2012年3月30日金曜日

心外とhANPと中央市民の3年間


麻酔科勉強会  担当:K先生


「心臓外科手術とhANP」

・術前よりCreが高かった症例のCABG
   →hANP投与群でPOD3,4,7でのCreは有意に低値。
         (Gen Thorac Caardiovasc Surg 2012 jan)
・腎機能障害のないCABG
   →hANP投与群と非投与群の間で死亡率、RRT導入に有意差なし。
   →Cre、CCrはhANP投与群でよかった。
   →低用量hANPはCABGにおいて腎機能障害を防ぎうる可能性。
         (Journal of American College of Cardiology 2009)
・hANPレニン、アルドステロン、アンジオテンシンを抑制する。
     →RAS系を抑制する。
・メタ解析(Critical Care 2011)
   →ANP、BNPのAKIに対する予防効果を研究した15のRCT対象。
    →ANP、BNP:尿量増加、CCr増加、GFR増加。
   →利尿薬使用は減少、Creも低値、ICU stay、入院期間も減少。
   →ANPはCreピーク値を抑制、不整脈も抑制、RRT導入が減少。
   →ANP、BNPは腎保護するかもしれない。


「中央市民病院での後期研修3年間」

・改めて自己紹介。
・好きな言葉「人は悲しいから泣くのではなく泣くから悲しい。」
・なぜ麻酔科医になったのか。

・3年間で印象深かったこと。
  ・エロモナスで大量喀血、血の海の中での挿管。
  ・出血素因のある患者さんの生体肝移植、出血45,000ml。
   →RCC 98単位、FFR 56単位、PC 50単位、アルブミン96本。
   →術後患者さんは元気にされてました。
   →翌日、三宮で献血の勧誘を見て心が痛んだ。
  ・トリーチャーコリンズの抜管でCICV→気切。
  ・深夜にやってきた電撃性紫斑。
  ・99歳の緊急手術、プロポフォール2mlで導入したら血圧40台に。。。
  ・多発外傷にはFDL。安心のルート。
  ・迫りくる緊急手術の山。
  ・デュラパンはしませんでした。







2012年3月29日木曜日

AS、AVR、TAVI


麻酔科勉強会 担当:H先生


「AS、AVR、TAVI」

・ASの治療・・・手術、クスリ、バルン拡張
  ・手術:単独ASなら自覚症状が出現した場合
  ・クスリ:スタチンで弁口面積の減少度を抑制させる可能性。
         →炎症を抑制するから?
  ・バルン拡張:合併症も多い。
・ASは無症候性でも進行性。
・自覚症状が出現した時は、すでに代償が破たんしている。
・手術の判断は?
  →自覚症状が出現した時がタイミング。
  →無症候性ならば保存的に。
      →無症候性なら突然死が少ないから。(0.8%/年)
      →生存率も悪くないから。(AR合併などは除く)
・AVRについて
  ・入院死亡率2.84%、比較的安全な心臓手術。
  ・高齢者に多く、合併症や全身状態によっては適応外になることも。
      →severe ASの3-5割は保存的に診られているという報告も。
・無症候性severe AS
  →5年間無事に経過できるのはわずか25%。
  →無症候性severe ASも手術した方がいいのでは???
・TAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation)について。
・順行性にカテ入れる方法と逆行性に入れる方法、後者が多い。
・逆行性挿入(大腿動脈から入れる方法)の禁忌は?
  →上行、弓部、腸骨動脈の石灰化病変きつめ、AFバイパス後など。
・心尖部アプローチ
  →禁忌は心膜石灰化例、左室形成後など。
・PARTNER trial(NEJM 2010)
  ・AVRの適応がない人たち。TAVI vs 何もしない群の比較。
     →TAVI群で30日以内の脳卒中、大動脈解離が多い。
     →1年時では全死亡率下がった。
     →NYHA3-4の心不全も少なくなった。
     →再入院割合も減った。
   ・AVRの適応がある人たち。TAVI vs AVRの比較。
     →30日以内の心血管イベントの発生はTAVIが多い。
     →解離、冠動脈閉塞、AVブロックなど。
     →ちなみにAVR群の合併症は出血、Afなど。
     →1年時では全死、中枢神経合併症に両者有意差なし。
・結局TAVIの適応は?
  →手術のリスク高い人
   →80歳以上の高齢者
  →合併症あり、Euro score 20点以上の人。
・60歳くらいの人なら、本人がTAVI希望でもAVRが好ましい。




