初期研修医勉強会 担当:Y先生
「周術期の輸血」
・もともと貧血がある
・出血した
・術後、貧血が進行
→周術期に輸血を考慮することは少なくない。
・同種輸血の合併症
・ABO型あるいは不規則抗体の不適合輸血
・遅発性溶血性副作用
・発熱
・蕁麻疹
・GVHD
・感染症
・TRALI
・TACO
・輸血合併症は減少傾向にある。
・種々のスクリーニング検査の導入と精度向上
・赤血球保存期間の短縮
・放射線照射を含む白血球除去等
・とりわけFNHTRやPT-GVHDは大きく減少している。
・輸血に関わる有名なStudy
・TRICC trial
・ICU入室後、72時間以内にHb<9g/dLとなったPt
・制限輸血(Hb<7g/dL, 7-9g/dLを目標)
vs 非制限輸血(Hb<10g/dL, 10-12g/dLを目標)
・アウトカム(死亡率、臓器障害、病院滞在日数)に差はなかった。
・心血管イベント、心筋梗塞、肺水種の発生率は
非制限輸血群で有意に高かった。
・FUCUS trial
・心血管疾患のリスクあるいは既往のあるPtでTHA
・術後3日目までの段階で
制限輸血(Hb<8g/dL)vs非制限輸血(Hb<10g/dL)
・死亡率に有意差なし。
・制限輸血群 vs 非制限輸血群を比較したmeta-analysis
・RCT21study8,735例
・重篤な感染症発生率は11.8%vs16.9%(RR 0.82,95%CI:0.72-0.95)
・制限輸血群は非制限輸血群に対し非劣勢という理解のもとに、
・NICE:Hb<7g/dLで輸血を考慮するよう提唱(目標はHb 7-9g/dL)
・TITRe2 study
・心外術後における制限輸血(Hb<7.5g/dL)vs非制限輸血(Hb<9g/dL)
・3か月以内の重症感染症、虚血性イベントで比較
・死亡率は制限輸血群のほうが多かった。
・ASAのガイドラインでは?
術前に…
①patient blood management protocolに則る
・Society for the Advancement of Blood Managementが提唱
・EBMや手術方針とすり合わせ
・輸血を減らしながら患者のアウトカムを改善しようという考え。
・術前に貧血を是正しておく。
・貧血の原因は?
・鉄材内服、rEPO使用など
・貧血で妨げられる酸素化を克服する。
・心機能評価
・COを調節する
・酸素化や呼吸器設定を調節
・酸素需要を下げる・・・
・PBM自体が非劣性であることが示された研究もある。
・独4大学病院でPBM導入
・RBC投与量/1人が減少し有害事象全体の発生率が不変。
・AKIについてはPBMで減少。
②抗凝固薬の拮抗を用意する
③失血を防ぐため止血剤を考慮する
④希釈性自己血輸血を考慮する
・A&Aに論文があったので紹介。
2017年12月20日水曜日
平成30年度麻酔科専攻医 二次登録について
12/16より、来年度専攻医の二次登録期間が始まりました。
専門医機構の配慮により、本プログラムの採用定員が5名→6名と、1名増員となりました。神戸市立医療センター中央市民病院での麻酔科専攻医採用枠は5名で確定しております。従いまして、増員分は連携病院での研修スタートが条件となりますので、ご注意ください。詳しくはプログラム責任者にお問い合わせください。
プログラム責任者 麻酔科部長・美馬裕之
hmima■kcho.jp (■を@に変換してご送信ください)
専門医機構の配慮により、本プログラムの採用定員が5名→6名と、1名増員となりました。神戸市立医療センター中央市民病院での麻酔科専攻医採用枠は5名で確定しております。従いまして、増員分は連携病院での研修スタートが条件となりますので、ご注意ください。詳しくはプログラム責任者にお問い合わせください。
プログラム責任者 麻酔科部長・美馬裕之
hmima■kcho.jp (■を@に変換してご送信ください)
2017年11月17日金曜日
シバリング治療とガイドライン
麻酔科勉強会 担当:K先生
「シバリング治療とガイドライン」
・シバリングとは?
