2015年7月5日、大阪国際交流センターにて
第60回日本集中治療医学会近畿地方会が開催されました。
当院からの演題発表は7題(麻酔科6題、救急部1題)と、
参加施設の中では最多でした。
発表された先生方、お疲れ様でした。
今後も「集中治療ができる麻酔科」として、
集中治療領域での学術活動も活発にしていこうと思います。
2015年7月12日日曜日
2015年6月9日火曜日
こどもの麻酔導入
麻酔科勉強会 担当:Y先生
「こどもの麻酔導入」
・小児の気道解剖
・頭部、特に後頭部が大きく仰臥位で気道が屈曲しやすい。
・アデノイドや口蓋扁桃が比較的大きい。
・口の中で舌が占める割合が大きい。
・喉頭が成人と比較してより頭側かつ全面に位置している。
・喉頭蓋が長くU字型をしている。
・気管長が短い。
・気管最狭部は声門直下の輪状軟骨部である。
→成人挿管に慣れている施行者にとって難しい原因。
・マスク換気
・頭部が全身の中で比較的に大きく、特に後頭部が大きい。
→仰臥位で気道屈曲、閉塞傾向になるリスク。
→2歳以下では肩枕が必要。
→3歳以上ではsniffing positionが有効。
・EC法が基本
・基本はマスクフィットのみで換気可能。
・マスクは軽く密着させる。
・頸部の軟部組織を押さえつけない。
・頸部を少し右に傾けると換気しやすい。
・自発呼吸に合わせて換気する。
→決して胃に空気を入れてはいけない!
・腹部膨隆に合わせてバッグを押す。
→腹部が凹んだらバッグを離す。
・マスク換気は可能な限り低圧で。
・バッグが完全に膨らみきらない程度に維持。
・乳児なら新鮮ガス総流量も少なめ(3L以下)に。
・1回換気量は少なめ、その代わり回数で稼ぐ。
・マスク換気困難の可能性は?
・先天異常による頭蓋形成異常
・顔面熱傷
・外傷後の下部顔面の異常
・病的肥満(乳児ではまれ)
・頸部可動域制限(乳児ではまれ)
・重症喘息発作・・・
・挿管困難で有名な様々な疾患もマスク換気困難であることは
非常に少ない。
・小児ではOPAを使用すれば、上気道の問題で
マスク換気困難となることは極めて少ない。
・OPA(経口エアウェイ)
・意識消失、咽頭反射消失後に使用。
・舌根沈下による気道閉塞を防ぐ。SAS系には極めて有効。
・ただし・・・
・誤嚥誘発のリスクあり。
・喉頭痙攣誘発のリスクも。
・短すぎると気道閉塞。
・長すぎても気道閉塞。
・喉頭展開
・小児は食道入口と声門を誤認しやすい。
・小児は成人と比較してFRCに対する酸素消費量が大きい。
・さらに小児は術前酸素吸入に非協力的である。
・肺高血流性疾患ではそもそも酸素投与が禁忌である。
→無呼吸によるdesaturationが早い!
→無呼吸時間を伴う挿管操作を極めて短縮する必要がある。
・デバイスは何を使う?
・マッキントッシュ喉頭鏡、ミラー喉頭鏡、AWSなど。
・近年はAWSが注目されている。
→マネキンを使用したstudy
→Millar喉頭鏡群と比較してAWS群で挿管成功率が上がる。
・1歳以下はAWSが有効。
・正中挿入法が推奨される。
・挿入時は十分な頚部後屈を。
・乳児用イントロックは目標より右側にチューブが進む。
→声帯に当たれば無理せずチューブを回転。
・決して無理して押し込まない。
・気管内挿管
・小児の気管は声門下、輪状軟骨レベルが最狭。
→チューブが声門を通過してもその先に進まない可能性。
・無理して浮腫を作ると気道抵抗が急上昇する。
・Poisuilleの法則。
・声門下でチューブが進まない!
→無理せずワンサイズ細いチューブに変更する。
・頑張り過ぎると気道浮腫により換気すら困難となる。
・細い!と判断した気道には無理に触らない!
・カフ付きか、カフなしかについては症例を吟味。
・挿管前にどうしても抹消静脈ラインが取れない時
・吸入麻酔のみで挿管可能。
・充分に麻酔が深くなったところで上手な施行者が1度で挿管する。
・ただし高濃度Sevoの吸入は痙攣を誘発する。
・痙攣により換気困難になることは少ない。
・神経学的ダメージの有無はわからない。
・導入方法
・小児は導入前酸素吸入に非協力的である。
・小児は成人と比較して酸素消費量が大きい。
・低酸素から徐脈に至るまでが早く、結果も重篤である。
・(慣れてない施行者が)短時間で挿管できるとは限らない。
→迅速導入(RSI)はリスクが高い。
・full stomachでも愛護的に換気しながら急速導入
・胃管挿入、吸引後に急速導入
・modified RSI(輪状軟骨を圧迫しながら換気)
・ベイン回路について。
「こどもの麻酔導入」
・小児の気道解剖
・頭部、特に後頭部が大きく仰臥位で気道が屈曲しやすい。
・アデノイドや口蓋扁桃が比較的大きい。
・口の中で舌が占める割合が大きい。
・喉頭が成人と比較してより頭側かつ全面に位置している。
・喉頭蓋が長くU字型をしている。
・気管長が短い。
・気管最狭部は声門直下の輪状軟骨部である。
→成人挿管に慣れている施行者にとって難しい原因。
・マスク換気
・頭部が全身の中で比較的に大きく、特に後頭部が大きい。
→仰臥位で気道屈曲、閉塞傾向になるリスク。
→2歳以下では肩枕が必要。
→3歳以上ではsniffing positionが有効。
・EC法が基本
・基本はマスクフィットのみで換気可能。
・マスクは軽く密着させる。
・頸部の軟部組織を押さえつけない。
・頸部を少し右に傾けると換気しやすい。
・自発呼吸に合わせて換気する。
→決して胃に空気を入れてはいけない!
・腹部膨隆に合わせてバッグを押す。
→腹部が凹んだらバッグを離す。
・マスク換気は可能な限り低圧で。
・バッグが完全に膨らみきらない程度に維持。
・乳児なら新鮮ガス総流量も少なめ(3L以下)に。
・1回換気量は少なめ、その代わり回数で稼ぐ。
・マスク換気困難の可能性は?
