2012年1月31日火曜日

火曜カンファレンス

火曜カンファレンス

・超緊急帝王切開時の対応
・京大集談会について
・エアウェイスコープの小児用イントロックが入りました。
・術後回診について
・麻酔科送別会について

などなど


 FloTrac/vigileoは4台あります。

 Level 1 system 1000

ファイバーたち






2012年1月30日月曜日

ここ2週間のICUふりかえり

ICU勉強会  担当:H先生

「ここ2週間のICUふりかえり。」

・ダブルIVC
→1%くらいいるらしい。左IVCが左腎静脈に合流後、右IVCと合流する。
・心嚢縦隔ドレーン
→ドレーン排液が濃いまま突然止まったら注意。心タンポになるかも。
・術後意識障害が遷延
→epilepsyでした。
・回盲部は虚血になりやすい。
・IVCフィルターの適応について。
→抗凝固ができてるなら不要?mobile血栓がある場合は?
・横隔膜の珍しい奇形

など。


筋弛緩モニターで最終チェック。

2012年1月27日金曜日

分離肺換気

麻酔科勉強会 担当:H先生

「分離肺換気」

・肺保護戦略は肺癌術後の合併症リスクを低下させるか?(Chest 2010)
  →Conventional vs Protective
  →Protective群で合併症は有意に低下
・分離肺換気、VCV vs PCV(A&A 2007)
  →PaO2は変わりなし。圧はPCVの方が低い。
・分離肺換気中の低酸素血症について
  ①Prediction、②Prevention、③Treatment
 ①Predictionについて
   ・明確な予想因子はない。
   ・左肺手術の方が一般的に酸素化良好(右肺の方が大きい)。
   ・術前肺機能検査と術中PaO2は関連性に乏しい。
   ・重症閉塞性疾患なほど、術中酸素化良好。auto PEEPのため?
   ・血流分布異常について
      ・VQスキャンは有効。
      ・肺中枢病変の方が酸素化良好。健側に血流シフトするため?
      ・仰臥位と側臥位では側臥位の方が有利。
 ②Preventionについて
   ・チューブの位置異常は12%におこる。必ず側臥位後にファイバーチェック。
   ・TVは酸素化に影響しない。
     →low TV+low PEEP (4-5 cmH2O推奨)
   ・PCV設定、Ppeak 20-25、PEEP 6-7 (右)/7-8 (左)くらいがいい?
   ・IE比は呼気終末flowがゼロになるように。PaCO2は30-35。
   ・非換気肺へのO2付加は酸素化を著明に改善させる。
      →術野の妨げになるかも。
      →実はチューブの位置異常でした、というときに気づきにくい。
   ・最終手段としてNO吸入、almitrine(日本にはない)使用など。
   ・吸入麻酔薬はHPVを抑制するが臨床的には問題にならない。
   ・胸部硬膜外麻酔の使用により酸素化は悪化する。
   ・COPDの人でHb低下すると酸素化は悪化する。
 ③Treatmentについて
   ・非換気肺にPEEPをかける。
   ・両肺換気にする。
   ・換気肺をリクルートメントする。
   ・ファイバーで位置確認する。
   ・痰吸引する。
・胸部硬膜外麻酔について
  ・分離肺換気中の酸素化に影響する可能性(A&A 1999)。
     →General麻酔群(GA) vs 胸部硬膜外麻酔追加群(TEA)
     →GA群で分離肺換気中のPaO2が高かった。
  ・TEA+吸入麻酔 vs TIVA(A&A 2001)
     →TEA+吸入麻酔群の方がPaO2が高かった。
  ・硬膜外麻酔のロピバカイン濃度の違いとPaO2(Aneth. 2010)
     →ロピバカインが濃いとPaO2低下する。
・分離肺換気中の輸液反応性の指標としてのSVV(Journal of Aneth. 2011)
     →TVをいろいろ変えて、ROC曲線とか書いてみた。
     →SVVを指標にしたいならTVを8ml/kg以上にすべし。


麻酔科ローテ初期研修医、最後は心臓手術の見学です。

2012年1月26日木曜日

輸血について

初期研修医勉強会 担当:H先生

「輸血」

・輸血の歴史
  1918年、世界初の輸血、1936年、世界初の成分輸血
  1942年、アルブミン製剤発売(米国)、1943年、グロブリン製剤発売(米国)・・・