・骨格筋の不随意で小刻みな収縮
・末梢温が中枢温よりも極端に低い時に発生。
→必ずしも中枢温が低くはない。
・体温調節性シバリングと非体温調節性シバリングがある。
・シバリングが起こる原因
・体温低下
・手術による炎症性サイトカイン分泌
→体温セットポイントの上昇
・疼痛
・麻酔中の体温低下の原因
・第1相
・麻酔導入による熱の再分布
・麻酔導入前は末梢血管が収縮している状態。
→中枢‐末梢温度較差が存在。
→麻酔導入による血管拡張で熱の再分布が起こる。
→中枢温が低下する。
・第2相
・熱喪失>熱産生
・第3相
・プラトー期
・低体温により体温調節性血管収縮が起こる。
・視床下部による体温調節
・脳、脊髄、深部組織、皮膚などの温度入力
→視床下部前部で統合処理され体温調節機構が働く。
・体温調節性シバリング
・持続緊張性で筋電図では4~8サイクル/分の漸増漸減パターン
・全身麻酔中では体温が低下するが、
麻酔薬によりシバリング閾値も低下するためシバリングは生じない。
・麻酔から覚醒するときにシバリング閾値が元に戻り、
低下した中枢温を上回るときにシバリングが起こる。
・手術侵襲や感染などの体温のセットポイント上昇でも
シバリング閾値が上昇しシバリングが発生する。
・非体温調節性シバリング
・5~7Hzの連射的な筋電図パターン
・呼気中のイソフルラン濃度が0.2~0.4%程度の低濃度で出現。
・病的クローヌスと同様のパターン。
・皮膚末梢温の低下は見られない。
・オピオイドやNSAIDsといった鎮痛薬で改善する。
・疼痛に関係する?
・シバリングを起こすリスク
・低体温
・レミフェンタニルの使用(μオピオイドによるシバリング抑制)
・手術侵襲(体温調節中枢のセットポイント上昇)
・シバリングの問題点
・酸素消費量の増加(2~4倍)
・主要臓器への酸素不足→心筋梗塞、脳梗塞、創傷治癒遅延
・二酸化炭素の発生
・呼吸不全患者で危険増加
・頭蓋内圧、眼圧、胸腔内圧、腹腔内圧の上昇
・皮膚緊張による創傷の増強
・末梢の血流障害と代謝性アシドーシス
・不快感
・シバリングの予防法
①熱の喪失の抑制
・放射を防ぐために室温を上げて
温風加温システムで保温、加温する。
・輸液を保温庫で温め輸液加温システムで輸液をさらに加温。
②熱再分布の抑制
・導入前加温、導入前の血管拡張薬、麻酔前投薬、血管収縮薬
③熱産生
・アミノ酸輸液
④鎮痛
・シバリングの治療
・加温
・薬物療法
・メペリジン
・α2受容体作動薬
・ケタミン
・マグネシウム
・5-HT3阻害薬
・NSAIDs
Choi KE, Park B, Moheet AM, Rosen A, Lahiri S, Rosengart A.Systematic Quality Assessment of Published Antishivering Protocols.Anesth Analg. 2017;124:1539-1546. doi: 10.1213/ANE.0000000000001571.
によると・・・
・個々の薬物、理学的治療の有効性は確立されているが
組み合わせた研究は少ない。
・近年のRCTメタアナリシスではクロニジン、メペリジン、
トラマドール、ネホパム、ケタミンはRR 1.6~2.2、NNT 2~4で
最適な薬剤であると確認されている。
・積極的な皮膚の加温もシバリング対策に好ましい。
・現実的に可能なシバリング対策としては・・・
・加温
・酸素投与
・アセリオ、ロピオンetc.
・オピオイド
・プレセデックス
・マグネシウム
・メペリジン(痙攣のリスク)
・
・明日からできるシバリング対策
・加温(温風式加温装置、輸液の加温。できれば導入前も)
・部屋の室温も上げる
・マグネシウム含有の輸液
・十分な鎮痛
・NSAIDs、アセトアミノフェンで体温のセットポイント上昇を抑制
・シバリングが起きた場合はオピオイド、マグネシウム、
ケタミンを考慮する。
「シバリング治療とガイドライン」
・シバリングとは?