・先天異常による頭蓋形成異常
・顔面熱傷
・外傷後の下部顔面の異常
・病的肥満(乳児ではまれ)
・頸部可動域制限(乳児ではまれ)
・重症喘息発作・・・
・挿管困難で有名な様々な疾患もマスク換気困難であることは
非常に少ない。
・小児ではOPAを使用すれば、上気道の問題で
マスク換気困難となることは極めて少ない。
・OPA(経口エアウェイ)
・意識消失、咽頭反射消失後に使用。
・舌根沈下による気道閉塞を防ぐ。SAS系には極めて有効。
・ただし・・・
・誤嚥誘発のリスクあり。
・喉頭痙攣誘発のリスクも。
・短すぎると気道閉塞。
・長すぎても気道閉塞。
・喉頭展開
・小児は食道入口と声門を誤認しやすい。
・小児は成人と比較してFRCに対する酸素消費量が大きい。
・さらに小児は術前酸素吸入に非協力的である。
・肺高血流性疾患ではそもそも酸素投与が禁忌である。
→無呼吸によるdesaturationが早い!
→無呼吸時間を伴う挿管操作を極めて短縮する必要がある。
・デバイスは何を使う?
・マッキントッシュ喉頭鏡、ミラー喉頭鏡、AWSなど。
・近年はAWSが注目されている。
→マネキンを使用したstudy
→Millar喉頭鏡群と比較してAWS群で挿管成功率が上がる。
・1歳以下はAWSが有効。
・正中挿入法が推奨される。
・挿入時は十分な頚部後屈を。
・乳児用イントロックは目標より右側にチューブが進む。
→声帯に当たれば無理せずチューブを回転。
・決して無理して押し込まない。
・気管内挿管
・小児の気管は声門下、輪状軟骨レベルが最狭。
→チューブが声門を通過してもその先に進まない可能性。
・無理して浮腫を作ると気道抵抗が急上昇する。
・Poisuilleの法則。
・声門下でチューブが進まない!
→無理せずワンサイズ細いチューブに変更する。
・頑張り過ぎると気道浮腫により換気すら困難となる。
・細い!と判断した気道には無理に触らない!
・カフ付きか、カフなしかについては症例を吟味。
・挿管前にどうしても抹消静脈ラインが取れない時
・吸入麻酔のみで挿管可能。
・充分に麻酔が深くなったところで上手な施行者が1度で挿管する。
・ただし高濃度Sevoの吸入は痙攣を誘発する。
・痙攣により換気困難になることは少ない。
・神経学的ダメージの有無はわからない。
・導入方法
・小児は導入前酸素吸入に非協力的である。
・小児は成人と比較して酸素消費量が大きい。
・低酸素から徐脈に至るまでが早く、結果も重篤である。
・(慣れてない施行者が)短時間で挿管できるとは限らない。
→迅速導入(RSI)はリスクが高い。
・full stomachでも愛護的に換気しながら急速導入
・胃管挿入、吸引後に急速導入
・modified RSI(輪状軟骨を圧迫しながら換気)
・ベイン回路について。
ロボット支援下腎部分切除術
2015年6月8日月曜日
周術期疼痛管理について
初期研修医勉強会 担当:S先生
「周術期疼痛管理について」
・術後疼痛とは?
→手術侵襲による組織障害とそれに伴う炎症反応のために
術直後より数日間続く強い痛み
・体性痛
・浅い痛み
→切開創の痛み
・安静時の鈍い痛み:C線維によって伝わる
・緊張時の鋭い痛み:Aδ線維によって伝わる
・深い痛み
→筋肉痛など
・内臓痛
・術中に内臓器官が引っ張られたり、
引き裂かれたりしたことに対する
生体反応によって起こる痛み
・胃や腸の運動が反射性に抑制されたことにより生じる痛み
・Aδ、C線維を通る
・疼痛の修飾因子
・患者因子
→性別(女性)、性格、痛みの経験の有無、不安・恐怖など
・麻酔管理
→全身麻酔?伝達麻酔併用?先行鎮痛あり?
・手術部位、手術時間、侵襲の程度
・上腹部>下腹部
・深部臓器の手術>体表の手術
・長時間の手術>短時間の手術
・術前に存在する慢性痛
・分子レベルでの患者因子
・ブラジキニン受容体、プロスタノイド受容体、
グルタミン酸受容体など。
・術後疼痛の影響(急性期)
・疼痛による交感神経緊張
・カテコラミン等の遊離促進→代謝亢進、酸素消費量↑
・心筋の酸素消費量↑→心筋虚血・梗塞の完成
・消化管運動の抑制→術後イレウス
・呼吸機能低下
・横隔膜機能低下→呼吸機能低下
・深呼吸や咳嗽の抑制→分泌物貯留、無気肺
・精神面
・恐怖、不信感など
・術後疼痛の影響(慢性期)
・長期に渡る慢性痛
・離床の遅れ、心身機能の低下、QOL低下
・中枢性感作
・創部からの持続的な末梢障害性入力
→疼痛感度の異常な増大
・遷延性術後疼痛ハイリスク患者には・・・
・急性期疼痛管理の徹底
・ガバペンチン・プレガバリンなどの
Caチャネルα2δリガンドの術前投与
・痛みの自己管理に関する教育
・リハビリテーションによる早期介入など
・痛みの評価
→VAS、NRS、Face scale、Word scaleなど。
・PHPS(Prince Henry Pain scale)
→術後安静時痛と体動時痛の総合評価
・Behavioral pain scale(BPS)
→会話や意思疎通が不可能な患者に対して使用
・先制鎮痛
・侵害刺激の前に鎮痛を行う。
・中枢性感作を防ぐpreventive analgesiaという概念
・今後臨床応用が期待される薬物など
・TRPV1
・C線維に特異的に発現しているイオンチャネル
・唐辛子の主成分のカプサイシンや熱、
水素イオンなどで活性化
・直接阻害するTRPV1抗体と、
カプサイシンのように刺激して脱感作することで
作用を阻害するTRPV1作動薬
・TNFα
・IL-1、IL-6とともに炎症細胞より分泌される
炎症性サイトカイン
・エタネルセプト(TNFRとIgGの融合蛋白)、
アダリムマブ・ゴリムマブ(抗TNF-α抗体)
・鼠径ヘルニア手術の術前にエタネルセプトを注射し
術後痛を評価した臨床研究で鎮痛効果が認められたとの報告
・カンナビノイド
「周術期疼痛管理について」
・術後疼痛とは?
