集中治療室の実働部隊としての中央診療部門の核心を担っています。時にはハードな日々もあるとは思いますが、経験可能症例数、指導体制の充実度は国内有数の研修施設であり、麻酔科医としての臨床能力をつけるには最適の病院であると自負しています。なお、神戸市立医療センター中央市民病院・麻酔科専門医研修プログラムにおける病院群は以下の通りです。
責任基幹施設
・神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)
基幹研修施設
・神戸市立医療センター西市民病院(神戸市長田区)
・西神戸医療センター(神戸市西区)
・岐阜県総合医療センター
関連研修施設
・兵庫県立こども病院(2016年、当院の300m東側に移転予定)
・神戸大学医学部附属病院(神戸市中央区)
・京都大学医学部附属病院
希望があれば研修の全てを神戸市内で完結することが可能であるのが当院プログラムの特徴です。4年間の研修期間を神戸市在住のまま、引っ越しや長距離通勤なしで過ごすことができるのは大きなメリットと思います。
また当院麻酔科の特徴として、手術部門に隣接して麻酔科管理型ICU(G-ICU)を有しており、心臓大血管手術をはじめとする大手術の術後管理、内科的重症患者、院内急変患者の治療を麻酔科主体で行なっている点があります。専攻医は1年次、および3年次に集中治療部に専従し、集中治療を学び、経験することとなります。当院麻酔科における集中治療研修で、集中治療専門医の習得に必要な集中治療勤務歴を満たすことが可能です。
朝の麻酔科ミーティングも当院麻酔科の特徴です。毎朝、日々の業務が始まる前に全員集合での勉強会が開催され、麻酔、集中治療、TEE、神経ブロック、症例フィードバックなど、麻酔科ローテーション中の研修医の先生も加えて発表&質疑応答が行われ、全員で知識を深め、共有しています。
充実したスタッフ構成のため、オンオフがはっきりしていることも当科の特徴です。夜間は麻酔科当直(麻酔部門2人、集中治療部門1人)が緊急手術、集中治療に対応するため、非当直日は仕事が終われば完全duty freeです。夜間呼び出されることはありません。また当直明けも可能な限り早く帰れるよう努力しています(だいたい午前中には解放です)。
忙しい病院ですが、麻酔科スタッフ28名、協力して、お互いから刺激を受けながら日々の業務に勤しんでいます。神戸市の高度医療、救急医療の第一線を担う当院麻酔科で研鑽を担いたいという志の高い先生方の応募を期待しています。是非一度見学にお越しください。
研修医の先生の見学は随時受け付けています。麻酔部門中心、集中治療部門中心、どちらも、など希望があればお伝え下さい。もちろん医学生、後期研修医の先生、その他ベテランの先生方の見学も歓迎しています。お待ちしております。
■見学申し込みなど、お問い合せはこちらへ。
副院長兼麻酔科部長 山崎 和夫
313kyama■kcho.jp (■を@に変換してご送信ください。)
なお、インターネット出願の期限は8月24日(月)17:00までとなっています。
研修希望の方はお早めにお申込み下さい。
2015年7月12日日曜日
集中治療医学会近畿地方会
2015年7月5日、大阪国際交流センターにて
第60回日本集中治療医学会近畿地方会が開催されました。
当院からの演題発表は7題(麻酔科6題、救急部1題)と、
参加施設の中では最多でした。
発表された先生方、お疲れ様でした。
今後も「集中治療ができる麻酔科」として、
集中治療領域での学術活動も活発にしていこうと思います。
第60回日本集中治療医学会近畿地方会が開催されました。
当院からの演題発表は7題(麻酔科6題、救急部1題)と、
参加施設の中では最多でした。
発表された先生方、お疲れ様でした。
今後も「集中治療ができる麻酔科」として、
集中治療領域での学術活動も活発にしていこうと思います。
2015年6月9日火曜日
こどもの麻酔導入
麻酔科勉強会 担当:Y先生
「こどもの麻酔導入」
・小児の気道解剖
・頭部、特に後頭部が大きく仰臥位で気道が屈曲しやすい。
・アデノイドや口蓋扁桃が比較的大きい。
・口の中で舌が占める割合が大きい。
・喉頭が成人と比較してより頭側かつ全面に位置している。
・喉頭蓋が長くU字型をしている。
・気管長が短い。
・気管最狭部は声門直下の輪状軟骨部である。
→成人挿管に慣れている施行者にとって難しい原因。
・マスク換気
・頭部が全身の中で比較的に大きく、特に後頭部が大きい。
→仰臥位で気道屈曲、閉塞傾向になるリスク。
→2歳以下では肩枕が必要。
→3歳以上ではsniffing positionが有効。
・EC法が基本
・基本はマスクフィットのみで換気可能。
・マスクは軽く密着させる。
・頸部の軟部組織を押さえつけない。
・頸部を少し右に傾けると換気しやすい。
・自発呼吸に合わせて換気する。
→決して胃に空気を入れてはいけない!
・腹部膨隆に合わせてバッグを押す。
→腹部が凹んだらバッグを離す。
・マスク換気は可能な限り低圧で。
・バッグが完全に膨らみきらない程度に維持。
・乳児なら新鮮ガス総流量も少なめ(3L以下)に。
・1回換気量は少なめ、その代わり回数で稼ぐ。
・マスク換気困難の可能性は?