・赤血球輸血について
 ①赤血球濃厚液、②洗浄赤血球、③解凍赤血球
 ・赤血球濃厚液からは白血球が除去されている。
 ・洗浄赤血球は血漿成分、炎症性サイトカインが除去されている。
    →24時間以内に使用すべし。
    →蕁麻疹歴、アナフィラキシー歴、PNH、IgA欠損症の人など。
 ・解凍赤血球は凍害保護液を加えて-80℃で保存した血液。5年保存できる。
    →まれな血液型の人の血液の保存など。
・全血輸血について
  ・新生児の交換輸血、大量出血時など。
・輸血によるHb上昇
  予想Hb上昇=投与Hb量(g)÷循環血液量(dL)
    →ちなみに400mlRCCパックには56-60gのHbが含まれている。
    →成人の循環血液量は70ml/kg。
・輸血の副作用
  ウイルス、細菌感染、溶血、GVHD、アレルギー、アナフィラキシー、
  肺水腫、心不全、TRALI、・・・

・新鮮凍結血漿(FFP)・・・凝固因子不足の時に使用。
・アルブミン製剤
  目標は急性期で3.0g/dl、慢性期で2.5g/dl。
  20-25%の高張製剤、5%の等張製剤。

・出血時の対応
  ・循環血液量15-20%の出血ではその2-3倍の細胞外液を輸液。
  ・50-100%の出血ではアルブミンを含めた膠漆液を使用。輸血も。
  ・100%以上の出血では凝固因子の補充が必要。
・周術期の目標Hb、7g/dl程度。ただし脳梗塞や冠動脈病変ある人は10g/dl。
・大量出血が予想される手術では
  ・当院では照射前血液を購入、手術直前で照射。
     →高K血症を防ぐ。

・自己血輸血について
  ①貯血式・・・予想出血量の80%程度を事前に採血。
      利点:感染、アレルギー、GVHDの心配がない。
      欠点:貧血になる。VVRになる可能性。通院回数が増える。
      禁忌:エルシニア感染、NYHA3度以上、uAP、AS、・・・
  ②希釈式自己血輸血
        ・・・手術室で採血後、1-1.5倍の輸液を行うもの。
  ③回収式自己血輸血・・・セルセーバ。
      注意:脂肪組織の混入、悪性腫瘍の播種、無菌の維持困難、など。

・今後のトピックス
  iPS細胞から巨核球を作成、血小板を大量作成できる可能性がある。



徹夜で麻酔し続けた先生。お疲れ様です。

2012年1月25日水曜日

呼吸器外科の麻酔について

麻酔の問題集 担当:H先生

「呼吸器外科の麻酔について」

1.肺切除後の呼吸機能の問題
・術前検査で術後の肺機能を予想。
→スパイロ:1秒率、1秒量、機能的残気量など
・一側肺全摘では患側肺がどのくらい機能しているか検査が必要。
→換気血流スキャン
→患側肺がシャントの場合は全摘後むしろ酸素化は改善する。
→術前PaCO2上昇は換気不足を示唆、予後不良因子。
・肺血管床の減少に循環が耐えられるか。
→PA閉塞テストなど。

2.側臥位についての問題
・上側の肺は換気は多く血流は少ない。
・下側の肺は血流が多く換気が少ない。
・腹腔内圧は下側の肺にかかりやすい。
→下側の肺は分離肺換気開始後FiO2を上げると無気肺を作りやすい。

3.分離肺換気の適応についての問題
・絶対的適応は「分離しないと死ぬ」手術。
・健側肺の保護:膿胸、血胸など
・換気分布のコントロールが必要な場合。
・気管支肺胞洗浄
・相対的適応は術野の確保目的、など。
     →食道、TAA、上葉切除、VATS、・・・

4.低酸素性肺血管攣縮(HPV)の問題
・吸入麻酔薬はHPVを抑制する。
・Iso=Sevらしい。
・%HPV低下率=22.8×Isoの肺胞内濃度-5.3らしい。
・低体温も間接的にHPVを抑制する。
・Hypervolemiaは肺血管の拡張によりHPVを抑制する。
・Hypovolemiaは換気肺の血流低下により酸素化不良を起こす。
・患側肺の虚脱によりHPVは促進される。
・HPVのIndirect inhibitor・・・PA圧を上げるもの
→MS、PE、血管収縮薬の使用、・・・
・HPVのDirect inhibitor・・・肺血管を拡張させるもの
→感染、血管拡張薬の使用、・・・