→手術侵襲による組織障害とそれに伴う炎症反応のために
術直後より数日間続く強い痛み
・体性痛
・浅い痛み
→切開創の痛み
・安静時の鈍い痛み:C線維によって伝わる
・緊張時の鋭い痛み:Aδ線維によって伝わる
・深い痛み
→筋肉痛など
・内臓痛
・術中に内臓器官が引っ張られたり、
引き裂かれたりしたことに対する
生体反応によって起こる痛み
・胃や腸の運動が反射性に抑制されたことにより生じる痛み
・Aδ、C線維を通る
・疼痛の修飾因子
・患者因子
→性別(女性)、性格、痛みの経験の有無、不安・恐怖など
・麻酔管理
→全身麻酔?伝達麻酔併用?先行鎮痛あり?
・手術部位、手術時間、侵襲の程度
・上腹部>下腹部
・深部臓器の手術>体表の手術
・長時間の手術>短時間の手術
・術前に存在する慢性痛
・分子レベルでの患者因子
・ブラジキニン受容体、プロスタノイド受容体、
グルタミン酸受容体など。
・術後疼痛の影響(急性期)
・疼痛による交感神経緊張
・カテコラミン等の遊離促進→代謝亢進、酸素消費量↑
・心筋の酸素消費量↑→心筋虚血・梗塞の完成
・消化管運動の抑制→術後イレウス
・呼吸機能低下
・横隔膜機能低下→呼吸機能低下
・深呼吸や咳嗽の抑制→分泌物貯留、無気肺
・精神面
・恐怖、不信感など
・術後疼痛の影響(慢性期)
・長期に渡る慢性痛
・離床の遅れ、心身機能の低下、QOL低下
・中枢性感作
・創部からの持続的な末梢障害性入力
→疼痛感度の異常な増大
・遷延性術後疼痛ハイリスク患者には・・・
・急性期疼痛管理の徹底
・ガバペンチン・プレガバリンなどの
Caチャネルα2δリガンドの術前投与
・痛みの自己管理に関する教育
・リハビリテーションによる早期介入など
・痛みの評価
→VAS、NRS、Face scale、Word scaleなど。
・PHPS(Prince Henry Pain scale)
→術後安静時痛と体動時痛の総合評価
・Behavioral pain scale(BPS)
→会話や意思疎通が不可能な患者に対して使用
・先制鎮痛
・侵害刺激の前に鎮痛を行う。
・中枢性感作を防ぐpreventive analgesiaという概念
・今後臨床応用が期待される薬物など
・TRPV1
・C線維に特異的に発現しているイオンチャネル
・唐辛子の主成分のカプサイシンや熱、
水素イオンなどで活性化
・直接阻害するTRPV1抗体と、
カプサイシンのように刺激して脱感作することで
作用を阻害するTRPV1作動薬
・TNFα
・IL-1、IL-6とともに炎症細胞より分泌される
炎症性サイトカイン
・エタネルセプト(TNFRとIgGの融合蛋白)、
アダリムマブ・ゴリムマブ(抗TNF-α抗体)
・鼠径ヘルニア手術の術前にエタネルセプトを注射し
術後痛を評価した臨床研究で鎮痛効果が認められたとの報告
・カンナビノイド
2015年6月5日金曜日
バソプレシン
「麻酔科勉強会」 担当:S先生
「バソプレシン」
・1954年 du Vigneaudによって発見
・1955年 ノーベル化学賞受賞
→Vaso(血管)+pres(圧迫)
→血管収縮により血圧上昇
・視床下部の神経分泌細胞で産生
→軸索輸送で下垂体後葉
→下垂体後葉より分泌
・分泌条件
・血漿浸透圧の上昇
→肝臓・視床下部の浸透圧受容器で検出
→バソプレシン増加
→水排出低下
→浸透圧低下へ。
・血圧低下
→心臓、肺の圧受容器が検出
→バソプレシン増加
→尿中の水排出低下
→血漿量増加
・心容積の減少
・半減期
・Vasopressinの血漿半減期は4-20分
・Vasopressinの誘導体Terlipressinの半減期は6時間
・循環作動薬としてのバソプレシン
・通常の状態ではバソプレシンの血行動態に及ぼす影響は少ない。
・しかしアシドーシス下では
・カテコラミン・・・効力が低下
・バソプレシン・・・影響を受けない
→アシドーシスもしくはカテコラミン反応性が悪い時は
バソプレシンの効力が期待できる
・ショックの遷延や心停止では・・・
→細胞内に乳酸が蓄積
→ATP 依存性のK チャネルが開口。
→カテコラミンの刺激があってもCaが流入できなくなる。
→血管拡張,血圧低下
・一方バソプレシンは・・・
→直接的に血管平滑筋のATP 依存性のK チャネルを不活化,
→一酸化窒素や心房性ナトリウム利尿ペプチドにより
誘導されたcGMP の増加抑制、
誘導型一酸化窒素合成酵素の合成抑制など
→昇圧効果を発揮する.
・心停止に対するバソプレシンの適応
・3つのRCTと1つのメタアナリシス試験
→バソプレッシン(40単位 IV)とエピネフリン(1mg )とを
最初の血管収縮薬として心停止に用いた際の、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的結果)に差はない
・2つのRCT
→エピネフリンとバソプレシンを合わせて使った時と
エピネフリンのみを使った時を比べると、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的所見)に差はない
・1つのRCT
→心停止にバソプレッシンを繰り返し使用しても、
エピネフリンを繰り返し使った場合と比べて、
生存率は改善しない
・心停止に対する用法
・2010 AHA Guideline for CPR and ECC
・バソプレシン静注/骨髄内投与:
→初回または 2回目のアドレナリン投与の代わりに
40単位を投与してもよい(ClassⅡb)
・Septic Shockに対する用法
・Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2013
→平均動脈圧の上昇やノルアドレナリンの減量の目的で、
ノルアドレナリンに加えてバソプレシン0.03単位/分を
投与しても良い(UG)。
・敗血症による血圧低下のある患者に最初に選択する昇圧剤として
低用量バソプレシンは推奨されない。
0.03-0.04単位/分以上のバソプレシンは
(他の昇圧剤で平均動脈圧が上昇しないなどの)
サルベージ治療として温存すべきである(UG)
・アナフィラキシーショックに対する用法
・通常はエピネフリン筋注0.3mg
・向精神薬ではボスミンが禁忌(?)、
βブロッカー内服者の場合、
ノルエピネフリン、グルカゴンが推奨
・カテコラミン不応性アナフィラキシーの場合
→バソプレシン10Uを繰り返し静注
→0.04U/minの静脈投与(MGH麻酔の手引より)
・出血性ショックに対する用法
・出血性ショックの場合
→輸液負荷のみと、輸液負荷+血管収縮薬を併用した場合
後者のほうが治療成績がいいという報告がある。
・バソプレシン併用療法が出血性ショックに対して
有効な正確なメカニズムは不明。
→バソプレシンによる血管収縮がwouded siteから
血液分布を移行させる?