・先天異常による頭蓋形成異常
・顔面熱傷
・外傷後の下部顔面の異常
・病的肥満(乳児ではまれ)
・頸部可動域制限(乳児ではまれ)
・重症喘息発作・・・
・挿管困難で有名な様々な疾患もマスク換気困難であることは
非常に少ない。
・小児ではOPAを使用すれば、上気道の問題で
マスク換気困難となることは極めて少ない。
・OPA(経口エアウェイ)
・意識消失、咽頭反射消失後に使用。
・舌根沈下による気道閉塞を防ぐ。SAS系には極めて有効。
・ただし・・・
・誤嚥誘発のリスクあり。
・喉頭痙攣誘発のリスクも。
・短すぎると気道閉塞。
・長すぎても気道閉塞。
・喉頭展開
・小児は食道入口と声門を誤認しやすい。
・小児は成人と比較してFRCに対する酸素消費量が大きい。
・さらに小児は術前酸素吸入に非協力的である。
・肺高血流性疾患ではそもそも酸素投与が禁忌である。
→無呼吸によるdesaturationが早い!
→無呼吸時間を伴う挿管操作を極めて短縮する必要がある。
・デバイスは何を使う?
・マッキントッシュ喉頭鏡、ミラー喉頭鏡、AWSなど。
・近年はAWSが注目されている。
→マネキンを使用したstudy
→Millar喉頭鏡群と比較してAWS群で挿管成功率が上がる。
・1歳以下はAWSが有効。
・正中挿入法が推奨される。
・挿入時は十分な頚部後屈を。
・乳児用イントロックは目標より右側にチューブが進む。
→声帯に当たれば無理せずチューブを回転。
・決して無理して押し込まない。
・気管内挿管
・小児の気管は声門下、輪状軟骨レベルが最狭。
→チューブが声門を通過してもその先に進まない可能性。
・無理して浮腫を作ると気道抵抗が急上昇する。
・Poisuilleの法則。
・声門下でチューブが進まない!
→無理せずワンサイズ細いチューブに変更する。
・頑張り過ぎると気道浮腫により換気すら困難となる。
・細い!と判断した気道には無理に触らない!
・カフ付きか、カフなしかについては症例を吟味。
・挿管前にどうしても抹消静脈ラインが取れない時
・吸入麻酔のみで挿管可能。
・充分に麻酔が深くなったところで上手な施行者が1度で挿管する。
・ただし高濃度Sevoの吸入は痙攣を誘発する。
・痙攣により換気困難になることは少ない。
・神経学的ダメージの有無はわからない。
・導入方法
・小児は導入前酸素吸入に非協力的である。
・小児は成人と比較して酸素消費量が大きい。
・低酸素から徐脈に至るまでが早く、結果も重篤である。
・(慣れてない施行者が)短時間で挿管できるとは限らない。
→迅速導入(RSI)はリスクが高い。
・full stomachでも愛護的に換気しながら急速導入
・胃管挿入、吸引後に急速導入
・modified RSI(輪状軟骨を圧迫しながら換気)
・ベイン回路について。
「こどもの麻酔導入」
・小児の気道解剖
・頭部、特に後頭部が大きく仰臥位で気道が屈曲しやすい。
・アデノイドや口蓋扁桃が比較的大きい。
・口の中で舌が占める割合が大きい。
・喉頭が成人と比較してより頭側かつ全面に位置している。
・喉頭蓋が長くU字型をしている。
・気管長が短い。
・気管最狭部は声門直下の輪状軟骨部である。
→成人挿管に慣れている施行者にとって難しい原因。
・マスク換気
・頭部が全身の中で比較的に大きく、特に後頭部が大きい。
→仰臥位で気道屈曲、閉塞傾向になるリスク。
→2歳以下では肩枕が必要。
→3歳以上ではsniffing positionが有効。
・EC法が基本
・基本はマスクフィットのみで換気可能。
・マスクは軽く密着させる。
・頸部の軟部組織を押さえつけない。
・頸部を少し右に傾けると換気しやすい。
・自発呼吸に合わせて換気する。
→決して胃に空気を入れてはいけない!
・腹部膨隆に合わせてバッグを押す。
→腹部が凹んだらバッグを離す。
・マスク換気は可能な限り低圧で。
・バッグが完全に膨らみきらない程度に維持。
・乳児なら新鮮ガス総流量も少なめ(3L以下)に。
・1回換気量は少なめ、その代わり回数で稼ぐ。
・マスク換気困難の可能性は?
・先天異常による頭蓋形成異常
・顔面熱傷
・外傷後の下部顔面の異常
・病的肥満(乳児ではまれ)
・頸部可動域制限(乳児ではまれ)
・重症喘息発作・・・
・挿管困難で有名な様々な疾患もマスク換気困難であることは
非常に少ない。
・小児ではOPAを使用すれば、上気道の問題で
マスク換気困難となることは極めて少ない。
・OPA(経口エアウェイ)
・意識消失、咽頭反射消失後に使用。
・舌根沈下による気道閉塞を防ぐ。SAS系には極めて有効。
・ただし・・・
・誤嚥誘発のリスクあり。
・喉頭痙攣誘発のリスクも。
・短すぎると気道閉塞。
・長すぎても気道閉塞。
・喉頭展開
・小児は食道入口と声門を誤認しやすい。
・小児は成人と比較してFRCに対する酸素消費量が大きい。
・さらに小児は術前酸素吸入に非協力的である。
・肺高血流性疾患ではそもそも酸素投与が禁忌である。
→無呼吸によるdesaturationが早い!
→無呼吸時間を伴う挿管操作を極めて短縮する必要がある。
・デバイスは何を使う?