・骨格筋の不随意で小刻みな収縮
・末梢温が中枢温よりも極端に低い時に発生。
→必ずしも中枢温が低くはない。
・体温調節性シバリングと非体温調節性シバリングがある。
・シバリングが起こる原因
・体温低下
・手術による炎症性サイトカイン分泌
→体温セットポイントの上昇
・疼痛
・麻酔中の体温低下の原因
・第1相
・麻酔導入による熱の再分布
・麻酔導入前は末梢血管が収縮している状態。
→中枢‐末梢温度較差が存在。
→麻酔導入による血管拡張で熱の再分布が起こる。
→中枢温が低下する。
・第2相
・熱喪失>熱産生
・第3相
・プラトー期
・低体温により体温調節性血管収縮が起こる。
・視床下部による体温調節
・脳、脊髄、深部組織、皮膚などの温度入力
→視床下部前部で統合処理され体温調節機構が働く。
・体温調節性シバリング
・持続緊張性で筋電図では4~8サイクル/分の漸増漸減パターン
・全身麻酔中では体温が低下するが、
麻酔薬によりシバリング閾値も低下するためシバリングは生じない。
・麻酔から覚醒するときにシバリング閾値が元に戻り、
低下した中枢温を上回るときにシバリングが起こる。
・手術侵襲や感染などの体温のセットポイント上昇でも
シバリング閾値が上昇しシバリングが発生する。
・非体温調節性シバリング
・5~7Hzの連射的な筋電図パターン
・呼気中のイソフルラン濃度が0.2~0.4%程度の低濃度で出現。
・病的クローヌスと同様のパターン。
・皮膚末梢温の低下は見られない。
・オピオイドやNSAIDsといった鎮痛薬で改善する。
・疼痛に関係する?
・シバリングを起こすリスク
・低体温
・レミフェンタニルの使用(μオピオイドによるシバリング抑制)
・手術侵襲(体温調節中枢のセットポイント上昇)
・シバリングの問題点
・酸素消費量の増加(2~4倍)
・主要臓器への酸素不足→心筋梗塞、脳梗塞、創傷治癒遅延
・二酸化炭素の発生
・呼吸不全患者で危険増加
・頭蓋内圧、眼圧、胸腔内圧、腹腔内圧の上昇
・皮膚緊張による創傷の増強
・末梢の血流障害と代謝性アシドーシス
・不快感
・シバリングの予防法
①熱の喪失の抑制
・放射を防ぐために室温を上げて
温風加温システムで保温、加温する。
・輸液を保温庫で温め輸液加温システムで輸液をさらに加温。
②熱再分布の抑制
・導入前加温、導入前の血管拡張薬、麻酔前投薬、血管収縮薬
③熱産生
・アミノ酸輸液
④鎮痛
・シバリングの治療
・加温
・薬物療法
・メペリジン
・α2受容体作動薬
・ケタミン
・マグネシウム
・5-HT3阻害薬
・NSAIDs
Choi KE, Park B, Moheet AM, Rosen A, Lahiri S, Rosengart A.Systematic Quality Assessment of Published Antishivering Protocols.Anesth Analg. 2017;124:1539-1546. doi: 10.1213/ANE.0000000000001571.
によると・・・
・個々の薬物、理学的治療の有効性は確立されているが
組み合わせた研究は少ない。
・近年のRCTメタアナリシスではクロニジン、メペリジン、
トラマドール、ネホパム、ケタミンはRR 1.6~2.2、NNT 2~4で
最適な薬剤であると確認されている。
・積極的な皮膚の加温もシバリング対策に好ましい。
・現実的に可能なシバリング対策としては・・・
・加温
・酸素投与
・アセリオ、ロピオンetc.