→また枯渇した内因性バソプレシンを補充する?
・肝腎症候群に対して
・治療法としては肝移植以外にTerlipressin。
・1mg/4-6hr ivもし治療に反応なければ2mg/4-6hrまで増量可。
通常は5-15日間継続する。
・人間の情動や社会性にもバソプレシンが関連?
「バソプレシン」
・1954年 du Vigneaudによって発見
・1955年 ノーベル化学賞受賞
→Vaso(血管)+pres(圧迫)
→血管収縮により血圧上昇
・視床下部の神経分泌細胞で産生
→軸索輸送で下垂体後葉
→下垂体後葉より分泌
・分泌条件
・血漿浸透圧の上昇
→肝臓・視床下部の浸透圧受容器で検出
→バソプレシン増加
→水排出低下
→浸透圧低下へ。
・血圧低下
→心臓、肺の圧受容器が検出
→バソプレシン増加
→尿中の水排出低下
→血漿量増加
・心容積の減少
・半減期
・Vasopressinの血漿半減期は4-20分
・Vasopressinの誘導体Terlipressinの半減期は6時間
・循環作動薬としてのバソプレシン
・通常の状態ではバソプレシンの血行動態に及ぼす影響は少ない。
・しかしアシドーシス下では
・カテコラミン・・・効力が低下
・バソプレシン・・・影響を受けない
→アシドーシスもしくはカテコラミン反応性が悪い時は
バソプレシンの効力が期待できる
・ショックの遷延や心停止では・・・
→細胞内に乳酸が蓄積
→ATP 依存性のK チャネルが開口。
→カテコラミンの刺激があってもCaが流入できなくなる。
→血管拡張,血圧低下
・一方バソプレシンは・・・
→直接的に血管平滑筋のATP 依存性のK チャネルを不活化,
→一酸化窒素や心房性ナトリウム利尿ペプチドにより
誘導されたcGMP の増加抑制、
誘導型一酸化窒素合成酵素の合成抑制など
→昇圧効果を発揮する.
・心停止に対するバソプレシンの適応
・3つのRCTと1つのメタアナリシス試験
→バソプレッシン(40単位 IV)とエピネフリン(1mg )とを
最初の血管収縮薬として心停止に用いた際の、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的結果)に差はない
・2つのRCT
→エピネフリンとバソプレシンを合わせて使った時と
エピネフリンのみを使った時を比べると、
結果(ROSC、生存退院率、神経学的所見)に差はない
・1つのRCT
→心停止にバソプレッシンを繰り返し使用しても、
エピネフリンを繰り返し使った場合と比べて、
生存率は改善しない
・心停止に対する用法
・2010 AHA Guideline for CPR and ECC
・バソプレシン静注/骨髄内投与:
→初回または 2回目のアドレナリン投与の代わりに
40単位を投与してもよい(ClassⅡb)
・Septic Shockに対する用法
・Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2013
→平均動脈圧の上昇やノルアドレナリンの減量の目的で、
ノルアドレナリンに加えてバソプレシン0.03単位/分を
投与しても良い(UG)。
・敗血症による血圧低下のある患者に最初に選択する昇圧剤として
低用量バソプレシンは推奨されない。
0.03-0.04単位/分以上のバソプレシンは
(他の昇圧剤で平均動脈圧が上昇しないなどの)
サルベージ治療として温存すべきである(UG)
・アナフィラキシーショックに対する用法
・通常はエピネフリン筋注0.3mg
・向精神薬ではボスミンが禁忌(?)、
βブロッカー内服者の場合、
ノルエピネフリン、グルカゴンが推奨
・カテコラミン不応性アナフィラキシーの場合
→バソプレシン10Uを繰り返し静注
→0.04U/minの静脈投与(MGH麻酔の手引より)
・出血性ショックに対する用法
・出血性ショックの場合
→輸液負荷のみと、輸液負荷+血管収縮薬を併用した場合
後者のほうが治療成績がいいという報告がある。
・バソプレシン併用療法が出血性ショックに対して
有効な正確なメカニズムは不明。
→バソプレシンによる血管収縮がwouded siteから
血液分布を移行させる?
→また枯渇した内因性バソプレシンを補充する?
・肝腎症候群に対して
・治療法としては肝移植以外にTerlipressin。
・1mg/4-6hr ivもし治療に反応なければ2mg/4-6hrまで増量可。
通常は5-15日間継続する。
・人間の情動や社会性にもバソプレシンが関連?