5.分離肺換気での換気量についての問題
・一回換気量、教科書的には10-12ml/kgだが、多すぎ?
・非換気肺へのCPAP負荷によりPaO2改善
・過換気でPaO2
→気道内圧上昇、肺血管抵抗上昇、HPV抑制、右左シャント増大
・CO2は高くても低くてもHPVを抑制する。

6.縦隔鏡の麻酔
・パルスオキシメーターは左右につける。
・動脈ラインは右に取る。
→腕頭動脈圧迫時に橈骨動脈圧が低下する。
→右総頸動脈の血流が下がり、左片麻痺が出現することがある。
・大量出血のリスクがある手術である。
・反回神経麻痺、気道圧迫の可能性もある。









2012年1月24日火曜日

日常風景

新病院になってから麻酔科エコーが増台され、
超音波ガイド下神経ブロックがやりやすくなりました。







発熱性好中球減少症のManagement

ICU勉強会 担当:S先生

「発熱性好中球減少症のManagement」

・Medical emergencyであり、抗生剤投与が必要。
・熱だけが唯一の感染を示唆する所見でありうる。
・その他の身体所見に乏しい。

・ガイドラインについて(IDSA、ESMO)
・定義:口腔温で38.3℃以上、好中球絶対数500以下。絶対数が100を切るとやばい。
・死亡率:GNRのバクテレミアで18%、GPCで5%
・よくある病原菌は、いわゆる院内感染の菌と変わらず。
・initial assessment
問診:化学療法の種類、使用抗菌薬、薬剤耐性菌保有歴、
ステロイド使用歴、手術歴、アレルギー歴、・・・
症状:発熱以外にないことがある。注意。
・risk assessment
NASCC score:21以上でlow risk、20以下でhigh risk。
他に、7日以上neutropeniaが続きそうなものもハイリスク。
臓器障害の合併、カテ感染、循環動態不安定、口腔内炎症などもハイリスク。
・予防的抗菌薬の使用について
LVFX(B-1)、GPCカバーは特には必要ない(A-1)。
真菌症:FLCZ、ITCZ(Allo-HSCTの人、leukemiaのケモ始めた人)
ヘルペス:HSVポジの人など
・empiric therapyについて
抗緑膿菌活性のあるβラクタム(A-1)(CFPM、PIPC/TAZ、MEPMも。)
緑膿菌については、施設ごとの感受性をチェック。
VCMは通常は必要ない。
→CRBSI、軟部組織感染、肺炎、血行動態不安定の時は使用を考慮。
→証拠がなければ2日で中止してよい。
・initial therapy開始後も血行動態不安定が続く場合
→広域をカバー。嫌気性菌、真菌の関与も考える。
・真菌に対するエンピリックセラピー
→4日以上熱が続けば考慮する。
・definitive therapyについて
→CRBSI:14日間抗生剤投与。(ブ菌、緑膿菌、真菌)
→complicated caseでは4-6週間の投与を行う。
→IE、深部組織感染、septic thrombus、・・・
・カンジダについて
予防投与としてazoleの人、ノンアルビカンスの人はL-AMBかMCFGに。
・侵襲性アスペルギルス症について
  Allo-HSCT、leukemiaのケモ始めた人は注意。CT、BAL所見を参考に。
・発熱して熱源検索したけど見つからなかった場合。
→48時間以降解熱、好中球500以上で症状ない場合は抗生剤stop。
→続く場合はinitial regimenを好中球が立ち上がるまで続ける。
・CSFsは予防的にはOK、治療としてルーチンには推奨されていない。
・感染拡大予防のため手洗い、バリアプレコーションに気を付けましょう。




2012年1月20日金曜日

超音波ガイド下血管穿刺のガイドライン

麻酔科勉強会 担当:O先生

「超音波ガイド下血管穿刺のガイドライン」

1.中心静脈穿刺
・アメリカでは合併症が5-10%程度で起こっている。
・要因として、経験不足、患者解剖、procedual setting、comorbidityなど。
・同じ人が4回以上穿刺すると合併症は6倍に。
・エコーを使うと1回目成功率アップ、合併症は減る。
・習得すべき技術
・エコーを操作して見たい画像をきちんと出せる技術
・画面上で上手に針を描写する技術