・オピオイド
・プレセデックス
・マグネシウム
・メペリジン(痙攣のリスク)
・
・明日からできるシバリング対策
・加温(温風式加温装置、輸液の加温。できれば導入前も)
・部屋の室温も上げる
・マグネシウム含有の輸液
・十分な鎮痛
・NSAIDs、アセトアミノフェンで体温のセットポイント上昇を抑制
・シバリングが起きた場合はオピオイド、マグネシウム、
ケタミンを考慮する。
2017年11月16日木曜日
脳神経外科手術の麻酔
麻酔科勉強会 担当:E先生
「脳神経外科手術の麻酔」
・脳血流量について
・脳血流量(CBF)=脳還流圧/脳血管抵抗
・脳還流圧(CPP)=平均血圧(MAP)-頭蓋内圧(ICP)
→MAP 50-100mmHgの範囲では自動調整される。
・脳血流量の平均は50ml/min
・ →血圧、代謝要求量、PaCO2、PaO2、
血液粘度、神経性調節に影響を受ける。
・脳虚血、外傷、低酸素症、高CO2血症、浮腫、
腫瘤による圧迫、揮発性麻酔薬、・・・
←自動調節能を抑制
→患部の血流は平均動脈圧に依存してしまう。
・動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)について
・20-80mmHgでは直線的に脳血流量が増加
・過換気は脳虚血の危険
→normocapnia(PaCO2=30-35mmHg)
・EtCO2でなく、PaCO2で評価
・動脈血酸素分圧(PaO2)について
・低酸素症により脳血管は拡張(酸素供給を代償する)
・PaO2=60-300mmHg
・脳酸素代謝率(CMRO2)について
・脳組織の酸素消費
・体温低下1℃に対してCMRO27%低下
・麻酔薬(↓)、体温(↑)、痙攣(↑)、疼痛(↑)
・頭蓋内圧(ICP)について
・正常値:5-15mmHg
・ICP上昇
→脳灌流圧が低下
→脳ヘルニアや神経学的合併症を引き起こす
・臨床的徴候
→頭痛、悪心、嘔吐、視力障害、うっ血乳頭、意識障害
・重篤な場合はCushingの3徴(高血圧、徐脈、不規則呼吸)
・生理学的に調節すべきもの
①脳血流量(CBF→MAP 50-150mmHg
②動脈血二酸化炭素分圧→PaCO2 30-35mmHg
③動脈血酸素分圧(PaO2)→PaO2 60-300mmHg
④脳酸素代謝率(CMRO2)→体温、疼痛、痙攣
⑤頭蓋内圧(ICP)→体位、PEEP、バッキング
・これらを調節して適切な脳内循環を維持する。
・麻酔薬
・吸入麻酔薬
・用量依存的にCMRO2減少(↓)、血管を拡張させCBF増加(↑)
・ただし亜酸化窒素はCMRO2(↑)、CBF(↑)となる
・1MAC以下では影響は少ない。
※頭蓋内コンプライアンスの低下した患者では注意
・利点として覚醒良好なことがある
・静脈麻酔薬
・用量依存的にCBFとCMRO2を減少させる。
・ただしケタミンはCBF(↑)
・麻薬、筋弛緩薬は脳血流量とCMRO2を変化させない。
・TIVA vs吸入麻酔に関しては議論が分かれる。
←多くの場合では少量の吸入麻酔を使用した
バランス麻酔に加えて筋弛緩薬やオピオイドを併用する。
・ICPが上昇している患者に対しては静脈麻酔が有用。
・術中の麻酔管理
・前述の呼吸・循環管理
・脳の緊張緩和(relax brain)
→硬膜を切開する前に脳が緊張していないように。
→切開前にPaCO2 33-35mmHg
→マンニトール、フロセミドの投与(高浸透圧の維持)
・過剰投与は反跳現象を引き起こし脳浮腫を助長する可能性。
・水分管理はevenバランスで適切な脳灌流と脳浮腫を予防
→正常の血管内容量を保ち、高浸透圧状態にする。
・ステロイド×(脳卒中や脳外傷における有用性はない、浮腫は軽減)
・正常体温
・高血糖の予防(<170mg/dl)
・痙攣予防
・座位手術の場合は?
・メリット:良い視野、ドレナージが良好、出血量の減少
・デメリット:空気塞栓の可能性
→術野が心臓より高い位置にある。
→開放された静脈から空気を引き込み空気塞栓発生。
→低酸素症、高CO2血症、気管支収縮、低血圧、循環虚脱など。
・特に右左シャントあるときは要注意。
・空気塞栓のリスクのある症例では中心静脈カテーテル、TEEも。
・モニタはカプノグラム、TEEなど。
・術後管理
・抜管・覚醒
・テント下(気道反射に影響を与える)の手術後や、
長時間腹臥位の患者では慎重に。
・理想的には咳・筋緊張・高血圧を避ける。
・覚醒後の神経学的評価を行う。
(従命、四肢の動き・視野の評価)
・術後鎮痛
・オピオイドは術後鎮痛目的に覚醒前に投与するべきではない?
→覚醒・抜管後に評価したあとに投与する?