2015年6月3日水曜日
線溶系と抗線溶薬
麻酔科勉強会 担当:S先生
「線溶系と抗線溶薬」
・抗線溶薬
・TXA(トラネキサム酸)
・EACA(イプシロンアミンのカプロン酸)
・アプロチニン
・TXAとEACA
・共にリジン誘導体
・TXAは血中で分解されるとEACAに
・プラスミノゲンのリジン結合部位と結合
→プラスミノゲンのフィブリンへの吸着を阻止
→抗線溶作用を発揮
・アプロチニン
・セリンプロテアーゼ阻害薬
・プラスミン、カリクレイン、トリプシン、
キモトリプシンを効率よく阻害する。
・1987年、心臓外科手術の出血を減らすことが偶然発見された。
・現在は使用中止
・トラネキサム酸(TXA)
・全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
・局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
・湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における
紅斑・腫脹・掻痒
・咽喉頭炎・扁桃炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹
・口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ
・メラノサイト活性化因子「プラスミン」をブロック
→メラニン発生の要因のひとつ
→肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制
→肝斑を薄くする
・化粧品や歯磨き粉にも含有
・トラネキサム酸と外傷
・CRASH-2 trial
・40ヵ国274施設から重篤な出血あるいはそのリスクを有する
20211例の外傷患者
・トラネキサム酸投与群と非投与群で比較
・初回負荷量1gのトラネキサム酸を10分間で投与後、
更に1gを8時間かけて持続点滴
・主要評価項目は受傷後4週以内の院内死亡
・死亡原因を出血、血管閉塞(心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓)、
多臓器不全、頭部外傷、その他のカテゴリーで分けた。
→死亡リスクを有害事象の増加なく安全に低下させた。
→血管閉塞イベントによる死亡、イベントに有意差なし。
→輸血の必要性や輸血量に有意差なし
・トラネキサム酸と手術
・Systematic review and meta-analysis
・1972-2011の10488例の手術患者を含む129 trialsが対象。
→輸血リスクはTXA投与群は38%低下
(リスク比:0.62、95%信頼区間:0.58~0.65、P<0.001)
→血栓性イベント(心筋梗塞、脳卒中、PE)
Mortality TXA投与群は39%低下
・ただしadequate concealmentのtrialに限定すると有意差なし
・TXAと心臓外科手術
・Anesthe Analg.2012 Aug;115(2):239-43
・231人のOPCAB予定の患者をTXA群とプラセボ群に割付
・主要転記は術後 24 時間のチェスト・チューブ排液量、
また輸血、死亡率、重大な合併症、医療材料の使用量も評価
→ドレーン排液量、輸血量はTXA群で減少
→死亡率、合併症率、医療材料使用量は有意差なし。
・TXA使用時の注意点
→痙攣
・2004-2009年の心臓手術を施行した患者8929人について、
痙攣発作の危険因子を評価したstudy
→8,929例中119例(1.3%)で早期痙攣発作が発現し、
そのうち111例でTXAが投与。
・TXA総投与量100mg/kg以上は早期痙攣発作のリスク(OR 2.6)。
「線溶系と抗線溶薬」
・抗線溶薬
・TXA(トラネキサム酸)
・EACA(イプシロンアミンのカプロン酸)
・アプロチニン
・TXAとEACA
・共にリジン誘導体
・TXAは血中で分解されるとEACAに
・プラスミノゲンのリジン結合部位と結合
→プラスミノゲンのフィブリンへの吸着を阻止
→抗線溶作用を発揮
・アプロチニン
・セリンプロテアーゼ阻害薬
・プラスミン、カリクレイン、トリプシン、
キモトリプシンを効率よく阻害する。
・1987年、心臓外科手術の出血を減らすことが偶然発見された。
・現在は使用中止
・トラネキサム酸(TXA)
・全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
・局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
・湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における
紅斑・腫脹・掻痒
・咽喉頭炎・扁桃炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹
・口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ
・メラノサイト活性化因子「プラスミン」をブロック
→メラニン発生の要因のひとつ
→肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制
→肝斑を薄くする
・化粧品や歯磨き粉にも含有
・トラネキサム酸と外傷
・CRASH-2 trial
・40ヵ国274施設から重篤な出血あるいはそのリスクを有する
20211例の外傷患者
・トラネキサム酸投与群と非投与群で比較
・初回負荷量1gのトラネキサム酸を10分間で投与後、
更に1gを8時間かけて持続点滴
・主要評価項目は受傷後4週以内の院内死亡
・死亡原因を出血、血管閉塞(心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓)、
多臓器不全、頭部外傷、その他のカテゴリーで分けた。
→死亡リスクを有害事象の増加なく安全に低下させた。
→血管閉塞イベントによる死亡、イベントに有意差なし。
→輸血の必要性や輸血量に有意差なし
・トラネキサム酸と手術
・Systematic review and meta-analysis
・1972-2011の10488例の手術患者を含む129 trialsが対象。
→輸血リスクはTXA投与群は38%低下
(リスク比:0.62、95%信頼区間:0.58~0.65、P<0.001)
→血栓性イベント(心筋梗塞、脳卒中、PE)
Mortality TXA投与群は39%低下
・ただしadequate concealmentのtrialに限定すると有意差なし
・TXAと心臓外科手術