2.IJV穿刺
・合併症としての動脈穿刺(エコーガイド下)
・針と画像のズレによるもの。
・SAX:針の経路、深さがわからない。
・LAX:針の経路と深さがわかる。推奨。
・Realtime imagingかStaatic imagingか。
・合併症は同じ、Realtimeの方が時間が早く、回数は少なく、成功率がアップ。
・動脈と静脈の見分け方
動脈:厚く、圧迫を受けにくく、拍動していて、収縮期のみ血流あり。
静脈:薄く、つぶれやすく、呼吸性変動して、収縮・拡張期いずれも血流あり。
・動脈と静脈の関係について
→個体差あり。ランドマーク法では合併症を起こしうる。
    →少なくとも穿刺前にエコーで位置関係は確認すべし。
・IJV-CA overlap
→動脈穿刺の可能性が高くなる。
→穿刺針でVをつぶしてしまい、いきなりAに入ってしまったり。
→Realtime imagingなら、Aのない方向へ針を進められる。
・IJVが細い人が7%くらいいる。 
・IJV径<7mmの人は、成功率が下がるので別の場所を探したほうがいい。
・バルサルバ手技、トレンデレンブルグ体位により、やりやすくなる。
・171人のハイリスクな人にエコーガイド下IJV穿刺したスタディ
→合併症は7例。
→CA穿刺 1.8%、oozing 1.8%、hematoma 0.4%、胸膜穿刺 0.4%
・成功率アップと合併症軽減のため、IVCではRealtime imagingを使うべし!
→カテゴリーA、レベル1のevidence
・Static imagingも有用ではある。

3.SCV穿刺
・経験が少ないと、針の角度が急になる→気胸のリスク!
→エコーガイド下でもtraditional approachを忘れずに!
→針は角度をつけない。胸壁と水平に!
・接触面積の少ないプローブを使うとよい。
・鎖骨の真ん中にプローブを置く。SCVは短軸で描写する。
・IJVと比較するとエコーの有用性は少ないかも。
・合併症は0.3-12%。
・ルーチンのエコー使用は推奨されていない。

4.FV穿刺
・合併症は比較的少ない。
・股関節を外転、外旋させるとやりやすい。逆トレンデレンブルグ体位も。
・合併症として、動脈穿刺、AV fistula、仮性動脈瘤、後腹膜出血など。
・エコーガイド下穿刺により合併症は下がる。
・overlap症例、内腔開存性のcheck目的でのエコーは有用。
・ルーチンでの使用はevidence不十分。
・もともと合併症は少ない部分なので、エコーの有用性は少ないかも。

5.小児でのCV穿刺
・もともとデータが少ない。 
・経験を積んだドクターには、むしろエコーが邪魔。
→正の相関スタディ:トレーナーが施行しているケースが多い。
→負の相関スタディ:経験を積んだ人がやってるケースが多い。
・IJV穿刺では、肝臓を押してみるとやりやすい。
・FV穿刺、小児では高率にoverlapしているので注意。

6.動脈穿刺
・Realtime imagingが好ましい。
・利き手で針を持って、もう片方でプローブを持つ。
・触診法とエコーの比較。成功率は同じだが合併症がエコーの方が少ない。
・ルーチンでの使用は推奨しないが、成功率はアップする。

7.末梢静脈穿刺
・肥満の人、浮腫の人などのdeep veinにエコー下でルート確保。
→成功率はアップするが、練習が必要。
・PICC挿入にはエコー使用が推奨されている。

8.その他
・カテーテル挿入前、ダイレーター挿入前には必ずエコーチェック!
→SAXだけでは不明瞭、長軸でワイヤーをちゃんと確認。
・ちゃんと勉強して10例は監督のもとで練習しよう。

成果を出すためにはトレーニングが必要。
マーキング目的でのStatic imagingは位置決め、血栓確認などには有用。
しかしRealtime imagingで入れる方が成功率アップ、合併症ダウン。