・マッキントッシュ喉頭鏡、ミラー喉頭鏡、AWSなど。
・近年はAWSが注目されている。
→マネキンを使用したstudy
→Millar喉頭鏡群と比較してAWS群で挿管成功率が上がる。
・1歳以下はAWSが有効。
・正中挿入法が推奨される。
・挿入時は十分な頚部後屈を。
・乳児用イントロックは目標より右側にチューブが進む。
→声帯に当たれば無理せずチューブを回転。
・決して無理して押し込まない。
・気管内挿管
・小児の気管は声門下、輪状軟骨レベルが最狭。
→チューブが声門を通過してもその先に進まない可能性。
・無理して浮腫を作ると気道抵抗が急上昇する。
・Poisuilleの法則。
・声門下でチューブが進まない!
→無理せずワンサイズ細いチューブに変更する。
・頑張り過ぎると気道浮腫により換気すら困難となる。
・細い!と判断した気道には無理に触らない!
・カフ付きか、カフなしかについては症例を吟味。
・挿管前にどうしても抹消静脈ラインが取れない時
・吸入麻酔のみで挿管可能。
・充分に麻酔が深くなったところで上手な施行者が1度で挿管する。
・ただし高濃度Sevoの吸入は痙攣を誘発する。
・痙攣により換気困難になることは少ない。
・神経学的ダメージの有無はわからない。
・導入方法
・小児は導入前酸素吸入に非協力的である。
・小児は成人と比較して酸素消費量が大きい。
・低酸素から徐脈に至るまでが早く、結果も重篤である。
・(慣れてない施行者が)短時間で挿管できるとは限らない。
→迅速導入(RSI)はリスクが高い。
・full stomachでも愛護的に換気しながら急速導入
・胃管挿入、吸引後に急速導入
・modified RSI(輪状軟骨を圧迫しながら換気)
・ベイン回路について。
ロボット支援下腎部分切除術
2015年6月8日月曜日
周術期疼痛管理について
初期研修医勉強会 担当:S先生
「周術期疼痛管理について」
・術後疼痛とは?
→手術侵襲による組織障害とそれに伴う炎症反応のために
術直後より数日間続く強い痛み
・体性痛
・浅い痛み
→切開創の痛み
・安静時の鈍い痛み:C線維によって伝わる
・緊張時の鋭い痛み:Aδ線維によって伝わる
・深い痛み
→筋肉痛など
・内臓痛
・術中に内臓器官が引っ張られたり、
引き裂かれたりしたことに対する
生体反応によって起こる痛み
・胃や腸の運動が反射性に抑制されたことにより生じる痛み
・Aδ、C線維を通る
・疼痛の修飾因子
・患者因子
→性別(女性)、性格、痛みの経験の有無、不安・恐怖など
・麻酔管理
→全身麻酔?伝達麻酔併用?先行鎮痛あり?
・手術部位、手術時間、侵襲の程度
・上腹部>下腹部
・深部臓器の手術>体表の手術
・長時間の手術>短時間の手術
・術前に存在する慢性痛
・分子レベルでの患者因子
・ブラジキニン受容体、プロスタノイド受容体、
グルタミン酸受容体など。
・術後疼痛の影響(急性期)
・疼痛による交感神経緊張
・カテコラミン等の遊離促進→代謝亢進、酸素消費量↑
・心筋の酸素消費量↑→心筋虚血・梗塞の完成
・消化管運動の抑制→術後イレウス
・呼吸機能低下
・横隔膜機能低下→呼吸機能低下
・深呼吸や咳嗽の抑制→分泌物貯留、無気肺
・精神面
・恐怖、不信感など
・術後疼痛の影響(慢性期)
・長期に渡る慢性痛
・離床の遅れ、心身機能の低下、QOL低下
・中枢性感作
・創部からの持続的な末梢障害性入力
→疼痛感度の異常な増大
・遷延性術後疼痛ハイリスク患者には・・・
・急性期疼痛管理の徹底
・ガバペンチン・プレガバリンなどの
Caチャネルα2δリガンドの術前投与
・痛みの自己管理に関する教育
・リハビリテーションによる早期介入など
・痛みの評価
→VAS、NRS、Face scale、Word scaleなど。
・PHPS(Prince Henry Pain scale)
→術後安静時痛と体動時痛の総合評価
・Behavioral pain scale(BPS)
→会話や意思疎通が不可能な患者に対して使用
・先制鎮痛
・侵害刺激の前に鎮痛を行う。
・中枢性感作を防ぐpreventive analgesiaという概念
・今後臨床応用が期待される薬物など
・TRPV1
・C線維に特異的に発現しているイオンチャネル
・唐辛子の主成分のカプサイシンや熱、
水素イオンなどで活性化
・直接阻害するTRPV1抗体と、
カプサイシンのように刺激して脱感作することで
作用を阻害するTRPV1作動薬
・TNFα
・IL-1、IL-6とともに炎症細胞より分泌される
炎症性サイトカイン
・エタネルセプト(TNFRとIgGの融合蛋白)、
アダリムマブ・ゴリムマブ(抗TNF-α抗体)
・鼠径ヘルニア手術の術前にエタネルセプトを注射し
術後痛を評価した臨床研究で鎮痛効果が認められたとの報告
・カンナビノイド
「周術期疼痛管理について」
・術後疼痛とは?
→手術侵襲による組織障害とそれに伴う炎症反応のために
術直後より数日間続く強い痛み
・体性痛
・浅い痛み
→切開創の痛み
・安静時の鈍い痛み:C線維によって伝わる
・緊張時の鋭い痛み:Aδ線維によって伝わる
・深い痛み
→筋肉痛など
・内臓痛
・術中に内臓器官が引っ張られたり、
引き裂かれたりしたことに対する
生体反応によって起こる痛み
・胃や腸の運動が反射性に抑制されたことにより生じる痛み
・Aδ、C線維を通る
・疼痛の修飾因子
・患者因子
→性別(女性)、性格、痛みの経験の有無、不安・恐怖など
・麻酔管理
→全身麻酔?伝達麻酔併用?先行鎮痛あり?