・Anesthe Analg.2012 Aug;115(2):239-43
・231人のOPCAB予定の患者をTXA群とプラセボ群に割付
・主要転記は術後 24 時間のチェスト・チューブ排液量、
また輸血、死亡率、重大な合併症、医療材料の使用量も評価
→ドレーン排液量、輸血量はTXA群で減少
→死亡率、合併症率、医療材料使用量は有意差なし。
・TXA使用時の注意点
→痙攣
・2004-2009年の心臓手術を施行した患者8929人について、
痙攣発作の危険因子を評価したstudy
→8,929例中119例(1.3%)で早期痙攣発作が発現し、
そのうち111例でTXAが投与。
・TXA総投与量100mg/kg以上は早期痙攣発作のリスク(OR 2.6)。
SEP・MEPモニタリング併用の大血管手術
周術期DVTとPE
麻酔科勉強会 担当:T先生
「周術期DVTとPE」
・JSA-PTE調査
→2002年から毎年1回、周術期PEについて
・2009-11、周術期PE発生率 25人/10万人
・周術期PE死亡率は約14%
・手術部位は開胸+開腹が多い。続いて股関節・四肢。
・年齢は高齢者が多い。
・病態について
・ウィルヒョウの三徴
→血流うっ滞、凝固能亢進、血管壁損傷
・DVTの3型
→腸骨型、大腿型、下腿型
・ヒラメ筋静脈血栓
・致死的PE剖検例の9割でヒラメ筋静脈に血栓あり
→血栓の性状が最も古かった
・孤立型ヒラメ筋静脈血栓が致死的PEをきたすのはきわめてまれ
・ヒラメ筋静脈の2割で中枢への進展あり
・ヒラメ筋静脈の特徴
・弁が小さく、少ない
・吻合部が狭窄している
→ヒラメ筋(抗重力筋)ポンプ作用が失われると、
一気に血流がうっ滞する (Ex.ベッドレスト)
・血栓が中枢側に進展した部位は血管壁への接着が弱い。
→血栓がちぎれやすい(フリーフロート血栓)
・ヒラメ筋静脈は下腿型DVTの発生源
・問診、症状、所見で異常なしかつd-dimer正常値
→急性期VTEは否定できる。
・いずれかが以上を示した場合は画像診断などが必要。
・d-dimerは様々な要因で高値となりうる。
・術中PE
・体位変換時や大腿部・骨盤手術操作時に多い
・血圧低下や頻脈
・EtCO2低下: 術中PEの8割
・SpO2低下: 術中PEの55%
・心エコー所見はmassiveなもので見られる
・右心系の拡張
・心室中隔扁平化
・TR
・肺動脈や右室内に血栓が見られることも
・DVTの治療
→抗凝固療法
・ヘパリン: APTT1.5-2.5倍延長 (Class I)
・ワーファリン: PT-INR 1.5-2.5、可逆的リスクで3ヵ月間 (IIb)
・低分子ヘパリンやXa阻害薬: 保険適応限られる
・孤立下腿型では症状軽度なら進展するまでは抗凝固不要
→2週間程度は画像フォロー (ACCP guideline)
・完全に血栓溶解するのは4%程度
→カテーテル治療 (IIb) と外科的血栓摘除 (IIb)
・元来健康で症状(腫脹や疼痛)強い症例
・カテーテル:ウロキナーゼによる血栓溶解や血栓吸引
・施設の実情により選択
→全身的血栓溶解療法
・本邦で適応が認められているウロキナーゼ用量は
欧米の数分の1
→カテーテル治療を選択すべき
→IVC フィルター
・抗凝固療法が行えない症例 (Class I)
・抗凝固療法にもかかわらず再発した症例 (I)
・骨盤内やIVCの血栓、近位部の大きな遊離血栓 (IIa)
・心肺予備能が低い症例 (IIa)
・急性PEを来したDVTの残存
・予防→リスク別に対策。
・低リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳未満の非大手術
→40歳未満の大手術
:整形外科、上肢手術
:産科、正常分娩
→早期離床と積極的な運動
・中リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳以上orDVTリスクある非大手術
→40歳以上orDVT危険因子ある大手術
:整形外科、脊椎手術、大腿骨遠位部以下の下肢手術
:産科、帝王切開
→弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法
・高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→40歳以上の癌の手術
:整形外科、股関節、骨盤、膝関節手術
下肢性腫瘍手術、DVTリスクある下肢手術
:産科、高度肥満の帝王切開、DVTリスクある経膣分娩
→間欠的空気圧迫法or抗凝固療法
・最高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→DVTリスクある大手術
:整形外科、DVTリスクある高リスク手術
:産科、DVTリスクある帝王切開
→抗凝固療法と間欠的空気圧迫法、弾性ストッキング併用
・弾性ストッキングの合併症
・皮膚炎や皮膚潰瘍
・腓骨神経麻痺
・コンパートメント症候群 (特に砕石位で多い)
・弾性ストッキングの禁忌
・動脈血行障害
・下肢の蜂窩織炎、血栓性静脈炎の急性期
・下肢の急性外傷、創傷
・末梢神経障害を伴う糖尿病
・重度のうっ血性心不全
・DVT急性期
・循環不全を伴うPE急性治療期
・間欠的空気圧迫法 (IPC)
・下腿大腿を30-60mmHg、30-60秒間隔で圧迫
・足底足関節を圧迫するvenous foot pumpもある
・下肢静脈叢を圧迫し静脈血流を促す
・凝固VIIa因子を低下させ、t-PAを上昇させる?
・合併症や禁忌は弾ストとほぼ同様
(ASOは大丈夫?)
・低用量未分画ヘパリン
・APTT延長しない程度
・HIT-IIに注意→週数回はCBCフォロー
・2500-5000単位×2-3回/日皮下注
・フォンダパリヌクス
・Xa阻害薬
・低分子量ヘパリンと予防効果同等
・まれにHIT-II生じる?
・2.5mg (腎障害あれば1.5mg)×1回/日皮下注
・術後は24時間空ける
・ワーファリン
・PT-INR 2.0-2.5 (高齢者1.5-2.0)
・その他経口抗凝固薬
・Xa阻害薬
・抗トロンビン薬
・ACCP guidelineから
・低分子量ヘパリンが治療の中心: 中リスク以上で使用
・ただし、出血リスク存在する間は抗凝固療法を行わない
・ヘパリンが使用できない場合、低用量アスピリン(120mg)で代用も
術後ICU申し送り風景
「周術期DVTとPE」
・JSA-PTE調査
→2002年から毎年1回、周術期PEについて
・2009-11、周術期PE発生率 25人/10万人
・周術期PE死亡率は約14%
・手術部位は開胸+開腹が多い。続いて股関節・四肢。
・年齢は高齢者が多い。
・病態について
・ウィルヒョウの三徴
→血流うっ滞、凝固能亢進、血管壁損傷