2012年1月19日木曜日

モニター・・・呼吸器を中心に


初期研修医勉強会 担当:H先生

「モニター・・・呼吸器を中心に」

①パルスオキシメーター
・赤色光、赤外線の吸光率を分析
・1974年、日本光電の青柳卓雄と岸道男により開発される。
・最近は通販でも買える。登山家とかが買うらしい。
・パルスオキシメーターのピットフォール
・循環不全、低体温、室内灯、MetHb、COHb、マニキュア、静脈波形、定常流など。
・消えかけの蛍光灯(点滅してるやつ)に反応する。
・マニキュアは青と緑がダメ。
・もちろんデコネイルもダメ。
・定常流・・・人工心肺、PCPSなど。
・経皮的CO2モニター
      →小児科領域で広まり始めている?
②EtCO2について
・PaCO2に近似するが実際はEtCO2の方が5mmHgほど低い。
・赤外線吸光分析(CO2が赤外線を吸収することを利用)
・メインストリーム方式とサイドストリーム方式
・波形に注意!
     →気道狭窄パターン、自発呼吸、再呼吸など。
→第Ⅰ~Ⅳ相
・ポータブルEtCO2モニターもある。
→Awake Craniotomyに使えるかも。
・EtCO2は酸素消費バランスの影響を受ける。
      →手術中は低めに出る。(代謝が落ちている)
→気腹では拍動的にCO2を送る場合がある。
          →自発呼吸出現のような波形になることがある。
③SpO2とPaO2
・酸素解離曲線について勉強しましょう。
→PaO2 60mmHgでSpO2 90%
→PaO2 40mmHgでSpO2 75%くらい。
→静脈血、混合静脈血の指標として覚えておこう。
→Sepsis Survive CampaignのEGDTなんかで登場する。
→SVCとIVCの酸素飽和度が違うメカニズムについて。
→麻酔中、VSP、その他シャントがあると静脈血も赤くなる。



Airway Scopeが2台になりました。

2012年1月18日水曜日

僧帽弁直下の感染性左室瘤

TEE勉強会 担当:I先生

「症例 23歳男性」

繰り返す発熱と胸痛で近医を受診。
血圧低下、TTE所見により手術適応と判断される。
CAGはintact。

①ME 4CV
・左室の隣に腔、収縮期に左室から腔への血流あり。
・腔は拡張期に縮小している。
・下壁の運動低下がみられる。

「僧帽弁直下の感染性左室仮性瘤」

左室瘤
・真性瘤・・・MI後90日以内に起こることが多い。MIの22%に生じる。
MI後5日以内に発生したものは死亡率が高い。
          心尖部、前壁が多い。広い入り口を持つ。
・仮性瘤・・・高率に自然破裂する。心外膜で覆われた慢性的心破裂。
狭い入り口、嚢状、左室と交通。

②同じ患者の動画、MR severeになってる。LV後壁に向かうjet。
→下壁梗塞から瘤化
→後内側乳頭筋の位置異常
→後尖のtethering
→左房後壁に向かうMR jet

ope:瘤切除、パッチ閉鎖、MV交連のplication、MV annuloplasty

③さらに同じ患者の動画。9か月後に発熱で再来院した時のもの。
→パッチの下端が外れて再び瘤に血流が。MVにベジ。

ope:ベジ廓清、パッチ交換、リング交換

・仮性瘤+severe MRではMV装置への影響を考慮すべし。
・仮性瘤の院内死亡率は20-40%、2年以内に再発も8%
・パッチ離開は見逃さない。一瞬で心タンポになる。







日常風景

新しい先生方も、麻酔に慣れてきたようです。








2012年1月17日火曜日

ICU振り返り、血小板減少

ICU勉強会 担当:U先生

1.「ICUふりかえり」

・Bed Controlの問題
・飲食開始の評価について
→嚥下チームの介入など。

2.「Thrombocytopeniaについて」

・血小板15-40万未満の状態。
・血小板数の推移を眺める必要
・皮膚粘膜出血について
・術後は5万以上にキープすべし
・0.5万以下で自然出血しはじめる。
・産生vs消費について

・血小板減少のメカニズムなど
・偽性血小板低下
・産生低下
→ウイルス感染、化学療法、放射線療法、血液疾患、
アルコール、VitB12欠乏、葉酸欠乏、・・・
・破壊・消費の亢進
→ITP、TTP、膠原病、DIC、抗リン脂質抗体症候群、
大動脈瘤、解離、オクスリ、・・・
・希釈性低下
・分布異常
→脾臓によるトラップなど

・Thrombocytopenia in ICU
・infection、sepsis、shockによるものが圧倒的に多い。
・ヘパリン使用、HIT、輸血、ARDS、PE、カテ血栓なども原因に。

原因がわからない血小板減少にどう対応するか?