・手術部位、手術時間、侵襲の程度
・上腹部>下腹部
・深部臓器の手術>体表の手術
・長時間の手術>短時間の手術
・術前に存在する慢性痛
・分子レベルでの患者因子
・ブラジキニン受容体、プロスタノイド受容体、
グルタミン酸受容体など。
・術後疼痛の影響(急性期)
・疼痛による交感神経緊張
・カテコラミン等の遊離促進→代謝亢進、酸素消費量↑
・心筋の酸素消費量↑→心筋虚血・梗塞の完成
・消化管運動の抑制→術後イレウス
・呼吸機能低下
・横隔膜機能低下→呼吸機能低下
・深呼吸や咳嗽の抑制→分泌物貯留、無気肺
・精神面
・恐怖、不信感など
・術後疼痛の影響(慢性期)
・長期に渡る慢性痛
・離床の遅れ、心身機能の低下、QOL低下
・中枢性感作
・創部からの持続的な末梢障害性入力
→疼痛感度の異常な増大
・遷延性術後疼痛ハイリスク患者には・・・
・急性期疼痛管理の徹底
・ガバペンチン・プレガバリンなどの
Caチャネルα2δリガンドの術前投与
・痛みの自己管理に関する教育
・リハビリテーションによる早期介入など
・痛みの評価
→VAS、NRS、Face scale、Word scaleなど。
・PHPS(Prince Henry Pain scale)
→術後安静時痛と体動時痛の総合評価
・Behavioral pain scale(BPS)
→会話や意思疎通が不可能な患者に対して使用
・先制鎮痛
・侵害刺激の前に鎮痛を行う。
・中枢性感作を防ぐpreventive analgesiaという概念
・今後臨床応用が期待される薬物など
・TRPV1
・C線維に特異的に発現しているイオンチャネル
・唐辛子の主成分のカプサイシンや熱、
水素イオンなどで活性化
・直接阻害するTRPV1抗体と、
カプサイシンのように刺激して脱感作することで
作用を阻害するTRPV1作動薬
・TNFα
・IL-1、IL-6とともに炎症細胞より分泌される
炎症性サイトカイン
・エタネルセプト(TNFRとIgGの融合蛋白)、
アダリムマブ・ゴリムマブ(抗TNF-α抗体)
・鼠径ヘルニア手術の術前にエタネルセプトを注射し
術後痛を評価した臨床研究で鎮痛効果が認められたとの報告
・カンナビノイド
2015年6月5日金曜日
バソプレシン
「麻酔科勉強会」 担当:S先生
「バソプレシン」
・1954年 du Vigneaudによって発見
・1955年 ノーベル化学賞受賞
→Vaso(血管)+pres(圧迫)
→血管収縮により血圧上昇
・視床下部の神経分泌細胞で産生
→軸索輸送で下垂体後葉
→下垂体後葉より分泌
・分泌条件
・血漿浸透圧の上昇
→肝臓・視床下部の浸透圧受容器で検出
→バソプレシン増加
→水排出低下
→浸透圧低下へ。
・血圧低下
→心臓、肺の圧受容器が検出
→バソプレシン増加
→尿中の水排出低下
→血漿量増加
・心容積の減少
・半減期
・Vasopressinの血漿半減期は4-20分
・Vasopressinの誘導体Terlipressinの半減期は6時間
・循環作動薬としてのバソプレシン
・通常の状態ではバソプレシンの血行動態に及ぼす影響は少ない。
・しかしアシドーシス下では
・カテコラミン・・・効力が低下
・バソプレシン・・・影響を受けない
→アシドーシスもしくはカテコラミン反応性が悪い時は
バソプレシンの効力が期待できる
・ショックの遷延や心停止では・・・
→細胞内に乳酸が蓄積
→ATP 依存性のK チャネルが開口。
→カテコラミンの刺激があってもCaが流入できなくなる。
→血管拡張,血圧低下
・一方バソプレシンは・・・
→直接的に血管平滑筋のATP 依存性のK チャネルを不活化,
→一酸化窒素や心房性ナトリウム利尿ペプチドにより
誘導されたcGMP の増加抑制、
誘導型一酸化窒素合成酵素の合成抑制など
→昇圧効果を発揮する.
・心停止に対するバソプレシンの適応
・3つのRCTと1つのメタアナリシス試験
→バソプレッシン(40単位 IV)とエピネフリン(1mg )とを
最初の血管収縮薬として心停止に用いた際の、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的結果)に差はない
・2つのRCT
→エピネフリンとバソプレシンを合わせて使った時と
エピネフリンのみを使った時を比べると、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的所見)に差はない
・1つのRCT
→心停止にバソプレッシンを繰り返し使用しても、
エピネフリンを繰り返し使った場合と比べて、
生存率は改善しない
・心停止に対する用法
・2010 AHA Guideline for CPR and ECC
・バソプレシン静注/骨髄内投与:
→初回または 2回目のアドレナリン投与の代わりに
40単位を投与してもよい(ClassⅡb)
・Septic Shockに対する用法
・Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2013
→平均動脈圧の上昇やノルアドレナリンの減量の目的で、
ノルアドレナリンに加えてバソプレシン0.03単位/分を
投与しても良い(UG)。
・敗血症による血圧低下のある患者に最初に選択する昇圧剤として
低用量バソプレシンは推奨されない。
0.03-0.04単位/分以上のバソプレシンは
(他の昇圧剤で平均動脈圧が上昇しないなどの)
サルベージ治療として温存すべきである(UG)
・アナフィラキシーショックに対する用法
・通常はエピネフリン筋注0.3mg
・向精神薬ではボスミンが禁忌(?)、
βブロッカー内服者の場合、
ノルエピネフリン、グルカゴンが推奨
・カテコラミン不応性アナフィラキシーの場合
→バソプレシン10Uを繰り返し静注
→0.04U/minの静脈投与(MGH麻酔の手引より)
・出血性ショックに対する用法
・出血性ショックの場合
→輸液負荷のみと、輸液負荷+血管収縮薬を併用した場合
後者のほうが治療成績がいいという報告がある。
・バソプレシン併用療法が出血性ショックに対して
有効な正確なメカニズムは不明。
→バソプレシンによる血管収縮がwouded siteから
血液分布を移行させる?