2012年3月28日水曜日

フィードバックカンファレンス

フィードバックカンファレンス  担当:A先生

「症例ふりかえり」

・整形外科の腹臥位手術
   →tubeが抜けないように厳重に固定
   →抜管時にテープを剥がしたところ、表皮剥離を起こした。 
     ・テープリムーバーを使用する。
     ・愛護的に剥がす、など

・肝臓切除、術中突如血圧300台に。
   →副腎表面からの止血にラジオ波を使っていた。
   →熱が副腎深部に届いて内因性カテコラミンが放出されたため。
   →表層はバイポーラーで焼いた方が。

・特に既往のない30代女性の婦人科手術
   →手術開始時の血ガスで低カリウム。
   →術中補充。
    →さらに低カリ進行。
    →多型性PVC多発。
   →RonTからVFに。CPR、蘇生。
   →急速に進行した低カリの原因は不明。
   ・「術中心停止について」
     ・全ての原因:0.058%、麻酔が原因:0.0038%
     ・MI、coronary系トラブル 6.8%、不整脈 7.2%、PE 1.6%
     ・麻酔が原因のもの
        →気道系(換気、CICV)、クスリ、循環血液量不足、CV合併症。

・指輪が抜けなかった患者さん。
   ・指輪をはめて手術すると・・・
     →火傷のリスク、術後の浮腫で指が壊死するリスク。
   ・ひもを使った指輪の外し方。

・イソゾール静脈炎疑い
   →イソゾール導入後、点滴ラインに沿って発赤。
    →キシロカイン、ステロイド使用、軽快。

・呼吸器外科の手術
   →術前診断では腫瘍。
    →実は膿瘍。
    →喀痰でガフキー(+)。
   ・麻酔科医は挿管時など喀痰暴露の可能性。しっかり予防を。



2012年3月26日月曜日

von Recklinghausen病と血管病変

ICU勉強会 担当:S先生

「ICUカンファレンス」

・POD7での急激なCK上昇、高体温。
   →悪性高熱?横紋筋融解ならどこ?腸管?
・SMA出血→ACS→AKI→高カリ
・歯科治療→深部頸膿瘍→縦隔炎→膿胸→ope→麻酔導入後CPA→蘇生


「von Recklinghausen病と血胸」

・von Recklinghausen病
  →神経線維腫症(NF)1型
  →常染色体優性遺伝
  →17番染色体長椀の欠損により生じる。
  →頻度は1/3000くらい。
  →骨、眼、神経、皮膚病変(神経線維腫、カフェオレ班)
・von Recklinghausen病の血管病変
  →1-3%。
  →自然血胸は世界で38例の報告(うち本邦26例)
       →たまたま日本に多い?日本の発表が多い?
       →ちなみに当院では2例。
  →肋間動脈>鎖骨下動脈>内胸動脈>その他
  →血管の起始部~近位からの出血が多い。
・なぜ血管病変?
  →血管壁の脆弱性
  →線維腫が血管の栄養血管を圧迫している
  →紡錘形細胞の内膜内増殖
  →腫瘍の直接圧迫、など。
・素朴な疑問
  →神経、皮膚は外胚葉由来(NF1の病変主座)
  →血管は中胚葉由来のはず。
   →なぜ中胚葉由来の血管にNF1の病変が生じるのか???
・「三胚葉説」はもはや古い?
  →神経系と中胚葉組織は共通の「体軸幹細胞」から分化する。
                 ( Nature. 2011 Feb 17;470(7334):394-398)
  →Sox2遺伝子のON/OFFとかなんとか。
・治療は?
  →保存的治療の報告では2/9しか生存例がない。
  →IVR?
・予後は?
  →再破裂が多く、予後不良。
  →コイリングや塞栓など治療処置により出血する可能性も。



      麻酔科医ワーキングスペース

2012年3月23日金曜日

漢方とエビデンス

初期研修医勉強会 担当:T先生

「漢方とエビデンス」

・陰陽五行
・五臓
・東洋学的な診察
  →切診、腹診、舌診
  →虚実、気、血、水の状態を判断、使う薬の判断。
・一発で症状に対応する薬もある。
  ・若い女性:当帰芍薬散
  ・二日酔:五苓散
  ・夏バテ:清暑益気湯
  ・足のつり:芍薬甘草湯、など。
・飲み方は食前が基本
・名前によって、飲み方が変わる。
  ・○○湯:湯に溶かす。
  ・○○丸:そのまま。
  ・○○散:そのまま、または水に溶かして
  ・○○膏:塗る。
・漢方薬の副作用
  →甘草は高血圧に注意。小柴胡湯の間質性肺炎は有名。
・急性期に使える漢方薬もある。
・慢性期の漢方薬は体質改善に効果あり。
  →しかし専門知識が必要、その奥には怪しげな世界も。
・証、気血水から漢方薬を判断するのは難しい。
  →ならば病名から漢方薬をチョイスできないか?