2012年1月13日金曜日

Medical Futility

麻酔科勉強会 担当:M先生

「Medical Futility」

・Futilityの定義、辞書k的にはusefullessnessとか。
・Medical futility
患者は治療をやめてほしくないが医療者側はもうやめるべきだと思う時
Medical futilityの意味自体はかなり混乱している。
・Device-orientedなもの。
CPR、CHDF、Pacemaker、Intubation、気切、PEG、・・・
・DNRについて(NEJM 1988年)
状態が悪く、蘇生してもQOL低い。
蘇生成功率がそもそも低い。
死ぬ機会を失ってしまう。
・一部の患者を除いて、DNRを標準とすべきという過激な意見も。
・DNR→治療はwithhold→観察が雑になる、というのはダメ。
・DNRはcodeのひとつにすぎない。治療終了ではない。
・CRRTについて
CRRTを中止する理由など、500人にアンケートした研究。
futile CRRT、refuseするのは麻酔科出身intensivistの方が多い。
・ICD、CRTDについては次の機会に・・・。
・Bernard and Jonsenの4つの分類
・futileについてはヒポクラテスの誓いにもある?(未確認)
・1990年代以降、futileを含む論文が増えてきた。
・Medical Futilityの定義(AIM 1990年)
・テキサス州では法的なバックアップがある。

medical futilityを数値で定義する派
   vs 話し合い、法律で定義する派・・・

現在他のアプローチを模索中。



2012年1月12日木曜日

麻酔と夢について

初期研修医勉強会 担当:O先生

「麻酔と夢について」

・ケタミンで悪夢を見るのは有名。
・チオペンタールでは不快な夢を見るという報告。
・プロポフォールも吸入麻酔薬と比較して夢を見ることが多い。
・術中覚醒について
→定義:術後に術中のイベントのことを思い出せること。
→映画「アウェイク」など。
・術中覚醒のリスク
→術中覚醒の既往、重度のアルコール中毒、重度の鎮静薬使用歴
→予測される挿管困難もリスク因子の一つ
・BISモニターについて・・・波形を読めるようになろう!
・脳波:α、β、Θ、Δ波について
Δ、Θは睡眠~深鎮静、α、βは覚醒~ウトウト
・論文読みました。
「デスフルランとプロポフォールでの夢の発生率の差」
300人をデス群、プロポ群に割り付け、脳波測定および術後インタビュー。
→夢の頻度に有意差はなかった。
→インタビュー時のBISはプロポ群で低い傾向があった。
夢を見た人は・・・
・もともと毎日夢を見る人が多い。
・紡錘波形が少なく、高周波が多い。
脳波パターンからは、麻酔覚醒前に夢を見るようである。
REM睡眠の脳波と関係あるっぽい。


本日担当してくれたO先生、
昨日は今日の発表がうまくいかない夢を見たそうです。
勉強になる発表ありがとうございました。



2012年1月11日水曜日

心筋虚血、人工肺、術後意識障害、Mg、ヘパリン

麻酔の問題集 担当:H先生

第1問:心筋虚血についての問題
心内膜下は虚血に弱い。
・酸素需要大きい
・冠血流は拡張期のみに流れる。
・収縮期の冠血流は外壁に分布。内膜側は4分の1くらい。 
・LADの70-85%は拡張期に流れる。
STMIとNSTMIのECG変化についての復習

第2問:人工肺のしくみについての問題
気泡型、膜型の違い。
気泡型・・・血液と酸素を直接接触させる方法。
安価であるが溶血のリスクあり。
膜型・・・多孔膜を介して酸素交換。
赤血球破壊や蛋白変性、空気塞栓のリスクは低い。

第3問:術後の意識障害についての問題
CABG後のstrokeは3%程度に起こる。
認知機能障害なら60-70%に起こり、おそらくはMicro emboliが原因。
2-6週間でだいたい改善する。
・論文紹介(J of Cardiothroratic and Vascular Anesthesiaの2011年?)
心外手術後の意識回復について
24時間の昏睡の後意識を回復した患者
・画像所見で問題なしの人
→術前Cre値、術後Hb、緊急手術、が昏睡遅延のリスク因子。