→また枯渇した内因性バソプレシンを補充する?
・肝腎症候群に対して
・治療法としては肝移植以外にTerlipressin。
・1mg/4-6hr ivもし治療に反応なければ2mg/4-6hrまで増量可。
通常は5-15日間継続する。
・人間の情動や社会性にもバソプレシンが関連?
「バソプレシン」
・1954年 du Vigneaudによって発見
・1955年 ノーベル化学賞受賞
→Vaso(血管)+pres(圧迫)
→血管収縮により血圧上昇
・視床下部の神経分泌細胞で産生
→軸索輸送で下垂体後葉
→下垂体後葉より分泌
・分泌条件
・血漿浸透圧の上昇
→肝臓・視床下部の浸透圧受容器で検出
→バソプレシン増加
→水排出低下
→浸透圧低下へ。
・血圧低下
→心臓、肺の圧受容器が検出
→バソプレシン増加
→尿中の水排出低下
→血漿量増加
・心容積の減少
・半減期
・Vasopressinの血漿半減期は4-20分
・Vasopressinの誘導体Terlipressinの半減期は6時間
・循環作動薬としてのバソプレシン
・通常の状態ではバソプレシンの血行動態に及ぼす影響は少ない。
・しかしアシドーシス下では
・カテコラミン・・・効力が低下
・バソプレシン・・・影響を受けない
→アシドーシスもしくはカテコラミン反応性が悪い時は
バソプレシンの効力が期待できる
・ショックの遷延や心停止では・・・
→細胞内に乳酸が蓄積
→ATP 依存性のK チャネルが開口。
→カテコラミンの刺激があってもCaが流入できなくなる。
→血管拡張,血圧低下
・一方バソプレシンは・・・
→直接的に血管平滑筋のATP 依存性のK チャネルを不活化,
→一酸化窒素や心房性ナトリウム利尿ペプチドにより
誘導されたcGMP の増加抑制、
誘導型一酸化窒素合成酵素の合成抑制など
→昇圧効果を発揮する.
・心停止に対するバソプレシンの適応
・3つのRCTと1つのメタアナリシス試験
→バソプレッシン(40単位 IV)とエピネフリン(1mg )とを
最初の血管収縮薬として心停止に用いた際の、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的結果)に差はない
・2つのRCT
→エピネフリンとバソプレシンを合わせて使った時と
エピネフリンのみを使った時を比べると、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的所見)に差はない
・1つのRCT
→心停止にバソプレッシンを繰り返し使用しても、
エピネフリンを繰り返し使った場合と比べて、
生存率は改善しない
・心停止に対する用法
・2010 AHA Guideline for CPR and ECC
・バソプレシン静注/骨髄内投与:
→初回または 2回目のアドレナリン投与の代わりに
40単位を投与してもよい(ClassⅡb)
・Septic Shockに対する用法
・Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2013
→平均動脈圧の上昇やノルアドレナリンの減量の目的で、
ノルアドレナリンに加えてバソプレシン0.03単位/分を
投与しても良い(UG)。
・敗血症による血圧低下のある患者に最初に選択する昇圧剤として
低用量バソプレシンは推奨されない。
0.03-0.04単位/分以上のバソプレシンは
(他の昇圧剤で平均動脈圧が上昇しないなどの)
サルベージ治療として温存すべきである(UG)
・アナフィラキシーショックに対する用法
・通常はエピネフリン筋注0.3mg
・向精神薬ではボスミンが禁忌(?)、
βブロッカー内服者の場合、
ノルエピネフリン、グルカゴンが推奨
・カテコラミン不応性アナフィラキシーの場合
→バソプレシン10Uを繰り返し静注
→0.04U/minの静脈投与(MGH麻酔の手引より)
・出血性ショックに対する用法
・出血性ショックの場合
→輸液負荷のみと、輸液負荷+血管収縮薬を併用した場合
後者のほうが治療成績がいいという報告がある。
・バソプレシン併用療法が出血性ショックに対して
有効な正確なメカニズムは不明。
→バソプレシンによる血管収縮がwouded siteから
血液分布を移行させる?
→また枯渇した内因性バソプレシンを補充する?
・肝腎症候群に対して
・治療法としては肝移植以外にTerlipressin。
・1mg/4-6hr ivもし治療に反応なければ2mg/4-6hrまで増量可。
通常は5-15日間継続する。
・人間の情動や社会性にもバソプレシンが関連?