→術後鎮痛や終盤の血圧管理のための気前の良いオピオイド投与は
十分な神経学的評価を行えなくする可能性。
・PONV予防は必要。
・頭部外傷患者の麻酔
・traumatic brain injury(TBI)の患者の麻酔では、
二次的脳障害を予防することが目的である。
・急性期にはCBFの自動調節能は破綻しており血圧の増減に応じて変化する。
・血圧低下→CBF減少→脳虚血
・血圧上昇→CBF増加→脳浮腫
・気道評価が重要(頚椎損傷の可能性も)
・フルストマックとして迅速導入。
(→気道評価の上意識下挿管も)
・腹部・整形損傷などがマスクされていることがある。
・ICP上昇していたらTIVAがよい。
「脳神経外科手術の麻酔」
・脳血流量について
・脳血流量(CBF)=脳還流圧/脳血管抵抗
・脳還流圧(CPP)=平均血圧(MAP)-頭蓋内圧(ICP)
→MAP 50-100mmHgの範囲では自動調整される。
・脳血流量の平均は50ml/min
・ →血圧、代謝要求量、PaCO2、PaO2、
血液粘度、神経性調節に影響を受ける。
・脳虚血、外傷、低酸素症、高CO2血症、浮腫、
腫瘤による圧迫、揮発性麻酔薬、・・・
←自動調節能を抑制
→患部の血流は平均動脈圧に依存してしまう。
・動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)について
・20-80mmHgでは直線的に脳血流量が増加
・過換気は脳虚血の危険
→normocapnia(PaCO2=30-35mmHg)
・EtCO2でなく、PaCO2で評価
・動脈血酸素分圧(PaO2)について
・低酸素症により脳血管は拡張(酸素供給を代償する)
・PaO2=60-300mmHg
・脳酸素代謝率(CMRO2)について
・脳組織の酸素消費
・体温低下1℃に対してCMRO27%低下
・麻酔薬(↓)、体温(↑)、痙攣(↑)、疼痛(↑)
・頭蓋内圧(ICP)について
・正常値:5-15mmHg
・ICP上昇
→脳灌流圧が低下
→脳ヘルニアや神経学的合併症を引き起こす
・臨床的徴候
→頭痛、悪心、嘔吐、視力障害、うっ血乳頭、意識障害
・重篤な場合はCushingの3徴(高血圧、徐脈、不規則呼吸)
・生理学的に調節すべきもの
①脳血流量(CBF→MAP 50-150mmHg
②動脈血二酸化炭素分圧→PaCO2 30-35mmHg
③動脈血酸素分圧(PaO2)→PaO2 60-300mmHg
④脳酸素代謝率(CMRO2)→体温、疼痛、痙攣
⑤頭蓋内圧(ICP)→体位、PEEP、バッキング
・これらを調節して適切な脳内循環を維持する。
・麻酔薬
・吸入麻酔薬
・用量依存的にCMRO2減少(↓)、血管を拡張させCBF増加(↑)
・ただし亜酸化窒素はCMRO2(↑)、CBF(↑)となる
・1MAC以下では影響は少ない。
※頭蓋内コンプライアンスの低下した患者では注意
・利点として覚醒良好なことがある
・静脈麻酔薬
・用量依存的にCBFとCMRO2を減少させる。
・ただしケタミンはCBF(↑)
・麻薬、筋弛緩薬は脳血流量とCMRO2を変化させない。
・TIVA vs吸入麻酔に関しては議論が分かれる。
←多くの場合では少量の吸入麻酔を使用した
バランス麻酔に加えて筋弛緩薬やオピオイドを併用する。
・ICPが上昇している患者に対しては静脈麻酔が有用。
・術中の麻酔管理
・前述の呼吸・循環管理
・脳の緊張緩和(relax brain)
→硬膜を切開する前に脳が緊張していないように。
→切開前にPaCO2 33-35mmHg
→マンニトール、フロセミドの投与(高浸透圧の維持)
・過剰投与は反跳現象を引き起こし脳浮腫を助長する可能性。
・水分管理はevenバランスで適切な脳灌流と脳浮腫を予防
→正常の血管内容量を保ち、高浸透圧状態にする。
・ステロイド×(脳卒中や脳外傷における有用性はない、浮腫は軽減)
・正常体温
・高血糖の予防(<170mg/dl)
・痙攣予防
・座位手術の場合は?