第4問:Mgについての問題
・MgはCoronary arteryを開く。
・抗不整脈薬として使用される・・・など。

第5問:ヘパリンについての問題
・5分以内に効果発現する。
・半減期は90分。
・A lineのヘパリンでもHITは起こりうる。
・AT-Ⅲの効果を増強することで効果を発揮する。
HITについて調べてきました。
Ⅰ型:10%くらいには起こっている。ヘパリンの直接作用。
血小板は10万以下にはまずならない。
ヘパリン中止で速やかに改善。
Ⅱ型:免疫反応によるもの。
8%でHIT抗体が産生、0.5-5%でHIT、その3分の1で血栓症。
5-10日でHIT抗体は産生される。
→3日以内の急速発症型、中止後発症の遅延発症型もあり注意。
HITの診断について(A and Aの論文より)
4T scoreとPF4/ヘパリン免疫測定を組み合わせるとよい。   
HITの治療について
アルガトロバン切り替えから6-7日後で血小板上昇へ。

第6問:PDE阻害薬についての問題
・肺血管を開く、体血管も開く。
DOBと比較したstudyの紹介。
→DOBと比較して、CI、O2供給、SVR、PVR変化有意差なし。
・β受容体のdownregulationがあるケースで使用したい。
・ミルリノン使用で死亡率が上がる・・・かも。(某Meta-analysisより。)



2012年1月10日火曜日

日常風景

3Dモニター使用中につき、偏光メガネ着用。


ホットライン使用中。

2012年1月6日金曜日

JB-POT合格者たち

第8回日本周術期経食道心エコー認定試験(JB-POT)

当院からの受験者はめでたく5人全員合格でした。
これにて中央市民病院麻酔科のJB-POTterは13人となりました。
来年度受験予定の先生、頑張ってください。










麻酔科医と感染

麻酔科勉強会 担当:H先生

「麻酔科医と感染」

・人間の体には100兆個の微生物がいる。
・20%の人間は黄色ブドウ球菌を持ち歩いている。
→手術室は常に汚染されている!
・術後感染の原因
→55% MRSA、10% CNS、10% 他のGPC、・・・
→医療従事者によるMRSA感染拡大の可能性
・オランダのstudy
手技の際に手洗い、消毒、手袋を守ってる?
28個のope、60時間観察
→入室時に手指をアルコール消毒してたのは2%のみ。
→退室時アルコール消毒してたのは8%のみ。
→合計で1人1時間で0.14回しか消毒していなかった。
・医師の中では外科医、麻酔科医が最低の手指消毒率を誇る。
・2009年のAneth.より、介入して消毒状況を改善できるか?
→個人持ちのアルコールスクラブを配れば消毒率は増える。
・手術室の手指消毒率upと院内感染の減少には有意な相関関係あり。
・2009年のAneth.より、どのくらい手術室を汚してる?
→三方活栓の32%は汚染されている。
→ope後、麻酔器周辺も汚染されている。
→三方活栓の汚染と死亡率の間に有意な関連性あり。
→三方活栓の汚染と院内感染の関連は有意でない。
・2011年のA&A、手術前の手の汚染について
→164の手術で11.5%の三方活栓が汚染。半分が麻酔科医由来。
→手術室の89%が汚染、うち12%が麻酔科医由来。
・CDCのガイドラインより。
・皮膚の前処置について(カテーテル挿入前)
・三方活栓よりもニードルレスコネクタ、メカニカルバルブの方が
コロニーが減ったという報告もある。
・適切な消毒薬を使う。
・手袋をしても手指衛生保護が必要。
・WHOの多様的手指衛生改善戦略について。

・麻酔科医は手術室を汚染する。死亡率にも関連する可能性あり。
・手指衛生改善、個人持ちアルコールスクラブを使いましょう。
・意識の改善が必要。





2012年1月5日木曜日

定期手術スタート

今日から本格的に定期手術が始まりました。
そして新しい研修医の先生が麻酔科にやってきました。



朝のカンファレンスで自己紹介


頑張ってください!

2012年1月4日水曜日

仕事始め

仕事始めです。


徹夜で麻酔をかけつづけたY先生


新しい研修医の先生へのオリエンテーション


2012年1月1日日曜日

謹賀新年




新年あけましておめでとうございます。
今年もがんばりましょう。



新病院からの初日の出