2015年6月3日水曜日
線溶系と抗線溶薬
麻酔科勉強会 担当:S先生
「線溶系と抗線溶薬」
・抗線溶薬
・TXA(トラネキサム酸)
・EACA(イプシロンアミンのカプロン酸)
・アプロチニン
・TXAとEACA
・共にリジン誘導体
・TXAは血中で分解されるとEACAに
・プラスミノゲンのリジン結合部位と結合
→プラスミノゲンのフィブリンへの吸着を阻止
→抗線溶作用を発揮
・アプロチニン
・セリンプロテアーゼ阻害薬
・プラスミン、カリクレイン、トリプシン、
キモトリプシンを効率よく阻害する。
・1987年、心臓外科手術の出血を減らすことが偶然発見された。
・現在は使用中止
・トラネキサム酸(TXA)
・全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
・局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
・湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における
紅斑・腫脹・掻痒
・咽喉頭炎・扁桃炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹
・口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ
・メラノサイト活性化因子「プラスミン」をブロック
→メラニン発生の要因のひとつ
→肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制
→肝斑を薄くする
・化粧品や歯磨き粉にも含有
・トラネキサム酸と外傷
・CRASH-2 trial
・40ヵ国274施設から重篤な出血あるいはそのリスクを有する
20211例の外傷患者
・トラネキサム酸投与群と非投与群で比較
・初回負荷量1gのトラネキサム酸を10分間で投与後、
更に1gを8時間かけて持続点滴
・主要評価項目は受傷後4週以内の院内死亡
・死亡原因を出血、血管閉塞(心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓)、
多臓器不全、頭部外傷、その他のカテゴリーで分けた。
→死亡リスクを有害事象の増加なく安全に低下させた。
→血管閉塞イベントによる死亡、イベントに有意差なし。
→輸血の必要性や輸血量に有意差なし
・トラネキサム酸と手術
・Systematic review and meta-analysis
・1972-2011の10488例の手術患者を含む129 trialsが対象。
→輸血リスクはTXA投与群は38%低下
(リスク比:0.62、95%信頼区間:0.58~0.65、P<0.001)
→血栓性イベント(心筋梗塞、脳卒中、PE)
Mortality TXA投与群は39%低下
・ただしadequate concealmentのtrialに限定すると有意差なし
・TXAと心臓外科手術
・Anesthe Analg.2012 Aug;115(2):239-43
・231人のOPCAB予定の患者をTXA群とプラセボ群に割付
・主要転記は術後 24 時間のチェスト・チューブ排液量、
また輸血、死亡率、重大な合併症、医療材料の使用量も評価
→ドレーン排液量、輸血量はTXA群で減少
→死亡率、合併症率、医療材料使用量は有意差なし。
・TXA使用時の注意点
→痙攣
・2004-2009年の心臓手術を施行した患者8929人について、
痙攣発作の危険因子を評価したstudy
→8,929例中119例(1.3%)で早期痙攣発作が発現し、
そのうち111例でTXAが投与。
・TXA総投与量100mg/kg以上は早期痙攣発作のリスク(OR 2.6)。
「線溶系と抗線溶薬」
・抗線溶薬
・TXA(トラネキサム酸)
・EACA(イプシロンアミンのカプロン酸)
・アプロチニン
・TXAとEACA
・共にリジン誘導体
・TXAは血中で分解されるとEACAに
・プラスミノゲンのリジン結合部位と結合
→プラスミノゲンのフィブリンへの吸着を阻止
→抗線溶作用を発揮
・アプロチニン
・セリンプロテアーゼ阻害薬
・プラスミン、カリクレイン、トリプシン、
キモトリプシンを効率よく阻害する。
・1987年、心臓外科手術の出血を減らすことが偶然発見された。
・現在は使用中止
・トラネキサム酸(TXA)
・全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
・局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
・湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における
紅斑・腫脹・掻痒
・咽喉頭炎・扁桃炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹
・口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ
・メラノサイト活性化因子「プラスミン」をブロック
→メラニン発生の要因のひとつ
→肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制
→肝斑を薄くする
・化粧品や歯磨き粉にも含有
・トラネキサム酸と外傷
・CRASH-2 trial
・40ヵ国274施設から重篤な出血あるいはそのリスクを有する
20211例の外傷患者
・トラネキサム酸投与群と非投与群で比較
・初回負荷量1gのトラネキサム酸を10分間で投与後、
更に1gを8時間かけて持続点滴
・主要評価項目は受傷後4週以内の院内死亡
・死亡原因を出血、血管閉塞(心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓)、
多臓器不全、頭部外傷、その他のカテゴリーで分けた。
→死亡リスクを有害事象の増加なく安全に低下させた。
→血管閉塞イベントによる死亡、イベントに有意差なし。
→輸血の必要性や輸血量に有意差なし
・トラネキサム酸と手術
・Systematic review and meta-analysis