・DVTの3型
→腸骨型、大腿型、下腿型
・ヒラメ筋静脈血栓
・致死的PE剖検例の9割でヒラメ筋静脈に血栓あり
→血栓の性状が最も古かった
・孤立型ヒラメ筋静脈血栓が致死的PEをきたすのはきわめてまれ
・ヒラメ筋静脈の2割で中枢への進展あり
・ヒラメ筋静脈の特徴
・弁が小さく、少ない
・吻合部が狭窄している
→ヒラメ筋(抗重力筋)ポンプ作用が失われると、
一気に血流がうっ滞する (Ex.ベッドレスト)
・血栓が中枢側に進展した部位は血管壁への接着が弱い。
→血栓がちぎれやすい(フリーフロート血栓)
・ヒラメ筋静脈は下腿型DVTの発生源
・問診、症状、所見で異常なしかつd-dimer正常値
→急性期VTEは否定できる。
・いずれかが以上を示した場合は画像診断などが必要。
・d-dimerは様々な要因で高値となりうる。
・術中PE
・体位変換時や大腿部・骨盤手術操作時に多い
・血圧低下や頻脈
・EtCO2低下: 術中PEの8割
・SpO2低下: 術中PEの55%
・心エコー所見はmassiveなもので見られる
・右心系の拡張
・心室中隔扁平化
・TR
・肺動脈や右室内に血栓が見られることも
・DVTの治療
→抗凝固療法
・ヘパリン: APTT1.5-2.5倍延長 (Class I)
・ワーファリン: PT-INR 1.5-2.5、可逆的リスクで3ヵ月間 (IIb)
・低分子ヘパリンやXa阻害薬: 保険適応限られる
・孤立下腿型では症状軽度なら進展するまでは抗凝固不要
→2週間程度は画像フォロー (ACCP guideline)
・完全に血栓溶解するのは4%程度
→カテーテル治療 (IIb) と外科的血栓摘除 (IIb)
・元来健康で症状(腫脹や疼痛)強い症例
・カテーテル:ウロキナーゼによる血栓溶解や血栓吸引
・施設の実情により選択
→全身的血栓溶解療法
・本邦で適応が認められているウロキナーゼ用量は
欧米の数分の1
→カテーテル治療を選択すべき
→IVC フィルター
・抗凝固療法が行えない症例 (Class I)
・抗凝固療法にもかかわらず再発した症例 (I)
・骨盤内やIVCの血栓、近位部の大きな遊離血栓 (IIa)
・心肺予備能が低い症例 (IIa)
・急性PEを来したDVTの残存
・予防→リスク別に対策。
・低リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳未満の非大手術
→40歳未満の大手術
:整形外科、上肢手術
:産科、正常分娩
→早期離床と積極的な運動
・中リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→60歳以上orDVTリスクある非大手術
→40歳以上orDVT危険因子ある大手術
:整形外科、脊椎手術、大腿骨遠位部以下の下肢手術
:産科、帝王切開
→弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法
・高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→40歳以上の癌の手術
:整形外科、股関節、骨盤、膝関節手術
下肢性腫瘍手術、DVTリスクある下肢手術
:産科、高度肥満の帝王切開、DVTリスクある経膣分娩
→間欠的空気圧迫法or抗凝固療法
・最高リスク:一般外科、泌尿器科、婦人科
→DVTリスクある大手術
:整形外科、DVTリスクある高リスク手術
:産科、DVTリスクある帝王切開
→抗凝固療法と間欠的空気圧迫法、弾性ストッキング併用
・弾性ストッキングの合併症
・皮膚炎や皮膚潰瘍
・腓骨神経麻痺
・コンパートメント症候群 (特に砕石位で多い)
・弾性ストッキングの禁忌
・動脈血行障害
・下肢の蜂窩織炎、血栓性静脈炎の急性期
・下肢の急性外傷、創傷
・末梢神経障害を伴う糖尿病
・重度のうっ血性心不全
・DVT急性期
・循環不全を伴うPE急性治療期
・間欠的空気圧迫法 (IPC)
・下腿大腿を30-60mmHg、30-60秒間隔で圧迫
・足底足関節を圧迫するvenous foot pumpもある
・下肢静脈叢を圧迫し静脈血流を促す
・凝固VIIa因子を低下させ、t-PAを上昇させる?
・合併症や禁忌は弾ストとほぼ同様
(ASOは大丈夫?)
・低用量未分画ヘパリン
・APTT延長しない程度
・HIT-IIに注意→週数回はCBCフォロー
・2500-5000単位×2-3回/日皮下注
・フォンダパリヌクス
・Xa阻害薬
・低分子量ヘパリンと予防効果同等
・まれにHIT-II生じる?
・2.5mg (腎障害あれば1.5mg)×1回/日皮下注
・術後は24時間空ける
・ワーファリン
・PT-INR 2.0-2.5 (高齢者1.5-2.0)
・その他経口抗凝固薬
・Xa阻害薬
・抗トロンビン薬
・ACCP guidelineから
・低分子量ヘパリンが治療の中心: 中リスク以上で使用
・ただし、出血リスク存在する間は抗凝固療法を行わない
・ヘパリンが使用できない場合、低用量アスピリン(120mg)で代用も
術後ICU申し送り風景
2015年6月1日月曜日
生体肝移植の麻酔
麻酔科勉強会 担当:S先生
「生体肝移植の麻酔」
・生体肝移植の歴史
・1963年に世界初の肝移植
・1988年にブラジルで世界ではじめて生体肝移植実施
・本邦では1989年に開始。先天性胆道閉鎖症小児に対して。
・1994年に成人に対する生体肝移植が実施
・本邦での生体肝移植
・年間400-500例ほど実施
・小児:成人は1:3程度
・当院では平成17年から5年間で36例実施
・肝移植適応疾患
→肝移植の他に治療法がないすべての疾患
・以下の状態を除く
・制御不能の肝胆道系以外の感染症
・制御不能の肝胆道系以外の悪性疾患
・移植の妨げとなる多臓器疾患
(社会的理由;禁酒できないなど)
・生体肝移植ドナーの条件
・倫理的条件
→本人の自発的な意志に基づいて臓器の提供を希望される方
・レシピエントとの関係
→3親等以内の親族あるいは配偶者(京都大学基準)
・肉体的・精神的に健康
・ウイルス感染症(肝炎ウイルスやHTLV1など)がない
・肝機能が正常であること
・軽度脂肪肝であれば、改善後ドナーになれる
・レシピエントに提供できる部分肝(グラフト)の大きさが十分で、
かつドナーにも十分な大きさの肝臓が残ること
(グラフトの重量がレシピエント体重の0.6%以上あり、
かつドナーの肝臓の30%以上が残る)
・ABO式血液型は一致または適合が望ましい、
一致または適合しているドナーがいない場合、不適合でも実施
・生体肝移植ドナーのリスク
・リスクは短期的には良性腫瘍に対する肝葉切手術と同じ
・ドナーの死亡率は欧米で0.9%(4人)、米国で0.3%(3人)
本邦でも1人死亡、原因は肺塞栓?