・メリット:良い視野、ドレナージが良好、出血量の減少
・デメリット:空気塞栓の可能性
→術野が心臓より高い位置にある。
→開放された静脈から空気を引き込み空気塞栓発生。
→低酸素症、高CO2血症、気管支収縮、低血圧、循環虚脱など。
・特に右左シャントあるときは要注意。
・空気塞栓のリスクのある症例では中心静脈カテーテル、TEEも。
・モニタはカプノグラム、TEEなど。
・術後管理
・抜管・覚醒
・テント下(気道反射に影響を与える)の手術後や、
長時間腹臥位の患者では慎重に。
・理想的には咳・筋緊張・高血圧を避ける。
・覚醒後の神経学的評価を行う。
(従命、四肢の動き・視野の評価)
・術後鎮痛
・オピオイドは術後鎮痛目的に覚醒前に投与するべきではない?
→覚醒・抜管後に評価したあとに投与する?
→術後鎮痛や終盤の血圧管理のための気前の良いオピオイド投与は
十分な神経学的評価を行えなくする可能性。
・PONV予防は必要。
・頭部外傷患者の麻酔
・traumatic brain injury(TBI)の患者の麻酔では、
二次的脳障害を予防することが目的である。
・急性期にはCBFの自動調節能は破綻しており血圧の増減に応じて変化する。
・血圧低下→CBF減少→脳虚血
・血圧上昇→CBF増加→脳浮腫
・気道評価が重要(頚椎損傷の可能性も)
・フルストマックとして迅速導入。
(→気道評価の上意識下挿管も)
・腹部・整形損傷などがマスクされていることがある。
・ICP上昇していたらTIVAがよい。
2017年11月4日土曜日
経皮的気管切開ハンズオンセミナー
「経皮的気管切開ハンズオンセミナー」
麻酔科医師(GICU、麻酔部門)・初期臨床研修医を対象として、ブタの気管および肺検体を用いた経皮的気管切開のWetLabが開催されました。(以下の写真で検体部分には黒塗りをかけてあります)
麻酔科医師(GICU、麻酔部門)・初期臨床研修医を対象として、ブタの気管および肺検体を用いた経皮的気管切開のWetLabが開催されました。(以下の写真で検体部分には黒塗りをかけてあります)
麻酔科医にとっては知っておかなければならない技術でありながらハンズオンの機会が少ない手技でもあり、参加者の先生方には大いに勉強になり、盛り上がったようです。
今後ともこのようなハンズオン教育セミナーを企画していきたいと思います。
2017年10月29日日曜日
ASAボストン
「ASAボストン」
2017年度ASA、The ANESTHESIOLOGY annual meetingが10月21-25日、アメリカ合衆国、ボストンにて開催されました。当院からは過去最多の4演題を発表して参りました。
中央市民病院麻酔科では、ASAでの発表を「基幹学会での発表」と位置付け、今後とも若手の先生方の国際学会での発表を応援していく予定です。
2017年度ASA、The ANESTHESIOLOGY annual meetingが10月21-25日、アメリカ合衆国、ボストンにて開催されました。当院からは過去最多の4演題を発表して参りました。
学会3日目には、アメリカ合衆国で麻酔科医師として働く日本人医師が集まってのお食事会に、中央市民病院組も招いて頂きました。
特に若手の先生方にとっては米国の麻酔科事情を知る貴重な機会となり、大きな刺激になったようです。
中央市民病院麻酔科では、ASAでの発表を「基幹学会での発表」と位置付け、今後とも若手の先生方の国際学会での発表を応援していく予定です。
2017年10月10日火曜日
専攻医登録システムへの情報入力の開始
【専攻医登録システムへの情報入力の開始】
10/10(火)正午より、専門医の一次登録が開始になります。
また、当院プログラムの二次審査が通過した旨の通知もあわせてありました。
機構から、以下のファイルをご参照くださいとのことです。
専攻医登録システム操作マニュアル(専攻医向け)
https://senkoi-support.jmsb.jp/files/senkoi_manual.pdf
各学会のホームページからのアクセスになります。
日本麻酔科学会ホームページ
http://www.anesth.or.jp/
全国の麻酔科専門医を目指されるみなさん、
登録作業を忘れないよう気を付けてください!
10/10(火)正午より、専門医の一次登録が開始になります。
また、当院プログラムの二次審査が通過した旨の通知もあわせてありました。
機構から、以下のファイルをご参照くださいとのことです。
専攻医登録システム操作マニュアル(専攻医向け)
https://senkoi-support.jmsb.jp/files/senkoi_manual.pdf
各学会のホームページからのアクセスになります。
日本麻酔科学会ホームページ
http://www.anesth.or.jp/
全国の麻酔科専門医を目指されるみなさん、
登録作業を忘れないよう気を付けてください!
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