・1972-2011の10488例の手術患者を含む129 trialsが対象。
→輸血リスクはTXA投与群は38%低下
(リスク比:0.62、95%信頼区間:0.58~0.65、P<0.001)
→血栓性イベント(心筋梗塞、脳卒中、PE)
Mortality TXA投与群は39%低下
・ただしadequate concealmentのtrialに限定すると有意差なし
・TXAと心臓外科手術
・Anesthe Analg.2012 Aug;115(2):239-43
・231人のOPCAB予定の患者をTXA群とプラセボ群に割付
・主要転記は術後 24 時間のチェスト・チューブ排液量、
また輸血、死亡率、重大な合併症、医療材料の使用量も評価
→ドレーン排液量、輸血量はTXA群で減少
→死亡率、合併症率、医療材料使用量は有意差なし。
・TXA使用時の注意点
→痙攣
・2004-2009年の心臓手術を施行した患者8929人について、
痙攣発作の危険因子を評価したstudy
→8,929例中119例(1.3%)で早期痙攣発作が発現し、
そのうち111例でTXAが投与。
・TXA総投与量100mg/kg以上は早期痙攣発作のリスク(OR 2.6)。
SEP・MEPモニタリング併用の大血管手術
周術期DVTとPE
麻酔科勉強会 担当:T先生
「周術期DVTとPE」
・JSA-PTE調査
→2002年から毎年1回、周術期PEについて
・2009-11、周術期PE発生率 25人/10万人
・周術期PE死亡率は約14%
・手術部位は開胸+開腹が多い。続いて股関節・四肢。
・年齢は高齢者が多い。
・病態について
・ウィルヒョウの三徴
→血流うっ滞、凝固能亢進、血管壁損傷
・DVTの3型
→腸骨型、大腿型、下腿型
・ヒラメ筋静脈血栓
・致死的PE剖検例の9割でヒラメ筋静脈に血栓あり
→血栓の性状が最も古かった
・孤立型ヒラメ筋静脈血栓が致死的PEをきたすのはきわめてまれ
・ヒラメ筋静脈の2割で中枢への進展あり
・ヒラメ筋静脈の特徴
・弁が小さく、少ない
・吻合部が狭窄している
→ヒラメ筋(抗重力筋)ポンプ作用が失われると、
一気に血流がうっ滞する (Ex.ベッドレスト)
・血栓が中枢側に進展した部位は血管壁への接着が弱い。
→血栓がちぎれやすい(フリーフロート血栓)
・ヒラメ筋静脈は下腿型DVTの発生源
・問診、症状、所見で異常なしかつd-dimer正常値
→急性期VTEは否定できる。
・いずれかが以上を示した場合は画像診断などが必要。
・d-dimerは様々な要因で高値となりうる。
・術中PE
・体位変換時や大腿部・骨盤手術操作時に多い
・血圧低下や頻脈
・EtCO2低下: 術中PEの8割
・SpO2低下: 術中PEの55%
・心エコー所見はmassiveなもので見られる
・右心系の拡張
・心室中隔扁平化
・TR
・肺動脈や右室内に血栓が見られることも
・DVTの治療
→抗凝固療法
・ヘパリン: APTT1.5-2.5倍延長 (Class I)
・ワーファリン: PT-INR 1.5-2.5、可逆的リスクで3ヵ月間 (IIb)
・低分子ヘパリンやXa阻害薬: 保険適応限られる
・孤立下腿型では症状軽度なら進展するまでは抗凝固不要
→2週間程度は画像フォロー (ACCP guideline)
・完全に血栓溶解するのは4%程度
→カテーテル治療 (IIb) と外科的血栓摘除 (IIb)
・元来健康で症状(腫脹や疼痛)強い症例
・カテーテル:ウロキナーゼによる血栓溶解や血栓吸引
・施設の実情により選択
→全身的血栓溶解療法
・本邦で適応が認められているウロキナーゼ用量は
欧米の数分の1
→カテーテル治療を選択すべき
→IVC フィルター
・抗凝固療法が行えない症例 (Class I)
・抗凝固療法にもかかわらず再発した症例 (I)
・骨盤内やIVCの血栓、近位部の大きな遊離血栓 (IIa)
・心肺予備能が低い症例 (IIa)
・急性PEを来したDVTの残存
・予防→リスク別に対策。
・低リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳未満の非大手術
→40歳未満の大手術
:整形外科、上肢手術
:産科、正常分娩
→早期離床と積極的な運動
・中リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳以上orDVTリスクある非大手術
→40歳以上orDVT危険因子ある大手術
:整形外科、脊椎手術、大腿骨遠位部以下の下肢手術
:産科、帝王切開
→弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法
・高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→40歳以上の癌の手術
:整形外科、股関節、骨盤、膝関節手術
下肢性腫瘍手術、DVTリスクある下肢手術
:産科、高度肥満の帝王切開、DVTリスクある経膣分娩
→間欠的空気圧迫法or抗凝固療法
・最高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→DVTリスクある大手術
:整形外科、DVTリスクある高リスク手術
:産科、DVTリスクある帝王切開
→抗凝固療法と間欠的空気圧迫法、弾性ストッキング併用
・弾性ストッキングの合併症
・皮膚炎や皮膚潰瘍
・腓骨神経麻痺
・コンパートメント症候群 (特に砕石位で多い)
・弾性ストッキングの禁忌
・動脈血行障害
・下肢の蜂窩織炎、血栓性静脈炎の急性期
・下肢の急性外傷、創傷
・末梢神経障害を伴う糖尿病
・重度のうっ血性心不全
・DVT急性期
・循環不全を伴うPE急性治療期
・間欠的空気圧迫法 (IPC)
・下腿大腿を30-60mmHg、30-60秒間隔で圧迫
・足底足関節を圧迫するvenous foot pumpもある
・下肢静脈叢を圧迫し静脈血流を促す
・凝固VIIa因子を低下させ、t-PAを上昇させる?
・合併症や禁忌は弾ストとほぼ同様
(ASOは大丈夫?)
・低用量未分画ヘパリン
・APTT延長しない程度
・HIT-IIに注意→週数回はCBCフォロー
・2500-5000単位×2-3回/日皮下注
・フォンダパリヌクス
・Xa阻害薬
・低分子量ヘパリンと予防効果同等
・まれにHIT-II生じる?