「ブレイク」
・自作PCの楽しみ。
・6枚スクリーン使ってます。
・メモリー16G、ネトゲがサクサクできます。
・将来の夢はMac天国を作り上げることです。

・大建中湯
  →虚で腹中に寒、蠕動亢進して痛む場合に。
  →治療効果に関する研究結果は出ている。
  →予防は効果は?
  →何にしろnが少ない。。。。
・半夏厚朴湯
  →咳反射を改善、誤嚥を減らす可能性。
  →認知機能障害がある高齢者の肺炎、肺炎関連死を減少させた。
・脳浮腫には五苓散。
・MRSA感染症には補中益気湯。
・褥瘡形成には十全大補湯
・褥瘡感染には排膿散及湯。
・怒りっぽい不安には抑肝散などなど。
・いろいろ本もあります。
・成分が雑多に入りすぎていて、アメリカではやめておこうという話になったらしい。




2012年3月21日水曜日

Echocardiography

麻酔の問題集  担当:H先生

「Echocardiography」


問題1:前負荷の指標となるものは?・・・CVP、PCWP、TEE、SvO2、尿量
  ・CVPはいろいろなパラメーターの影響を受ける。
  ・尿量は前負荷が減っても保たれることが多い。
  ・TEEによる左室拡張末期容積計測→前負荷の指標

問題2:心筋虚血の計測
  ・心筋虚血が起こると?
  ・Perfusion defect→拡張障害→局所壁運動異常→ECG変化→胸痛
  ・TEEにより拡張障害、局所壁運動異常がチェックできる。
  ・ECG変化までには数時間を要することも。

問題3:TEEでの胸部食道上行大動脈短軸像が有効な病態
  ・PE、上行解離、肺血流評価、ガンツの位置など。

「ブレイク」
  ・TEE講習会@東京に参加してきました。
  ・思ったより会場がゴージャスだった。
  ・エコーの原理はやっぱり難しい。
  ・基本的な内容が多く、初学者にはありがたかった。
  ・異常に見える正常構造物は、実物画像を見れてよかった。
  ・LVADが熱い。
  ・3Dには結構な時間を割いていた。やっぱりMRが多い。
  ・スライドと配布資料がバラバラでわかりにくかった講義も。
  ・そもそもわからせる気のなさそうな先生の講義も。

問題4:左室収縮機能評価
  ・左室収縮能は前負荷、後負荷、心収縮力の影響を受ける。
  ・局所壁運動より収縮期壁肥厚に注目。
      →局所壁運動はブロック、Pacing、テザリングなどの影響を受ける。
  ・見た目のEFで大まかな判断。
  ・MRがあると過大評価、ASがあると過小評価。

問題5:ベルヌーイの公式
  ・CVPとTRjetの速度から収縮期肺動脈圧を計算する問題。



  研修医の先生。ファイバー挿管を経験しました。

oncologic emergency

ICU勉強会 担当:U先生

「ICUカンファレンス」

・耳鼻咽喉科&形成外科のロング手術後の患者さん
・泌尿器&呼吸器&耳鼻咽喉科のロング手術後の患者さん
・小児科の入室が最近多い。
・腹水貯留→ACS→AKI→高K

「oncologic emergency」

・定義:癌の治療経過中の生命を脅かすイベント
  →転移に伴う症状、治療の細胞毒性など。
  →わりと定義は広い。
・チェックすべきこと
  ・癌の種類、stage、予後
  ・現在の治療は?
     →根治を目指す?対症療法?緩和?
・癌救急、どんな疾患がある?
  ・突然死
  ・心タンポナーデ、PE
  ・失神
  ・SVC syndrome
  ・呼吸状態の悪化
  ・Tumore Lysis syndrome
  ・ケモが漏れた
  ・Cytokine release syndrome
・突然死の原因は?
  ・心膜、心筋メタ、伝導障害
      →メラノーマ、bronchogenic carcinomaなど。
      →非感染性血栓性心内膜炎
  ・放射線治療後の心外膜炎
  ・Chemoによる心筋障害
・PE:手術で頻度が上がる。
  →ヘパリンワンショットはOK。
  →持続は原疾患の診断がつくまでちょっと待つ必要も。
・呼吸:ARDSなど。




     OBの先生が訪ねてきてくれました。