・レシピエントの合併症
・出血
・血栓症 1-2%
・胆管合併症 15%
・感染症
・拒絶反応 30-60%
・原疾患の再発
・5年生存率は成人で約70〜80%、小児で約80〜85%
・末期肝不全の病態生理
・門脈圧亢進症
・高心拍出量状態
・腹水・胸水・浮腫
・低アルブミン血症、ナトリウム異常
・利尿薬の使用により、電解質異常
・肝肺症候群と門脈肺症候群
・凝固障害
・肝肺症候群
→肺内血管拡張に付随する酸素化の低下(Pao2<70 mmHg
あるいは空気呼吸下でPAO2~Pa02較差>20 mmHg)。
・実際この症候群の顕著な特徴の1つは肺内シャント。
・肝肺症候群患者は,起立性低酸素症を起こす。
→肝移植後に治癒
・門脈肺症候群
→門脈圧克進を伴う肺高血圧症
・急速に進行し重症では周術期の合併症と死亡率が高くなる。
→肝移植に治癒するとは限らない。悪化することも。
・凝固障害
・凝固因子(Ⅱ、Ⅴ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)、
抗凝固因子(プロテインC,S、アンチトロンビン)の減少
・脾機能亢進の結果として血小板減少、質的血小板機能不全、
線維素溶解系の以上
・肝移植の手術
・剥離期、無肝期、再灌流期
・肝移植麻酔の準備
・肺動脈カテーテル、中心静脈カテーテルなど
・RBC 10U、FFP 10U、PC 10U以上の輸血準備。
・適応に応じてセルセーバ、急速輸血器など。
・肝移植麻酔
・重度の腹水、胃内容停滞時間の延長
→フルストマック扱い、迅速導入がしばしば必要。
・導入は静脈麻酔薬。
・ハロタン以外の全ての揮発性吸入麻酔薬は使用可能。
・モニタリングを行えば全ての非脱分極性筋弛緩薬は使用可能。
・オピオイドも禁忌なし。
・剥離期の麻酔
・術操作による静脈還流の阻害、腹水の吸引
→低血圧の原因となる。
→膠質液を中心とした十分な輸液が必要となる。
・無肝期の麻酔
・下大静脈クランプによる血行動態の変化
・アシドーシスと低Ca血症
・輸液過剰に注意
・再灌流期の麻酔
・クランプ解除時(特に門脈のクランプ解除後)に
重大な血行動態の変化が起こりうる。
→Post Reperfusion syndrome
・心臓の収縮力低下、不整脈、高度の徐脈、低血圧、
高カリウム血症、代謝性アシドーシス
・デクランプ前に電解質、酸塩基平衡、循環血液量の補正。
・デクランプ前にCaの投与、過換気
・Post Reperfusion syndrome
→カテコラミン、メイロン、グルコン酸カルシウム、GI療法
・高血糖
・吻合部、切断面からの出血
・当院での生体肝移植麻酔振り返り。

ロボット支援下膀胱全摘・回腸導管造設術
「生体肝移植の麻酔」
・生体肝移植の歴史
・1963年に世界初の肝移植
・1988年にブラジルで世界ではじめて生体肝移植実施
・本邦では1989年に開始。先天性胆道閉鎖症小児に対して。
・1994年に成人に対する生体肝移植が実施
・本邦での生体肝移植
・年間400-500例ほど実施
・小児:成人は1:3程度
・当院では平成17年から5年間で36例実施
・肝移植適応疾患
→肝移植の他に治療法がないすべての疾患
・以下の状態を除く
・制御不能の肝胆道系以外の感染症
・制御不能の肝胆道系以外の悪性疾患
・移植の妨げとなる多臓器疾患
(社会的理由;禁酒できないなど)
・生体肝移植ドナーの条件
・倫理的条件
→本人の自発的な意志に基づいて臓器の提供を希望される方
・レシピエントとの関係
→3親等以内の親族あるいは配偶者(京都大学基準)
・肉体的・精神的に健康
・ウイルス感染症(肝炎ウイルスやHTLV1など)がない
・肝機能が正常であること
・軽度脂肪肝であれば、改善後ドナーになれる
・レシピエントに提供できる部分肝(グラフト)の大きさが十分で、
かつドナーにも十分な大きさの肝臓が残ること
(グラフトの重量がレシピエント体重の0.6%以上あり、
かつドナーの肝臓の30%以上が残る)
・ABO式血液型は一致または適合が望ましい、
一致または適合しているドナーがいない場合、不適合でも実施
・生体肝移植ドナーのリスク
・リスクは短期的には良性腫瘍に対する肝葉切手術と同じ
・ドナーの死亡率は欧米で0.9%(4人)、米国で0.3%(3人)
本邦でも1人死亡、原因は肺塞栓?
・レシピエントの合併症
・出血
・血栓症 1-2%
・胆管合併症 15%
・感染症
・拒絶反応 30-60%
・原疾患の再発
・5年生存率は成人で約70〜80%、小児で約80〜85%
・末期肝不全の病態生理
・門脈圧亢進症
・高心拍出量状態
・腹水・胸水・浮腫
・低アルブミン血症、ナトリウム異常
・利尿薬の使用により、電解質異常
・肝肺症候群と門脈肺症候群
・凝固障害
・肝肺症候群
→肺内血管拡張に付随する酸素化の低下(Pao2<70 mmHg
あるいは空気呼吸下でPAO2~Pa02較差>20 mmHg)。
・実際この症候群の顕著な特徴の1つは肺内シャント。
・肝肺症候群患者は,起立性低酸素症を起こす。
→肝移植後に治癒
・門脈肺症候群
→門脈圧克進を伴う肺高血圧症
・急速に進行し重症では周術期の合併症と死亡率が高くなる。
→肝移植に治癒するとは限らない。悪化することも。
・凝固障害
・凝固因子(Ⅱ、Ⅴ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)、
抗凝固因子(プロテインC,S、アンチトロンビン)の減少
・脾機能亢進の結果として血小板減少、質的血小板機能不全、
線維素溶解系の以上
・肝移植の手術
・剥離期、無肝期、再灌流期
・肝移植麻酔の準備
・肺動脈カテーテル、中心静脈カテーテルなど
・RBC 10U、FFP 10U、PC 10U以上の輸血準備。
・適応に応じてセルセーバ、急速輸血器など。
・肝移植麻酔
・重度の腹水、胃内容停滞時間の延長
→フルストマック扱い、迅速導入がしばしば必要。
・導入は静脈麻酔薬。
・ハロタン以外の全ての揮発性吸入麻酔薬は使用可能。
・モニタリングを行えば全ての非脱分極性筋弛緩薬は使用可能。
・オピオイドも禁忌なし。
・剥離期の麻酔
・術操作による静脈還流の阻害、腹水の吸引
→低血圧の原因となる。
→膠質液を中心とした十分な輸液が必要となる。
・無肝期の麻酔
・下大静脈クランプによる血行動態の変化
・アシドーシスと低Ca血症
・輸液過剰に注意
・再灌流期の麻酔
・クランプ解除時(特に門脈のクランプ解除後)に
重大な血行動態の変化が起こりうる。
→Post Reperfusion syndrome
・心臓の収縮力低下、不整脈、高度の徐脈、低血圧、
高カリウム血症、代謝性アシドーシス
・デクランプ前に電解質、酸塩基平衡、循環血液量の補正。
・デクランプ前にCaの投与、過換気
・Post Reperfusion syndrome
→カテコラミン、メイロン、グルコン酸カルシウム、GI療法
・高血糖
・吻合部、切断面からの出血
・当院での生体肝移植麻酔振り返り。

ロボット支援下膀胱全摘・回腸導管造設術
登録:
投稿 (Atom)