・2.5mg (腎障害あれば1.5mg)×1回/日皮下注
・術後は24時間空ける
・ワーファリン
・PT-INR 2.0-2.5 (高齢者1.5-2.0)
・その他経口抗凝固薬
・Xa阻害薬
・抗トロンビン薬
・ACCP guidelineから
・低分子量ヘパリンが治療の中心: 中リスク以上で使用
・ただし、出血リスク存在する間は抗凝固療法を行わない
・ヘパリンが使用できない場合、低用量アスピリン(120mg)で代用も
術後ICU申し送り風景
「周術期DVTとPE」
・JSA-PTE調査
→2002年から毎年1回、周術期PEについて
・2009-11、周術期PE発生率 25人/10万人
・周術期PE死亡率は約14%
・手術部位は開胸+開腹が多い。続いて股関節・四肢。
・年齢は高齢者が多い。
・病態について
・ウィルヒョウの三徴
→血流うっ滞、凝固能亢進、血管壁損傷
・DVTの3型
→腸骨型、大腿型、下腿型
・ヒラメ筋静脈血栓
・致死的PE剖検例の9割でヒラメ筋静脈に血栓あり
→血栓の性状が最も古かった
・孤立型ヒラメ筋静脈血栓が致死的PEをきたすのはきわめてまれ
・ヒラメ筋静脈の2割で中枢への進展あり
・ヒラメ筋静脈の特徴
・弁が小さく、少ない
・吻合部が狭窄している
→ヒラメ筋(抗重力筋)ポンプ作用が失われると、
一気に血流がうっ滞する (Ex.ベッドレスト)
・血栓が中枢側に進展した部位は血管壁への接着が弱い。
→血栓がちぎれやすい(フリーフロート血栓)
・ヒラメ筋静脈は下腿型DVTの発生源
・問診、症状、所見で異常なしかつd-dimer正常値
→急性期VTEは否定できる。
・いずれかが以上を示した場合は画像診断などが必要。
・d-dimerは様々な要因で高値となりうる。
・術中PE
・体位変換時や大腿部・骨盤手術操作時に多い
・血圧低下や頻脈
・EtCO2低下: 術中PEの8割
・SpO2低下: 術中PEの55%
・心エコー所見はmassiveなもので見られる
・右心系の拡張
・心室中隔扁平化
・TR
・肺動脈や右室内に血栓が見られることも
・DVTの治療
→抗凝固療法
・ヘパリン: APTT1.5-2.5倍延長 (Class I)
・ワーファリン: PT-INR 1.5-2.5、可逆的リスクで3ヵ月間 (IIb)
・低分子ヘパリンやXa阻害薬: 保険適応限られる
・孤立下腿型では症状軽度なら進展するまでは抗凝固不要
→2週間程度は画像フォロー (ACCP guideline)
・完全に血栓溶解するのは4%程度
→カテーテル治療 (IIb) と外科的血栓摘除 (IIb)
・元来健康で症状(腫脹や疼痛)強い症例
・カテーテル:ウロキナーゼによる血栓溶解や血栓吸引
・施設の実情により選択
→全身的血栓溶解療法
・本邦で適応が認められているウロキナーゼ用量は
欧米の数分の1
→カテーテル治療を選択すべき
→IVC フィルター
・抗凝固療法が行えない症例 (Class I)
・抗凝固療法にもかかわらず再発した症例 (I)
・骨盤内やIVCの血栓、近位部の大きな遊離血栓 (IIa)
・心肺予備能が低い症例 (IIa)
・急性PEを来したDVTの残存
・予防→リスク別に対策。
・低リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳未満の非大手術
→40歳未満の大手術
:整形外科、上肢手術
:産科、正常分娩
→早期離床と積極的な運動
・中リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳以上orDVTリスクある非大手術
→40歳以上orDVT危険因子ある大手術
:整形外科、脊椎手術、大腿骨遠位部以下の下肢手術
:産科、帝王切開
→弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法
・高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→40歳以上の癌の手術
:整形外科、股関節、骨盤、膝関節手術
下肢性腫瘍手術、DVTリスクある下肢手術
:産科、高度肥満の帝王切開、DVTリスクある経膣分娩
→間欠的空気圧迫法or抗凝固療法
・最高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→DVTリスクある大手術
:整形外科、DVTリスクある高リスク手術
:産科、DVTリスクある帝王切開
→抗凝固療法と間欠的空気圧迫法、弾性ストッキング併用
・弾性ストッキングの合併症
・皮膚炎や皮膚潰瘍
・腓骨神経麻痺
・コンパートメント症候群 (特に砕石位で多い)
・弾性ストッキングの禁忌
・動脈血行障害
・下肢の蜂窩織炎、血栓性静脈炎の急性期
・下肢の急性外傷、創傷
・末梢神経障害を伴う糖尿病
・重度のうっ血性心不全
・DVT急性期
・循環不全を伴うPE急性治療期
・間欠的空気圧迫法 (IPC)
・下腿大腿を30-60mmHg、30-60秒間隔で圧迫
・足底足関節を圧迫するvenous foot pumpもある
・下肢静脈叢を圧迫し静脈血流を促す
・凝固VIIa因子を低下させ、t-PAを上昇させる?
・合併症や禁忌は弾ストとほぼ同様
(ASOは大丈夫?)
・低用量未分画ヘパリン
・APTT延長しない程度
・HIT-IIに注意→週数回はCBCフォロー
・2500-5000単位×2-3回/日皮下注
・フォンダパリヌクス
・Xa阻害薬
・低分子量ヘパリンと予防効果同等
・まれにHIT-II生じる?
・2.5mg (腎障害あれば1.5mg)×1回/日皮下注
・術後は24時間空ける
・ワーファリン
・PT-INR 2.0-2.5 (高齢者1.5-2.0)
・その他経口抗凝固薬
・Xa阻害薬
・抗トロンビン薬
・ACCP guidelineから
・低分子量ヘパリンが治療の中心: 中リスク以上で使用
・ただし、出血リスク存在する間は抗凝固療法を行わない
・ヘパリンが使用できない場合、低用量アスピリン(120mg)で代用も
術後ICU申し送り風景
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